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紙の本
『俳句いまむかし』
2020/11/25 20:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ季語を使った“いま”と“むかし”の句をとりあげて寸評する、2010年5月の開始から十年つづく毎日新聞の連載「季語刻々」
膨大な記事から400回分を選び、春夏秋冬100句ずつに構成して単行本化、2020年8月刊
41字×3行半に込められたTwitterサイズの寸評にクスリとしたり、はっとしたり
通読もよし、季節にあわせて読み進めるもよし、開いたページの一読もよし
・季語は〈今〉を肯定する。p.43
・名句はいつも文法を破って登場する。p.44
・俳句では亀が鳴く。このことを認めたとき、人は俳人へ仲間入りできる。p.46
・すぐれた句はたいていがいくつもの読みを許す。p.73
・すぐれた俳句はしばしば五七五の言葉の絵である。p.170
など“ねんてんさん”の俳句論が織り込まれており、格好の俳句入門にもなっている
紙の本
きれいな日本語を大切にしたい
2020/10/01 16:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は毎日新聞に2010年5月から連載されている「季語刻々」から400句をセレクトして編まれている。
新聞に短詩はよく似合う。
その嚆矢となったのは、朝日新聞に掲載された大岡信氏の「折々のうた」だろう。
読売新聞には俳人の長谷川櫂氏が「四季」という詩歌コラムを連載している。
朝の忙しい時間であってもスッと読めるのが、短詩のいいところだろう。
坪内稔典氏は「季語刻々」の場合、「一つの季語について、今と昔の句を挙げ、感想を書くというスタイル」で、二つの俳句を選ぶのだから、かなりきつい作業といえる。
例えば、「赤蜻蛉」という秋の季語で並んでいるのが、この2つ。
「赤とんぼ空はひろいね困ったね」(香川昭子)「生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉」(夏目漱石)。
もちろん、前者が「いま」の句で、後者が「むかし」の句。
これにそれぞれ坪内氏の感想がつく。
俳句もいいが、なんといっても坪内氏の文章がいい。
毎朝餡パンを食べるという坪内氏の軽妙な文章は朝にはぴったりである。
いやなことがあった日でも、坪内氏の文章を読めば、すっきり気分が変えられるような気がする。
軽妙なだけでなく、坪内氏の言葉のセンスもさすが、「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」と不思議な語感の句を詠んだ人だけあって、文章に出て来る言葉もいい。
「ひともしごろ」なんていう言葉も初めて知った。
「広辞苑」によれば、漢字にして「火点し頃」、つまり「夕暮れ頃」という言葉らしい。
きれいな日本語は大切にしたい。
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