紙の本
迫力あるオオカミの表情
2022/07/17 07:49
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本作家あべ弘士さんは、以前北海道旭川にある旭山動物園で飼育員として20年以上働いていた経歴を持っています。
あべさんの名前を一躍有名にしたのは、
オオカミとヤギとの交流を描いた木村裕一さんの『あらしのよるに』という作品の絵を描いた時で、
動物園の飼育員としての経験が生かされたといえます。
その後も、あべさんは動物たちが登場する絵本を、
別の人が文を書くこともありますし、自身で文も書くことがあります、多く出版してきました。
あべさんの原点に『シートン動物記』がどこまで影響していたかわかりませんが、
男の子の読書体験に『シートン動物記』はとても重要な作品だったのではないでしょうか。
女の子が『赤毛のアン』にはまっていくように。
なので、あべさんが『シートン動物記』から自ら文と絵を描いた作品集が出たとして、ちっとも不思議ではないし、
あべさんの思いが叶えられたようで、読者としてもうれしいシリーズになっています。
その一冊目が『オオカミ王ロボ』というのも納得です。
表紙のオオカミを正面から描いた絵など、あべさんの渾身の一枚ではないでしょうか。
物語の中で、オオカミの足跡が狂暴で知恵の働くロボというオオカミを退治するキーになっていますが、
児童書として刊行されている本ではなかなか見ることができない、オオカミの足跡が描かれていて、
なるほどオオカミというのはこういう足跡なのかと納得がいくように描かれています。
もちろん、実際のシートンの物語はもっと長い作品ですから、
あべさんの本を読んで満足するのではなく、ぜひちゃんと訳された本を次には読むことを薦めます。
電子書籍
切ない
2024/03/20 01:03
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投稿者:ねこにゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間よりも強く賢い、オオカミの王、ロボ。シートンとの知恵比べの末、勝負を決めたのはロボの奥さんのブランカだった。ちょっと切ない終わり方でした。
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あべ弘士さんの「オオカミ王ロボ」
作品に取りかかる前に、カナダ中東部ノースウエスト・ウッズを訪れ、たくさんのスケッチをされたそうです。
自由に生き生きとしたロボの姿を見られます。
ロボの足跡、ロボが罠に糞をかぶせているところ、仲間たちと遠吠えを楽しんでいる挿し絵が好きです。
そして、シートンがブランカの脚を握っている絵から、文とあわせて、よりシートンの思いが伝わってくるように感じました。
(以下は、本を読んでからみてください。)
そして、ロボとはじめて相対するとき。
見開き2ページに渡るその絵から、ロボの大きさを。
こちらを見つめる眼差しからは王の風格を。
ブランカ以外のオオカミたちにも、触れていたほうが、ロボが王の座からおちた孤独がもっと伝わっのではと、絵に圧倒されましたが、そこだけ残念に思いました。
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表紙のオオカミの絵の迫力がすごい
シートン動物記をあまり知らないので
どうして狼が毎晩牛を一頭食べるのか
気になった。
人間の惨さを感じた話
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小学校の時読んだシ―トン動物記。その後読んだ白土三平の漫画のシ―トン動物記。いずれも心に残る名作だったが、あべ弘士のオオカミ王ロボ、涙が出て来るなぁ。また、良い本に出会えました。
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いいお話だった。予想通りの結末だったけど、最後がかわいそうだった。弱肉強食の世界だから、仕方ないのだけど。
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こどもの頃に読んだきりでした
ちょうど地元であべ弘士さんの原画展があり
その際にシートン動物記を描かれていると知り
迷わずロボを選びました
こどもの頃の記憶はあいまいで
大きくて恐ろしいオオカミという印象しかなく
絵本で読み返してみたら、、、
こんな悲しいお話しだったのか、と
自分たちの都合で動く人間と
自然界に身を置くロボとの命がけのかけひき
ほんとうは、住まわせてもらっているのは
人間の方なのにね
ロボが気高く賢い知恵者だとするならば
愛する者で誘き寄せるなんてやりかた、
心がえぐられたまま戻らないのは当然だと
読みながら、しかたなかったことなの?
と憤りすら感じて泣けてくるわ、、、
シートン先生よぅ、、、
訳者が記載されていないから
あべさんが解釈しながら絵もつけたのでしょうか
解釈はともかく
動物と長く過ごしてこられたあべさんの、
自然への敬意は、当然のように
描かれた絵から強く伝わってきます
愛おしさと尊敬
繊細でいてダイナミック
おとなになって、あらためて手にした
シートン動物記と
あべさんの絵本で再会できたことを
喜ばしく思います
シリーズで揃えようと思います
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アメリカで牧場を荒らしまくる強くて大きく賢いオオカミ・ロボ。オオカミたちの気高い生き様や人間たちとの闘いが大迫力。カッコいいんだロボ。強くて賢くて愛がある。真のリーダーだな。でもたったひとつの弱点によって迎えたロボの最期はとても切ない。それでもカッコいいロボ。人間の方が悪く思えてしまうほど。
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シートン動物記をあべ弘士さんの迫力ある絵で。賢く強いオオカミのロボ、5年で2000頭もの家畜を食べてしまう悪者なのだから、この終わり方は仕方ないのかもしれないけど、ロボもロボの奥さんも生きていてほしいと思ってしまう。たった1つの泣きどころが妻だなんて、なんてかっこいいんだロボよ。シートンめ!とつい思ってしまう物語。