電子書籍
会計の
2022/03/11 09:37
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投稿者:いのぜい - この投稿者のレビュー一覧を見る
会計の歴史について教えられる。
紙の本
コロナの時代につながる話
2021/09/19 01:06
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本に書かれていることの何がすごいのかを訳者のじゃぶんの言葉を借りていうと、「それまでの商人の手引書と決定的に異なるのは、商売と商人の存在理由を示し、そのあるべき理想を掲げている」ということだそうです。そして書かれた時代がペストにおびえていた時代、今の時代に通じる話でもあるわけです
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15世紀、ラグーサ(現在のクロアチア共和国ダルマチア地方のドゥブロヴニク)で活躍した商人にして、外交官、造幣局長、財務総監でもあるベネデット・コトルリの著書。
……を、複式簿記の指南など門外漢には分かりづらい部分を省略し、再編した海外の本から、日本語訳されたのが本書。
ユマニストのはしり、ペトラルカが、宗教色というかキリスト教と教会組織へのおべっかばかりで読みづらいのに比べ、本書は(現代人による再編もあり)15の短い章に分けられた、商売人の心構えと、ちょっとだけ複式簿記の基礎を説いた読みやすい本である。
ルネッサンスと商業の二つの世界で、生き生きと学び、活動したコトルリ。そのの筆致は古典からの引用も交えつつ、自身の内省から生まれた哲学によって彩られており、見事、というよりほかはない。
もちろん、『当時としては最新最高の学問的知見』だった骨相学や占星学など、『現代からみると昔の迷信』として片づけられるべき知識に依拠した主張もある。これは仕方のないことである。
現代のわれわれの価値観で、
「この部分は確かに古い知識に基づいているので、この本全体も、主張には価値が無い」
などと判断してはなるまい。
今の私たちの知見が、五百年後には鼻で笑われる可能性だってあるのだから。
古典(ギリシアやヘレニズム期の哲学)、キリスト教の聖書からの引用は、脚注が付記されているので、なじみの薄い読者の助けになるのも好感が持てる。
本書で、会計の歴史に興味を持たれた向きには、ジェイコブ・ソールの『帳簿の世界史』も併せてお勧めしたい。
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世界初のビジネス書で、15世紀に書かれたとされる。
500年以上も前にどんなことを言っていたのか気になって読んでみると、今まさに必要とされるマインドの部分。
テクニック偏重のこの時代にとって非常に重要な内容だと感じた。
本の中に出てくる20の重要なポイントの中で、私が特に気になったのは
「公正さとは、各々に自らのものを帰することである」
これはまさにそうで、よく公正とか公平でなければいけないという声を聞くが、みな盲目的にそうしなければならないと思い込んでいるように思う。
だから、他人に対してもその考えを強要してしまうのだけれど、なぜ公正にするのかを考えると、コトルリさんの言うように、結局自分に返ってくるから。
人に親切にするのもそう。全ての行動は自分に返ってくる。だからそうするのだという考えは、個人的にとても気に入っている。
一方で、商人は巧妙でなければならないとも言われている。
だたしそれは相手を騙すためではなく、自分を守るため。
取引相手が純真もしくは理不尽であれば取引をやめるべきだと言っている。
これは商売について書かれた内容であるが、生き方についても通づると思う。全ての人に対してコントロール願望を持つのではなく、自分にとって生きやすい人と関係を作っていくことが、楽しく賢く生きる上での秘訣なのだろう。
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テクニック偏重のビジネス書ではなく、ビジネスに対しての人間の本質を問いた本。ただ、個人的には特筆することはなく、全て読まずに終わってしまった。
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15世紀の商売術書です。一見当たり前のような事が書かれていますが、それこそが真理である証。ビジネスの真髄は何百年経っても変わらないのでしょう。格言やビジネス書が好きな方におすすめ。
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15世紀にイタリアで活躍した商人〈ベネデット・コルトリ〉。彼が後世の商人たちのために著した『商売術の書』をまとめたものが、この『世界初のビジネス書』になります。
本は15の章で構成されています。ビジネス書となると技術的なことや専門的なことを中心に書かれているのかと思ったのですが、商人としての心構えやあり方といったものが中心の内容です。
商売って打算や計略的なところもあるかと思うのですが、この本に書かれているとてもまっすぐで当たり前のこと。契約や法を順守し、つき合う人を選び、欲をかき過ぎず、扱う商品の質を担保する。
自分一人の儲けだけに専心せず、他の者たちにも利益をあげさせよ、と説いているところも印象的でした。最近の潮流だと国連の掲げた17の目標SDGsなどで、企業も自社の利益以外のことにも注意を払うことが叫ばれるようになりました。そうした概念が15世紀の商人にも見られたのが驚きです。
当たり前のことが15世紀から現在まで、本として読み継がれていることに意味があるように思います。技術より計略より大事な人間としての部分。その真理をコルトリは商売を通じてみていたのかと感じます。
そしてコルトリの商売に対する誇りもよかった。
商売は世界を動かす。人類の発展に寄与する。
本の中でそう言い切る姿が、彼の自身の職務に対するプライドが垣間見える。自分の仕事に誇りを持てることもうらやましかった。
目新しいことを求めるというよりも、古から続く大事なことを改めて確認する。そうした意味でとてもいい本だと思いました。