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投稿者:てつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何故かこの人の言うことを信じてしまう、言ったとおりのことをしてしまうことがある。それが新興宗教だったり、政治家だったりするんだけど、法を犯さないことでその力を是非生かして欲しい。この作品は家族愛も垣間見れたのでそこは救いか。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
冤罪か、否か……なんですが、なんか読んでいて嫌な気分になります。この母親がこんなだからか。いや、子供が二人も殺されたからか。ミステリーでも、被害者が子供というのは、あと味も悪いし、読んでいてちょっとねえ。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は才能ある作家です。しかし残念ながら本書は傑作とは思えませんし、何かネチョッとした印象が残りました。
小児病棟で点滴にインシュリンが混入し二人が死亡。そして生き残った女の子の母親が逮捕された。彼女も一時は自白したものの、やがて犯行を否認。果たして事件の真相は?というストーリーです。
やたら裁判の描写が多く、読み飛ばしてしまいました。
次回作に期待。
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冤罪の話です。
犯人かどうかわからない=霧の中にいる状態。
途中まで真犯人なのかどう信じていいか分からない状態が続くので読み続けるのに飽きそうになるけど、
残り150ページから「めっちゃいい話やん!!」って泣きそうになった。
被告人としてあげられてしまうと、バイアスかかってフラットな時点で見ることはほぼ不可能だろうと思うととても苦しい。痴漢冤罪も実は多そうですよね・・・。
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私の心の中で著者はいやミス巨匠なんだけれど、本書は意外に真っ当。少し風味づけはあるけど、最後まで面白いです。
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小南由惟(高3)、紗奈(小6)は母子家庭の姉妹。紗奈は腎炎で長いこと小児病棟に入院している。同室には様々な病で長期入院している子供たちがいる。紗奈の母野々花はほぼ泊まり込みで献身的に看病している。他の子のお母さんたちも同様の生活。ただ野々花は少々変わっているところがあり、病院の治療(特に薬)に懐疑的だ。以前看護助手として病院に勤務していたこともあり、いろいろ看護士らに注文を出すわ、点滴の早さを勝手に変えるわと煙たがられている。しかも他の子供達にもお節介を焼くので、他のお母さんの中にはそれで小さなトラブルも起こる。かと思えば同室に人達や看護士へ、普通のお菓子を配り歩いたりする。確かにそんなお節介おばさんはいるものだ。わかるなぁと読んでいると、紗奈も含め部屋の子供たちが次々と容態が急変し、懸命の治療にも関わらず二人が亡くなってしまう。
原因は点滴液にインスリンが混入されたこと。まず容疑者として浮上したのが野々花であり、逮捕された6日目に自供してしまう。しかしその後否認に転じ、国選弁護人としてこの方面では大物である貴島弁護士が担当するが、貴島はガンを患っており、弁護団には若い弁護士桝田と同期の伊豆原が加わることとなる。弁護団は野々花の無罪を勝ち取るため、詳しい調査を始めるのだが・・・。さらにそれぞれの弁護士にはこの事件に対する複雑な思いも隠されていた。
証拠の少ない犯罪で、特に伊豆原が姉妹のケアや地道な調査を通じて、徐々に事件の核心に近づいたり遠のいたりという流れにはらはらさせられる。特に99%の有罪率を誇る、警察・検察の容疑者を追い詰める手口が怖い。
以前から司法の取り調べには犯人ありきの猛烈なものがあり、検察が証拠を捏造するなどで、これまでにも多くの冤罪事件が発生していることから、取り調べの可視化が義務付けられ、また拘置所の出入り時間は刑事部門とは別部署が行い、改変できないようにするなど様々な対応がなされた。しかしそれでもなお、録画機器が不調だとか、容疑者を落ち着かせるための雑談とか称して、自供しないと娘たちが大変なことになるとか、このままだと死刑になるとか、録画されると困る会話は録画義務がある取り調べとは別の時間で徹底的に数時間にわたり続けられる。また裁判官にしてもよくいるタイプとして、公判をスケジュール通りスムーズに進めることを重視し、検察の提示したストーリーを疑念なく受け入れるものも多い。さらに自白の重要性。自白調書の任意性は余程の事がない限り認められてしまうので、自供の重大さを認識する必要がある。
以上のように冤罪を覆すことは困難極まりなく、日本の今の司法制度では、誰でも冤罪当事者となる恐れがあると感じた。
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無実の被告を守ろうとする主人公と真犯人を守ろうとする意外な人物。それぞれの正義と思惑が絶妙に絡み合い裁判は進んで行く。
無事無罪を勝ち取れるか?
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序盤で
点滴中毒死傷事件にかかわる
弁護士、被告人とその家族、被害者、
看護士たちの人となりやつながりを
じっくりと丁寧に描き
中盤の
裁判員裁判のための公判前整理手続きから
終盤の公判にかけて
物語がどんどん加速し
ページが足りないんじゃないかと
心配になるほど止まらない。
へんなどんでん返しとか
気をてらった結末とかなく
一人ひとりをきちんと描いているのがいい。
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母親の冤罪を勝ち取るために戦う少女の物語。
妹・紗奈の入院している病院で、点滴薬物混入事件が発生。
二人の少女の命が失われ、紗奈の母、野々花が逮捕されてしまう。
変わった性格が災いし、過去の職歴や行動から警察によって見事に犯人像に仕立て上げられてしまう。
紗奈の姉・由惟は、最初こそ母を信じられない気持であったが、弁護を請け負った伊豆原の熱意にほだされ、裁判に向き合うように。
無罪を勝ち取ることができるのか!?
丁寧な裁判過程の描写が、分かりやすかったです。
ただ、どうしてもどんでん返し的な結末を期待しすぎました。
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刑事裁判の有罪率は99.9%。起訴されたらほぼ有罪になる、ということ。
裁判員裁判においては特に無罪判決は出にくいという。
有罪かも知れない人を無罪にする、というハードルは、無罪かも知れない人を有罪にするよりも高いのだろう。わかる気もするが、そこに「疑わしきは罰せず」は存在しないのか。
病院内で起こった点滴死傷事件。入院中の4人の幼い子どもたちの点滴に異物を混入した容疑者はその母親。
誰もがその罪を確信する中、無罪を信じて奔走する一人の弁護士。
そこにあるのは冤罪か。0.01%の無罪か。
手に汗握る法廷劇。正義は霧をはらえるのか。若き弁護士が開いたのは人の心と真実の扉。
予想を超えた結末に思わずうなった。
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正直、中盤過ぎまでだらけなかったと言えば大嘘。
病院内で起きた無差別死傷事件、2人の子供が無くなった。
犯人と目星が建つ母親は出だしからしつこいほどに「嫌がられるような」描写が続き、少々うんざり。当然真相は・・という展開で霧が晴れるのだが。
作者の意図かもしれないとは思うが、似たような会話や推測が繰り返し出てきて、此処までの分厚さが必要だったかと思ってしまう。それが作者の意図する「関係者間の心中の葛藤を軸に置いた心情の駆け引き、やり取り」であり、其処を抜ける事で「霧は払はらわれる」という結論に至らせたかったのか。
伊豆田という弁護士にリアリティを感じさせず「美しすぎ、出来すぎ」そして妻は更に完璧。これだけでも鼻についた。
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家族は家族を信じ無ければならない。弁護士は被告人を無罪と信じて戦わなければならない。真実を語ることは時として勇気が必要だが、語らなければならない。そうしなければ、いつまでも自責の念に付き纏われる。
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小児病棟で起きた点滴毒物混入事件。四人の女児のうち、二人が犠牲になった。逮捕されたのは、助かった女児の母親。本当に混入したのか?当の本人は、のほほんとした印象だが、やっていないと主張する。状況としては、黒に近く、無実を証明するのが困難である。国選として選ばれた弁護士たちが、様々な証言をもとに検証していく。
雫井さんの最新作で、本格的な法廷サスペンスです。法廷というと、雫井さんの別の作品「火の粉」「検察側の証人」が思い浮かぶのですが、この作品は、より裁判に重点を置いています。
地道に病院関係者や被害者家族の証言を得て、それを検証していくのが大半なので、丁寧に裁判に至る準備が具体的に書いているなという印象でした。これらを地道に弁護士がやっていると思うと、大変さが窺えました。
ここまで検証するんだという部分もあり、その活躍ぶりに圧倒されました。
その分、特に前半は証言を多くもらうため、淡々とゆったりめの動きでした。しかし、後半からは新たな証言、覆される事実など、あらゆることが発動していくので、読み応えがありました。
果たして、母親は有罪なのか?無罪なのか?最初の段階では、おっとりとしていて、事件の重みというものが感じられず、異常者なのかと思ってしまいました。
でも、段々と母親のことを深掘りしていくうちに、子供に対する愛情、親切心であるがゆえの行動に心が痛くなりました。
子供側にも世間からの冷たさや非難が、まぁ心苦しく、関係者というだけで、差別されていることに同じ人間として恥ずかしい思いもありました。
周りの情報だけで、その人の印象を決めつけるのではなく、相手の「目」を見て、真摯に向き合うことが大切であると感じました。
何も関係ない人は、口を挟むなと言いたくなりました。
後半での展開は、色々な前途多難なことが起きます。一つずつ得た証言をもとに崩れていく様子は、静かな雰囲気を出していながらも、展開が面白かったです。
判決が出た後も、色んな事実が出てきて、最後まで楽しめました。
相手を想う気持ちは、とても大切であると思った作品でした。
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お母さんも お姉ちゃんも キャラクターのクセが強い
誤解もされるだろうし トラブルもあるだろう
だけど 程度の差はあっても 人にはみんな 似たような部分があると思う
だから
受け入れてくれる人がいて良かった
信じてくれて 応援してもらえて 良かったね と 声をかけてあげたくなる
矢面にたって 支え 戦い続けた弁護士さんにも 最大の賛辞を贈りたい
物語の終盤、法廷でのやりとりに胸を熱くして 読んで良かった と 本を閉じた
本当に読んで良かった
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自供以外は状況証拠の裁判を通して、人の弱さや強さ、善意や悪意、家族の再生や成長が描かれて、一気に読んだ。
裁判の話だと思っていたら、最後に謎解きがあって、最後まで面白かった。