紙の本
京極夏彦の話し言葉
2023/04/06 14:11
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京極夏彦が講演会で話した内容をまとめた本。緻密な言葉が綴られたレンガ本とは違って話し言葉の柔らかさがある。本来人が不可解で不安な状態を言語化した妖怪が水木しげるによって視覚化された経緯を解りやすく語る。一朝一夕ではできない蓄積が読める。
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【「あやし」の世界の魅力を語り尽くす!】日本各地に言い伝えられる「妖怪」から江戸・明治期の絵師・河鍋暁斎、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるまで令和版「妖怪談義」。
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京極夏彦氏の講演集。各地で行われた講演会9回で話された内容を文章にしてまとめてあります。基本中心題材は題名のとおり「ことば」と「おばけ」で、京極さんの考える妖怪というモノの概念がわかります。以前に読んだ、『地獄の楽しみ方 17歳の特別教室』の内容をもう少し詳しく、妖怪寄りにした話が多いかな。
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行けなかった講演会の内容が読めたので嬉しい。
老いること、生と死、怖さとはなにかなど読んでいてうなずける話も多く楽しかった。
小説は作者の意図なんか気にせず好きなように読んだらいいというはなしで書かれていた、『作者なんて、道に落ちていたら踏んでもいいくらいのものです。』には笑った。
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「おばけ」と「ことば」に関しての圧倒的な情報量。しかも論理的で丁寧な語り口だからとても読みやすくて内容がすっと入ってくる。これだけの内容を原稿なしで講演するなんてすごいことです。このコロナ禍の時代、アマビエのような妖怪の存在が重要になるということがよく分かる。どこかで読んだことがあるような気がするけれど、京極夏彦さんは森博嗣さんと似ているような気がする。久々に、定価以上の価値が十分にあると思えるような本でした。
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あやしいどころか理路整然と明晰に、「おばけ」と「ことば」についてご教示賜りました。日本語のいい加減さこそが概念操作を高めて解釈の幅を広げる、これが「目に見えないものは、いる」と水木先生のおっしゃるところのお化けや妖怪の解釈に通じるんですね。確かに、京極さんが著作において一貫して述べておられます。葬式とかお盆とかの意義、これに関してもなるほど。死者のためではなく、生者が別れの悲しみを乗り越えて前に進むために催すイベントですか。先祖を送り、あるいは年に一度御霊に会うために、遠路はるばる縁者が集うんですものね。
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京極夏彦さんの講演は2回だけ伺ったことがあります。
京極さんのお話は小説と同じようにとても引き込まれ面白かったので、今回そんな京極さんの講演の本が発売されたと知り、すぐに読みはじめました。
いくつかの講演でお話しされた内容が収録されており、どれも楽しく読むことができました。ただ、読んでいるとどうしても京極作品(とくに百鬼夜行シリーズ)がちらついてくるので、もう何度も読んでいるのですが再読したくなります。再読し出すととても長いのですが、これはまたしちゃいそうだと思いました。
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世界妖怪協会の初代会長・水木しげる氏の大ファンで、公認の弟子と称する京極夏彦氏が、小説家目線で語った全国各地での講演会を書籍化されたものです。「妖怪」や「幽霊」などと云うものは、長い時間をかけて培われてきた民俗風土の文化であり、生きるための知恵の一つとして現世を生きやすくしてきたものです。どうしようもなく行き詰った気持ちになった時は、それを「妖怪」に仮託して笑い飛ばせばよろしい。そして「怪談」の怖さを楽しみましょう。〝いたら怖いかな〟くらいの感覚でつき合えば、人生はより楽しいですよ、と語られています。
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2021冬の文芸書フェア
所蔵状況の確認はこちらから↓
https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001013484
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第一談の「読書は読んだ人が、その人だけの物語り生み出す行為」と、作者 京極夏彦氏は、書かれている。
世界の半分は、書物の中に在る。と。
タイムトラベル・宇宙旅行・秘境探検・世界旅行も 自由自在で、危険行為も無く、何度も楽しめる。
こんな事が出来る 本は高価では、無い!と作者は、言うけど、やはり、この書籍という一度ハマると、無縁地獄であるので、私にとっては、古本巡り、図書館通いが、だいすきである。(笑)
第二談の水木しげる氏の「幸福観察学会」で、ドアを開けると異なる世界が広がり、そして隣の部屋を開けると他界が、あるように、幸福もその辺に転がっているのに、私達は、それが見えていないだけである。と。
最近、当たり前の平凡な生活をしているけど、その当たりまえの生活が、出来るという事は、感謝しないといけないと、思う。
天変地異で、生活の基盤を無くしたり、身内を亡くすという被害を被った人もいるし、自分の意見も言えず、肌の色の違いで、差別されたり、自分に関与していなくても、戦渦に巻き込まれ、食事も住居も奪われる人達もいる事を思ったら、何と幸せな生活を自分はしているのだろうと、考える。
水木しげる氏は、九死に一生を得る体験から、地獄と極楽の両方を描けるのだと思う。
柳田國男氏が、絵馬で間引きを知って、郷土学「伝説」「世話話」「昔話」で、遠野物語を。
信仰の対象の話も死生観から、幽霊、お化け、妖怪。
日本の妖怪を描いた 河鍋暁斎の幽霊等の絵の本を読んだ(眺めた、鑑賞した)けど、ある時代小説でも、殺されたり、切腹現場に行き、筆で、その姿を書き写す者がいた・・・・等書かれており、何でも、興味を持って、写実的にその場の状態を写し取っていたのだと。
天才であり、画鬼になっていたのだと。
幽霊は、どうして怖いのか?等、なるほど、と、思われる話をこの本は、描いているのだけど、アニメや漫画で、妖怪が、描写されるようになって、お化けといわれていた時代からは、親しまれるようになったと、思う。
京極夏彦氏の講演集の本であったけど、話の一貫性が、少し飛び跳ねているようにおもえた。
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小説はすべて誤読です。(29ページ)
ネットの海で唯一神的な解釈の暴力をふりかざす人間に出会ったら、この言葉を思い出そうと思う。
書楼弔堂でもこの辺りに言及したシーンがあったように思うけれど、京極夏彦にこう端的に言われると安心する。土井善晴の「一汁一菜でよいという提案」に出会ったときと同種の。権威に弱いので。
死の対義語が誕生ではなく生である文化が多い
→定規が生、定規の端が死であるとしたら、その先に見えない定規をくっつけてしまっているようだ
語彙は解像度である
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講演集。京極さんの妖怪話は面白いねえ。でもこれは普段小説で書かれていることと同じなんですね。出力法が違うだけ。実にぶれない。
妖怪とはなにか。日本語の特性は妖怪に通じる。おばけとは幽霊とは怖いとは信仰とは。面白いねえ。
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ゆっくりゆっくり味わうように読みました。中には直接会場でお聞きした公演もあって、よくこれだけ脱線しながら、最終的にそういう話に着地するなと唸ってしまいます。目の前に先生がいて、語りかけてくれるようで非常にありがたい本でございました。
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学生選書ツアー2023選書図書
【所在・貸出状況を見る】
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/search?q=9784163913421
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読んだら忘れてくれと言うものだから、務めて立ち止まらず読み進めるようにしてみた。とは言っても、妖怪との距離のとり方というか、妖怪を見る視点のようなものがとても面白くて結局あれこれ考えてしまったけれど笑