紙の本
臍の下辺りの力……、うぅ。
2022/11/10 22:06
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投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は体育の授業が嫌いだ。水泳以外は。特に武道の類は虫酸が走るほど嫌で、対戦でもロクな結果になったことがない。そもそも、「丹田に力を入れる」とか、「臍の下辺りに力を入れる」とか言われても、どこに力を入れていいのかさっぱり解からない。結果として、適当な辺りに力を入れて、この本で言うところの「遠回り」をしてしまうことになる。剣道の「腋の下に卵を挟むつもりで」なんかも解からない。授業時間をフイにしたことになる。この本に、それくらいの年頃に出合いたかった。試行錯誤ができただろうから。結論は弱いが、重要なことを指摘していて、それを読むだけの価値はある。
紙の本
基本を振り返られる
2020/08/20 23:08
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投稿者:ふるかわぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本が大事というが、本書はそれに対しての疑問から入る。
序盤に指導者側と教わる側のズレの話もでてくる。
著者のたとえがわかりやすくて、それに対する説明も項目内で説明してくれるので、ちんぷんかんぷんにはなりづらいだろう。
この本は武術に関する本ではあるが、ほかもの物事にも通ずることが書いてあり、置き換えることで様々なことに応用が利くのではないかと思われる。
紙の本
手厳しい内容だけど、じゃあどうするの。
2020/02/16 12:19
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は耳に痛い手厳しことが書かれてあり、ある意味で拍手!だけど、そこで尻切れトンボのようで、じゃあどうするのというのがない。批判で終わっているような気がする。著者の場合には、こういう風にしているとかそういったことが書かれていないので、批判的な内容で終わっていると思う。
甲野氏の場合には、基本がないので自由といえば自由だが、その都度手の形ややり方が変わって対処療法的な感じがしてあまり好感が持てない。黒田鉄山氏をはじめ他武道の方々であれば、一本筋が入ってそこからの変化応用となるけど甲野氏の場合にはその辺りが違うので好意がもてない。
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共著のようだか事実上、方条氏の著作です。
稽古をする上で上達のコツとは何か、というよりは上達を妨げるものは何かに焦点が置かれている。
稽古をする者にとっても指導をする者にとっても耳が痛い話も多いがとても参考になります。
少しだけとげとげしい文章という印象があったのだが、後半の甲野氏との対談を読んで稽古会での嫌な出来事などの経験があるからなんだなと納得。
方条氏は甲野氏のもとで多くの人材が育ったと言っているが、私が逆に甲野氏のもとでなぜ人材が育たないのかがこの本を読んでわかった。
なぜならこの本で書かれているような上達論が甲野氏ではなく、弟子である方条氏が書いてあるから。
甲野氏にとって稽古は自分がするもので、方条氏は稽古とは相手とするものと考えている気がします。
甲野氏の稽古はあくまでも「個」であり、方条氏の稽古は「場」である。
そんな「個」の甲野氏に「場」の方条氏だから稽古が成立する。
「個」と「場」、「場」と「場」の組み合わせは稽古としては問題ないが、「個」と「個」では質の良い稽古は成り立ちづらい。
類は友を呼ぶという考えから言えば、これからも甲野氏の稽古会はこの本で書かれている上達論から外れた人達が集まり続ける気がします。
もちろんこれは「個」の稽古を否定しているわけではなく、甲野氏の能力はむしろ「個」だからこそ突出したと思います。
ただ稽古の場を主催するような立場的には「個」は難しいタイプかなという気がします。
武道の稽古をしている人にはおすすめの一冊です。
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帯裏
「基本が無い」甲野先生の武術をどう学べば良いのでしょうか。
多くの人が、ここで頭を悩ませることになります。
残念な事に、手掛かりが無いまま早々に挫折をしてしまう人もいます。
一方で、甲野先生は驚くほど多彩な人材を輩出しているという面もあります。
「挫折をした人」と「残った人」。この違いは何なのでしょうか。
それは「基本に替わるもの」を手に入れた人達だと私は考えています。
では、「基本に替わるもの」とは何でしょうか?
まずは、そこから語り始めたいと思います。
(方条遼雨・序文より要約抜粋)
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研究者が指導者に必ずしもなる事ができるわけではなく、往々にして翻訳者が必要だと思うわけで。
甲野先生はまさに刺激や発想の源で、探求者で研究者。
そこそこ先生から離れながら独自に極めた人が独り立ちするのもそう言うあたり。
師に依存せず、自己観察省察する力が求められると言う事。
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武術の本ですが、あらゆることにあてはまる内容でした。現実をそのまま受け取り、余計なことをしない。自分自身の偏見や癖も自分自身の一部になっていてそこに依存をしている。そこから抜けだすには絶対にできることから徐々に「許し」の訓練を行う。など自分自身にあてはまり、試してみようと思いました。
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武術家・武術指導者の方条さんという方が、師匠格である甲野さんの振る舞いにヒントを得て、物事の習得、上達とは何かについて検討し、解説されている本。物事を細かくスキルとして分解し、どう扱うかをマニュアル化して、理解させることで上達するという一般的なやり方を批判し、理解や解釈は後、まずは根本原理=体の原理を組み替えることから始めるべきと説く。レースをしながらマシンの改造はできないので。低負荷で低速で単純に行うこと、また思考の柔軟性を持ち続けること=許すこと、など。一理あると思いつつ、精神論に走りすぎのきらいも感じてしまうということは、私が未熟ということか。
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久々に武術書を読みました
とかくカタカナで語られていそうな内容が
日本語で丁寧に書かれていて腑に落ちる内容でした
武術を極めようとされる方だけでなく
何かを探究して深めたい方全てにお勧めしたい本です