目からウロコです
2022/03/15 15:42
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投稿者:春天愉快 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の社会が、さまざまな切り口でデータを示しながら世界の中でどのような位置にいるのか、どのように見えるのかを具体的に見せてくれます。
「こんな国だったとは…」と読み進めるうちに絶望が深まってきますが、この国で生きている我々が良い方向に変えていかなければ、という気持ちになりました。
惜しみなくデータ分析を駆使&ここまで日本を悪く言うとは・・・
2021/11/10 16:40
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
惜しみなくデータ分析を駆使し、データに基づいて「日本の良くない点」を著者が鋭く指摘する1冊です。文中にたくさんのデータが登場します。著者のデータ分析力はすさまじいと感心しました。
ですが、ここまで日本を悪く言うのは行き過ぎでは?と思わず引いてしまいました。著者の専門が教育社会学なので、日本の悪い点を指摘するのには同意しますが、「著者は何か日本に恨みでもあるのか?」と思わず訝しんでしまいました。主張がいささか激し過ぎに思います。
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著者がプリマー新書に書いてくれると分かりやすくていいね。
いろいろな国際比較データから、今の日本をあぶり出す試みだ。とってもその通りだと思ったのが、世界30ヶ国の16〜24歳を対象に「親世代より生活水準はあがるだろう」を肯定する回答で、日本は最下位。他の調査(世界70ヶ国対象)による「生きる意味」の指標でも最下位。日本ってどん詰まりであることが分かっちゃう。
著者はこれを「教育」「家族」「仕事」の戦後日本の循環型社会が崩れたからだという。この崩壊を支えるためには教育に国が支出すべき というのは教育社会学者の著者らしいところかな。
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データをもとに日本とはどんな国かを直視させる本。本田由紀氏の本気は、あらゆるところで、あらゆる層に向かって発信し続けることから、十分伝わる。Twitterさえ、発信している。
東大の教養部の推薦入試にも、彼女の本「教育は何を評価してきたのか」から出題され、東大もまた、この国に対する危機感を強くしている。
この本は、若者向けに、まずはデータでエビデンスを明確にし、偏見の先入観のない日本人像を提示、そこから展望を導き出す。
結局、やれることは、「どんな属性の人にも偏見を持たずに敬意を払う」という、どこでも言われ続けたことになるのだが、データを示された後では、説得力が増す。
本田由紀氏を応援します!
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「家族」や「ジェンダー」のところはデータのあつかいそのものにたいへん不満がある。表記や論理にも疑問がある。教育や「自分」のところはさすがに専門家だけあっておもしろいところがあるけど、国際比較みたいなのはなぜその指標に目を向けるのか、他に重要な指標はないのかとかちゃんと論じてほしい。
あんまりアレなのでブログ書きました。
https://yonosuke.net/eguchi/archives/15132
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様々な観点から、現代日本の状況が詳しく説明されている。
経済面だけやってあと個人の生活や雇用、教育は全て自己責任という風潮があまりに長く続くこの世の中を変えていけるのか。
その原因は与党の姿勢にあり、それを長く続けさせたのは私たち有権者の責任である。
とても良い本だと思った。
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2021年11月24日(水)にジュンク堂書店三宮店で購入。11月25日(木)に読み始め、26日(金)読み終える。
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日本という国のリアルな姿を国際比較データを用いて丹念に問い直す本著。中高生にもわかる平易な文章で書かれており、たいへん読みやすかった。
「家族」や「ジェンダー」の章で、日本の厳しい現実を示すデータが出てくることはある程度想定していたが、「学校」の章における、高校入試が行われるのは先進国では特異であるという指摘や、進学する高校でその後の進路が大きく左右され、かつ生徒の家族背景にも高校間で明確な格差があるという指摘には驚いた。昨今よく指摘されていることではあるが、学歴は本人の努力の成果とは言えないことがよくわかる。
また全章を通して、データから、日本人の自己効力感の低さや、家族や仕事への満足度の低さ、将来への諦め、他者への冷酷さ、所属する企業や政府にへつらう権威主義の強さが窺われ、つらい気持ちになった。しかし、著者も述べているとおり、まずはひどい現実にきちんと正面から向き合い、あきらめることなく取り組んでいくほかはない。日本を、自分を、手放してはならない。
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世帯の主な働き主、多くの場合は夫であり父である男性、を企業組織に抱え込んでもらい、賃金などを長期に渡って保障してもらえれば、政府が本来責任を担うべき福祉などへの支出を節約できたからです、
このような明快な言い方で、いろいろおかしくて相当やばい日本、日本政府、自民党をバサバサと。日本に居心地が良いという人の気が知れないけど本当に居心地悪さをデータと本田さんのバッサリざっくり率直な物言い、分析で斬ってくださるので気持ち良い、そして徒労感、不安。
先のような理由でとても簡単な選択制夫婦別姓という選択さえできないんだよ。
一つ一つのテーマとデータが絡み合い次の項目に繋がる。時代がつながる。そして分断される様子が若い人向けにわかりやすくしかし断固たる本田さん目線で貫かれていて頼もしく手元にいつも置いておきたい一冊となった。若い世代の方が手に取り選挙に行ったり日本では当たり前みたいに思わされてるけど本当はすごくおかしいことに気づいて声をあげたりできるようになれたら素晴らしいと思うし、若くもない自分たちがダンマリしてきた責任をひしひしと感じこれからでも自分たちを解放し未来を作れるような行動を取れたらと切に思う。本田さんの熱い言葉を忘れずに耳を澄まし目を凝らし今目の前にある現実は当たり前のことではなく、変えるべきことは変えて行こうと、そーゆー当たり前の感覚を広げていこう。
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かなりわかりやすくかかれていた。データを基に、変な国日本を証明している。福山雅治の「家族になろうよ」が、古臭い家族観や男女のステレオタイプにまみれている、、、という指摘にハッとした。いい曲だと感じている人が多い日本ではないか、、。図書館で借りたが、購入したい一冊である。
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最近聞き始めたPodcastに著者の本田由紀さんが登場して、この本の内容のさわりを紹介していました。ちょっと気になる内容だったので手に取ってみた次第です。
本田由紀さんは東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は教育社会学とのことですが、本書では、政治・経済をはじめとして、社会運動・家族・ジェンダー等々に係る様々なデータを世界各国と比較し、「今の日本の実態」を顕在化させています。
そこに現れた現実の姿は大いにショッキングですが、実感として納得できるものばかりでした。それでは、その状況をどうやって改善していくのか。とても困難な道のりですが、諦めず、ゴールに向かってチャレンジしている本田さんの気概が大いに伝わってくる本です。
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家族、ジェンダー、学校、友だち、経済・仕事、政治・社会運動といった各社会領域を取り上げ、客観的な国際比較データにより、日本がどんな国かを浮き彫りにする。
世界的に見て、日本には様々な分野で問題があるという状況がよく理解できた。ただ、著者の解釈や評価には疑問に思う部分もあった。
特に政権与党批判の部分については、一理あると思いつつも、客観的データで日本の状況を明らかにするという本書のコンセプトに照らしても、著者の主観が出すぎているように感じ違和感を覚えた。せっかくの良書なのに、政権批判色が強く感じられることによって、届いてほしい読者層にそっぽを向かれてしまうおそれがあるように思われる。
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膨大なデータを駆使して、日本の現状を炙り出す凄い本だ.かなり高度な解析によって、現状を冷静に見ているが、説明が軽快でよく理解できた.日本の会社社会がこれまでのメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に転換できるかが、これからの日本の将来を左右するものと実感したが、実際の会社がどこまで対応できるか、退職者として注意して見ていきたい.
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(メモ)高度経済成長での圧倒的な成長を支えたのは、家族内分業、家族的企業であったがそれが時代遅れになっている。労働意欲の低下、学業への主体的意欲の無さや、貧困の連鎖、自己効力感の低下、、、日本に漂う閉塞感。宮台真司は「終わりなき日常を生きろ」と述べるにとどまっているような現実。
本書では海外データに基づき比較する事で著者なりの政策的な解決策のヒントを示している。
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データに基づく社会科学の方法についての啓蒙を目指すと同時に、色々マズいことになっている日本の現状についての啓蒙の書でもあろうとしている。ただ、二兎を追うことになり、どちらも中途半端になった感がある。すでに他の著作でやっているのかもしれないが、もっとテーマを絞って、綿密な分析を分かりやすく紹介する方が、高校生には参考になるし、興味も湧くと思う。