電子版にも解説が載っている!…と思いきや
2021/10/20 16:51
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
この新装改訂版が出るのを機に、メルカトル鮎シリーズを読み始めました。(貴族探偵シリーズと神様シリーズは既読)
まず紙で読もう!と思ったのは装丁がとても良かったからですが、本編を読み進めるにつれて、表紙の意味がわかってゾクゾクしました。
ここは伏線かな?と思う箇所は色々あれど、なかなか全体像を掴めないまま読み進めていくと、終盤に差し掛かったあたりからの怒涛の展開…!
そしてラストの「銘探偵」メルカトル鮎の言葉。
読み終えた後にあれはこういうことだったのか、と思い巡らすのが面白い、今回も貴重な読書体験でした。
そして、電子書籍版もあわせて購入したのですが、今回は旧版解説も新版解説も電子書籍版に収録されています!!
電子派の人にも大変嬉しい仕様変更!
と思いつつ新版解説を読んだら…先生、これ結局紙の本が欲しくなるやつですー!!(詳細は実物でご確認を)
一筋縄ではいかないミステリー
2021/11/28 23:28
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
「孤島」「首なし死体」「密室」「過去に起きた事件とは?」等々、ミステリーを構成する“いかにも”なパーツを持ち、また謎解きに関してロジカルな考察も控えていますが、作中におりなす雰囲気に呑まれてしまう点と、終盤の読者を突き放す展開により、かなり人を選ぶと思われます。若干読み進めにくい部分もありますが、問題作にして快作だと思いますので、単なる奇書扱いで敬遠せず多くの方に手にとって最後まで読んで頂きたいです。
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これぞミステリ奇書と呼ぶべき作品であろう。理解出来たようで全く理解出来ていないのだろう。再読したいが遠い先のことになりそうだ。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか釈然としないラストシーンがねえ……でしたけど、まぁ展開は良かったです、ミステリーの要素がてんこ盛りですからね。一昔前の、推理小説みたいな……。孤島に、密室殺人に、……。ラストだけは、……
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投稿者:みーしゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い…繰返しの文章が多い…。
そのクセ、なぜ桐璃が2人なのか…。
とどめの一言(かな?)編集長の名前も書かれてない…。
謎が解決しないミステリーでした。
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フーダニット・ハウダニット・ホワイダニットは解決してるけど、色々なことがよく分からない。解決したけど、してない感じが凄くて!面白かったし好きなんだけど、よく分からなすぎる。烏有も桐璃も和音も結局のところ何だったんだ…
そして、黙示録=この「夏と冬の奏鳴曲」そのものってこと??
続編「痾」も読もう。このあらゆる疑問が解消するとは思えないけど…
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ノベルスで読了。
ラストで謎が解けたような気になるが、よく考えるとわからないところが多々残る。それなのに妙に惹きつけられてしまう。
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すごいものを読んだ。ずっと読んでみたかったので、読めてよかった。
『翼ある闇』に比べると衒学趣味が抑えられ、新装改訂版でかなり手を加えられているであろうことを差し引いてもかなり読みやすくなっている。
それでもやはりキュビスム、キリスト教、音楽、と目眩く知識量に圧倒されるけれど、衒学趣味が邪魔しない。これらの要素が暴走して物語の根幹を成しているわけで、排除できないし読めば理解できる。
烏有の最後の選択があまりに衝撃的で、ああまた作者に突き放された、と思った。
麻耶雄嵩は当人物も読者も等しく突き放す。
放り出される快感。
謎が解ける快感。
わからないままでいる快感。
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読み終わったとき、もう何が何だかよく分からなかった。
途中までは事件が起こらず、少し読むのに疲れてしまったが終盤はページを捲る手が止まらない...からのモーセの雪密室トリック、そしてカタストロフという名の謎謎謎。
自分でも少し考えた後、(ほとんど分からなかったのは言うまでもない)ネタバレサイトを巡った。
個人的には、
桐璃は双子。武藤が作った『和音』の外面に似ていたため、眞鍋夫妻によって片方は死産として処理されて和音(編集長)の下で育った。
編集長の和音は、『和音』を共有していたメンバーの一人。そして『春と秋の奏鳴曲』を現実とするため、烏有と桐璃を出会わせ、そして編集社に勤めさせ、和音島に行かせ、最終的には殺人を犯させた。
最後に(最後だけではないが)双子のもう片方が現れたのは、『和音』の「復活」を表すため
という解釈が一番しっくりきた。だがこれでも、一番最初の事故に遭って助けられてガリ勉になって受験落ちてってとこはどうなのかは分からない。さすがにそこから操れるとは思えないが...
本作が好きか嫌いかと問われれば、しばらく迷った末に好きと答えるだろう。が、「好きな作品」というよりは、「印象に残った作品」という方が正しいかもしれない。
☆での評価はまたいずれ。
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頭の中で整理して積み重ねて留めておいたものが、終盤にかけて一気に崩壊させられていく感じがたまらない。
旧版読了時に味わった戸惑いと困惑と困惑と確かな興奮。時が過ぎ、新装改訂版を読んでも同じ感覚を味わい、やっぱり好きだなとしみじみ再確認。
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700ページを超えるミステリー。
長い。
ただ長い。
読んでる最中にドグラ・マグラを思い出しました。
変な構造の屋敷を舞台とした
変な構造の作品
そしてラストは大破局(カタストロフ)
麻耶雄嵩らしいと言えばらしい作品。
ページ数をもう少し減らせば★★★★★!
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幻想小説かと見紛うほどの大胆な展開。しかしあくまでも推理小説の体系で提示される謎。終幕の烏有の選択。最後に真相の一片を告げて去る銘探偵。圧巻でした。
迎えにきた船から眺める、事件の終焉を示す和音島の崩壊。和音という概念から端を発した凄惨な数日間は、信奉者の彼らの死体、絵画、黙示録、フィルム、展望台全てを海に沈めて幕を閉じる。和音は世界から消える。烏有は真相の追求をやめる。この、ある程度のしこりと寂しさだけを残して全てが消失する締め括り、最高でした。
最後に全て崩壊する孤島ものは堪らないですね!
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再読。新装改訂版の方は初めてだが。最初読んだ時の衝撃が凄まじかったので話の展開はほぼ覚えていた。何を書いてもネタバレに繋がりそうというか、逆に何を書いても真実には繋がらないのではないかとも思える。本書を詳しく知りたいなら読んでくれ、それしか書けることはない。
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一人の女性を忍び島につどった人たち。そこにやってきた探偵の助手が巻き込まれていく惨劇と破滅です。
傾倒していく、どこまでも落ちていく感覚が強烈なミステリ作品。陶酔に溺れた先の悲劇と選択。畳みかける一言。ラスト全ページで声が出ました。
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新装改訂版の帯には「10万人の読者が唖然」と書かれているが、果たしてこれを読んだ人が10万人もいるのだろうか?
文庫版で本文700p超、価格は税別1270円。麻耶雄嵩作品の中でもダントツの問題作とされている本作に、とうとう手を出した。デビュー作『翼ある闇』はそれなりに楽しめたが…。結論から言ってしまうと、何だか拍子抜けした。
覚悟していたほど読みにくくはないし、『翼ある闇』より文章はこなれている。キュビスム云々は読み流したけれど、難解というわけでもない。読み終えてまず最初に思ったのは、この長さが必要不可欠だったのかということだった。
舞台は離島の邸宅、そして訳ありな人物たちと、典型的な本格ミステリの設定だが、最初の事件が発生するまでが長い。しかも、元々離島という隔離された舞台なのに、さらに「雪の山荘」にしてしまうとは。なぜ夏でなければならないのか?
死者が1人出たことでゴングが鳴ったのか、色々と動き出す。かつてこの島で共同生活を送っていた面々による愛憎劇には苦笑する。一応探偵役?の烏有と同様に、彼らの論理は理解不能だろう。とはいえ、一応説明はされている。
終盤に新たに提示された謎の一部は、説明されないまま終わってしまう。ネット検索してみると、熱心な読者は本作の解釈を試みているが、自分にはその気力もなかった。それほど魅力的な謎とは思わなかったのが正直なところであるが。
最後の最後に「銘」探偵メルカトル鮎が登場するのだが、問題の一言を読んでも特に衝撃は受けず。はあ…くらいにしか思わなかった。自分の読み方が悪かったのか、修業が足りなかったのか。この一言、メルカトル鮎に言わせる必要があるのか?
問題作という先入観を持ちすぎていたのが、裏目に出たか。予想ほどぶっ飛んではいなかったし、予想よりまとも。受け付けないという点では、清涼院流水氏の初期作品の方が上だった。『コズミック』『ジョーカー』は感想が書けなかったんだもの。
解説によると、麻耶さんの第3作である『痾』を読めば、もう少し手掛かりを得られるのだろうか。現在入手可能なんだっけ。血眼で探すわけではないけども。