『ルポ 森のようちえん』
2021/11/28 19:40
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
全国的にムーブメントが広がりつつある「森のようちえん」を気鋭の教育ジャーナリストが丹念に取材、その特質と神髄に迫る
密着取材したのは「野外保育まめのめ」「ぎふ☆森のようちえん」「智頭町森のようちえん まるたんぼう」など通年型、融合型から行事型まで、ルーツも形態もさまざまな9園
「非認知能力」や「自己肯定感」、「身体感覚」がぐんぐん育つという“新しくて懐かしい教育法”の魅力と課題を明らかにする
《もしかしたら、森のようちえんで日本の教育の常識が変わるかもしれないと私は思っています。》──「はじめに」
八ヶ岳の麓に保育者のための研修施設「ぐうたら村」を開いた汐見稔幸へのインタビューも掲載
《子育てや教育に関わるすべてのひとにとって必読の一冊!》──袖の紹介文
巻末に「付録」として収録された「『非認知能力』とは何か?」は単行本としてまとめてほしい論稿
取り組みとしては面白いものが紹介されているが・・・
2022/01/19 05:45
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本人たちの証言と、肯定的に見る筆者の取材なので客観的かというと疑問は残る。
理念や思いを読み取るにはよい1冊かも知れない。
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現在,各家庭の子供の数が少なくなったため,一人に掛ける親の労力が格段に上がり,それに伴い画一的な箱から多様な選択肢が醸成された.その一つの結実が,この森のようちえん.結局,我が子をどのように育てたいかという親の教育哲学に依るところが大きいけれど,特定の希望があったとき多様な選択肢の中から適切に選べるのは成熟した証.その観点で考えると,時間軸で見たら時間ガチャな状況ではある.
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私は自分の地元にある「森のようちえん」に視察に行かせていただいたことがあります。
フィールドは外。何をするか、どこに行くか、先生が少しだけ仲介しながら子どもたちで話し合って決定し、出発する頃にはもうお昼。たくさんの木に囲まれた自然の遊び場では子どもたちが自由に遊び回っていました。
先生方は、子どもの遊びに介入することはほとんどなく、子どもにお願いされたら参加し、子ども同士のトラブルがあった際は子どもらが自らで解決する様子を見守っていらっしゃいました。そして、危険な場面があればそっと止めに入るだけ。保育者が何でも介入し解決を促すと、子ども自身で問題を乗り越える力が育たないし、新たな子ども同士の広がりを阻止してしまうということをおっしゃっていた記憶があります。
この本からも、大人が意図した方向ではなく、子どもの伸びよう・育とうとする方向から手を伸ばすことが教育であると学びました。
人間が作った人工的な場所や遊具の中よりも、雄大な自然の中で遊び回っていた方が、その子の本能やその子らしさがどんどん育っていくのではないかと思います。
自然は子どもたちの全てを受けいれ、包み込んでくれます。自然はその日の天気や時間帯によって様々な表情を見せてくれます。だから、素直な子どもたちの心に訴えかけ、発見や興味を増やし、成長を促してくれるのだろうと思いました。
だから、すべての子どもたちが「森のようちえん」に行った方がいい!という訳ではなく、子どもののびのびとした成長をゆっくりと待つことが大切だし、時にはその子が興味を持ったことや「楽しい」「どうして?」と思う気持ちに寄り添って一緒に感動できる大人であることが必要なのかなと思います。一般的なようちえんでも、のびのびと自由に育つことはできます。その子に合う、合わないもあると思います。教育者・保育者の関わり方がとても大切なんだと感じました。
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こどものいる親御さんだけではなく、日本人なら誰もが考えていかなければならない、未来のためでもある、人間本来の姿をあらためるルポでした。特に汐見さんの話では人類学的に問いを見つけ、哲学な考えは育てる親が身につけていないと間違った育て方になりかねない。人間は自然の一部であり、一見何もない森や里山でもこどもはどう遊ぶのか、非認知能力が自然に身につく。森とはいっても、都心部でもどこでも非認知能力を高めることの大事さ、学歴や点数、数字など目に見えるものではない、もっと大事なことが書かれていてます。シュタイナーやモンテッソーリなどの西洋教育ばかりではない、日本らしさの里についても、とてもいい話しでした。行政や官僚、政治家にも知ってほしいですね。
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森のようちえんとは「ざっくり言うと自然のなかで子どもたちを自由に遊ばせるスタイルの幼児教育・保育のムーブメント」。
本書で紹介されたケースはほんの一例。それぞれの園の立地条件や事情は違うけれど、その園ならではの試行錯誤や工夫、子どもたちの発想にそんなこともできるのか!と驚かされる。
大事なことは、どういう風に子どもが育ちたいか(その子自身にどんな地図が折りたたまれているか)を見極めることなのかも。
希望の種のひとりひとりが健やかに育ちますように!
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宮台真司が日本再興のカギになるとして自らが運営するワークショップより価値を感じたというこの本に興味を持って手に取った。
幼児期に緑豊かな森を舞台とした幼稚園で過ごすことで、これから待ち受ける社会の競争に晒されても、
耐え抜く能力が身につくという単純な話ではない。
必ずしも都心部では森のようちえん的な教育が不可能だというわけではなく、大事なことは子供との接し方あるいは大人の見られ方を含む環境づくりだという。
田舎と都心では、その環境づくりに濃度はあれど森(または里)が近くになければ意味がないというわけではないらしい。
近代社会以降の偏差値教育により子供の発達の初期
段階から幼稚園受験などの競争に晒されることで、
合否に関係のないモノには目を向けない目が養われることによる弊害、与えられたモノだけをこなすことによる主体性の欠如、大人の顔色を伺うことで自分が
本当にやりたいことをやる集中力の欠如。どれも損得勘定に縛られている。社会を生きる上で必要なことはそれだけではなく、なかなか言語化が難しい
エビデンスが取りにくい領域(非認知能力など)が
育まれるとして森のようちえん的な環境づくりを学んだ。何も特別なことではないが、偏差値教育では
育まれない無意識領域や客観的思考が何を通して
育まれているのか、森のようちえんを巡る筆者と
それに関わる人たちの対話で見えてくる。
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自分が経験したくなるような森のようちえんの実例がたくさんあった。
同時に、親のコミットも大変だと感じた。
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まず森のようちえんを理解する上で、一番最初に読むといいんじゃないでしょうか。
先に「子どもを森へ帰せ」を手に取ったが、こちらの方がはるかにいろんな発想を得ることができた。ここからまた「子どもを森へ帰せ」の方に戻って読んでみたいと思う。
実際の園の方の声が集まった、非常に優れた書だと思う。