紙の本
10代特有の感性
2023/04/08 13:58
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者さんは若い方ではあるが、それでも10代特有の感性を表現できるのは素晴らしいことだと思う。
誰もが通ってきている年代であるのに、年を経るにつれて忘れるのかわからなくなっていくのか、世代間格差を感じるようになるもの。
さらに、この年代に今も昔も共通する悩みを、今を生きる10代の人たちが共感できるように表現するのは案外と難しいと思う。
が、日々の出来事を通じのこころのうつろいをとらえて、瑞々しくのびのびと描いていて、おとなの私も楽しめた。
性のことは10代にはとてもナーバスな話題で、今も昔もでどころの怪しい情報が学校などの狭い交友関係でまことしやかに囁かれている。
特に女子のあることないこと言う発信力はあなどれないので、相談する相手もよく選ばなければならない。
女子校は特に。
そういう中で、親友に恵まれている幸せ。
周りからはとっぴに見えても、その人自身を大切に思い、支えてくれる身近なおとな(この本では祖母)の存在。
そういうことに気づけて、無理しなくても自分なりに歩み、その歩幅と合う人と出会えればいいと吹っ切れたところに清々しさを感じた。
この本は性のことを正しく理解するきっかけを与えてくれるとともに、
人との出会いの大切さ、ステキさにも気づけるのが良いと思った。
中高生向け。
男子も読んでほしいが、表紙がちょっと女子向けかも。
紙の本
『ポーチとノート』
2021/11/29 21:55
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私立の女子校に通う高校2年生の未来(みく)
学校図書館に手伝いに来た司書補の大学生 保阪さんに淡い恋心を抱く
エスペラントをきっかけに保阪さんとことばを交わすようになった未来だったが、親友にも言えない体のコンプレックスがあった
ねえ今は
同じ制服を着ていても
いつかはみんな母になる?
私一人
取り残されちゃうのかな
《高校生読者から共感の嵐!》──帯の紹介文
タイトルの「ポーチとノート」は未来の鍵付きの引き出しに入っているもの
ノートは秘密の“未来ノート”、自分のさまざまな気持ちを書き留めている
ポーチは祖母のアサエさん(おばあちゃんと呼ばれるのが大嫌い)が未来の十歳の誕生日にくれたもの、中には生理用のナプキンが入っている
学校図書館とエスペラント、ポーチとノート、イルカと猫、シングルマザー……小道具も効果的、中高生特有の悩みに寄り添う“救急本”
〈今、そしてこれからの女の子たちが、自分らしく歩めますように。〉──「あとがき」より
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で第58回(2017年)講談社児童文学新人賞を受賞、第2作『ハジメテヒラク』で第54回(2021年)日本児童文学者協会新人賞を受賞した著者の第3作、2021年10月刊
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待望の三作目は、少女の体の悩みを著者ご自身の体験も踏まえて正面から扱った作品である。ポーチは祖母のアサエさんから10歳の誕生日にもらったプレゼント。ナプキンが入っているが七年間封印されたままになっている。ノートは、司書補の保坂さんの登場を機に、恋と体の悩みに揺れる想いをそのまま書き連ねたものになる。つまり、ポーチとノートは、それぞれ止まっているもの、そして動こうとしているものを象徴しているのだ。著者の作品には、これまで必ずコミュニケーションのきっかけとなるツールが登場してきた。第一作では短歌、第二作では実況、そして今回はエスペラント語である。そしてそのツールが、主人公の視野を広げていく役割を果たしている。体の悩みは深刻だが、著者のテンポ良くユーモア溢れる文体が、読む者の心を前向きにさせてくれる。止まっていたものが動き出すとき、しっかりと受け止められる心の準備が培われているかどうかが重要なのだろう。
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いやー、小ネタがちょいちょい入ってて楽しかった!微妙にノートのポエムが短歌っぽいのはこまつさんらしい。やっぱり自分のバックボーンって出るよね。笑笑
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表紙が可愛らしくて手に取ったけど、とてもよかった。未来の気持ちがすごくわかる。周りに言うことの恥ずかしさ、なんとなくいやな感じ。
性に関することってどうしても言いにくさを感じてしまう。でもみんなが言わなかったら、どうやって知ればいいんだろう?今はネットに情報は溢れているけれど、それだって正しいかわからないし、人それぞれちがうことってたくさんある。
嫌なことからは逃げていいけど、好きな人から逃げるなんてもったいない。アサエさんの考え、素敵だなぁと思った。
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読みやすくて、すぐに最後まで読めてしまいました!女の子の悩みが沢山詰まってる作品でした。
私はこの本に出てきたエスペラント語に魅了されて
本気で調べ始めました。
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学生の頃、自分もそんな風に感じたことがあるなぁという気持ちが沢山出てきて懐かしくなりました。母、祖母、親友、それぞれとの関係が素敵でした。
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17歳の高校生のはなし。良かった!こどもがこの歳になったら読んでほしい!
お母さんとは仲良いけど、話題によっては気恥ずかしくて言えない感じとか、、すごくよくわかります。
同級生の友だち、図書室のせんせい、ちょっと変わってるじぶんの祖母…
自分の身近な人がいろんな世代なのはこんなに素敵なことなのかと思いました。
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少女の純粋な気持ちをつづった小説だ。懐かしい感じのするのはその筋だけではない。破天荒な祖母や憧れの年上の青年という人物設定も昭和の小説によくある気がするし、小説の舞台となるのが図書館、カギとなるアイテムが鍵付きノート、ポーチというのも今風ではない。さらに友達の話す時代がかった話し方や、エスペラントが世界をつなぐという趣向もその気配を濃くする。
ただ、そういうレトロな世界にあっても少女の抱える小さくそして重大な悩みはいつの時代でも変わらない。この小説はそれを変に飾らずに書いているのがよい。
作者の経歴をみると意外にお若い人なのだ。自らも司書経験がある元文学少女と推察した。
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リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュのこまつあやこだ、表紙かわいい!と、手にとって読む。
以下、ネタバレ含みます。
高校二年生女子の未来(みく)が主人公。お祖母ちゃんは17歳で母を産んだのに、自分はまだ生理来ないし、恋愛は遠い世界のよう。そんなぼんやりとしていた不安が色々な経験を経て輪郭を成していく。親友が夏祭りで彼氏に閨に誘われ、どうする?と二人で悩む様が真面目な現代っ子の本音を凄く良く描いていると思った。今の時代は性教育を抑えていて(周期的に凄くやるのと交互らしい)この本のような内容はあまり公には語られない。でも、とても大切なこと。表紙的に冷やかし男子は手に取らないだろうし小学校に配架されていても大丈夫だと思う。リマトゥジュ~は塾で勧められた、と手に取る児童も多いけどこれはどうなるかなぁ。
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女子高校生の日常。
素敵な63歳の祖母と江戸時代好きな親友。
生理用ポーチとノート(途中からエスペラント語)
恋と身体の悩みは、周囲のhelping(ヘルポ)と図書館と、徐々に明るく解決されてゆく。
#中高生
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高校生の未来は誰にも言えない気持ちやもやもやを「未来ノート」に綴る。書いて吐き出すことで気持ちがすっきりする。司書の先生の補助で雇われた年上の男性にひとめぼれ。デートはしたいけど、キスやそれ以上のことは考えられない。自分には遠いこと。そう思うのは母にも隠している美玖の体の秘密についてのコンプレックスがある。彼氏との初めてに直面した親友。いい加減な気持ちの彼氏に傷つけられた親友を受け止める未来に、未来の体の秘密を知っても笑わずによりそった親友。信頼できる友人がいるのは貴重。
未来の母は10代で妊娠し、後ろ指刺されてきた自分の母を反面教師に、真面目で学生時代の恋愛に否定的な感情を隠さなかった。向き合って話した母は娘を心配する、揺れる気持ちを抱えていた。
人を好きになることは素敵なこと。性について、10代から正しい知識を得ることは大切。叶わなくてもまっすぐな気持ちを伝えられた未来は立派だ。
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大人にはこっ恥ずかしい内容で、予想がついてうまくまとまるなーと思ってしまうが、YA作品として同年齢の子達にはとても良い!
恋愛の事、性の事、将来の事、親や友達との関係、広く浅くさらりと書いてあり、内容が深く細かくないためにそれが逆に、自分に当てはめやすく、ストンと心に落ちる。解決にはならないけど、問題や不安と向き合うきっかけを作ってくれるような作品。
読後は明るい。
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わあああ!いい!すごく良い!!
高校生の性と青春、世界中の人をつなげるエスペラント。自分の身体に向き合うことは自分を守ること。相手に合わせず、自分の歩幅で歩いていく。中高生にも、もちろん大人にも読んでもらいたい児童書。
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女性が抱く何気ない不安について描かれていました。最終的に明るい感じで話が終わるのでスッキリと読むことができました。