- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
「ゆとり教育」-日本を溶かす強毒物-
2006/05/13 02:44
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の小堀氏は、共産主義者の巣窟である皇室典範改正(女性天皇容認)のいわゆる有識者会議に、その構成員の100倍の知識と見識を持って、一貫して警鐘を鳴らしている憂国の人である。私が信頼を置く数少ない論壇内ののひとりである。
憂国の人である以上、国家の根幹である教育問題に無関心でいられるはずはない。本書は、世紀の大失策の最たるものであるゆとり教育の持つ危うさを相当詳しく論じている。
ゆとり教育の実体というのは、著者に言わせれば単なる「ゆるみ教育」でしかない。実際、ゆとり教育というのは、ゆるみどころか、もはや愚民化政策以外のなにものでもない。とくに、日本においてはそうである。日本という国は、その国力のほとんど100%が人材力である。他には資源も食料も兵器もない。ゆえに、人材が底をついたらこの国の大部分は難民になる。なぜなら、日本の経済は、職人技や高度な技術力によって成り立っており、これが崩れれば、日本のGDPは地に落ちる。結果、円は安く触れ、食料も買えなくなる。そうなれば、海外脱出以外途はない。既に、地球の地面は工業化によって、需要を下回っており、食糧安保は21世紀最大の問題のひとつなのである。爆食中国やインドなどから食料を勝ち取るためには、日本は絶対に強国でなければならない。経済力とそれを支える学力は、日本人を守る唯一の盾なのであり、それを失えば、地球の孤児に等しい。
にもかかわらず、円周率を3にしてみたり、メンデルの法則を教えない。さらに最悪なのは、文科省や共産主義者の集合体である最悪の能無し集団である日教組は、小学生に英語を習わせる算段である。理数系では飽き足らず、国語まで奪うつもりらしい。
日教組は国家破壊の目的が一部にあるが、文科省は真面目に考えて色々掛けたり割ったりしているうちに、こんな0点解答が出てしまうようだ。首謀者は文科省のミスターゆとりと言われた大馬鹿者である。テレビで居丈高に理想を語るミスターの思考回路は、常識を相当逸脱し、天空を漂っている。即刻、閑職にまわし、2度と行政過程の中枢に入れてはならない。
また、国際人を作るために「英語」というのは『国家の品格』でもあるとおり誤りである。問題は中身であることはいうまでもない。尊敬されるのは蓄音機ではなく、内容を作った人なのである。
著者が語る亡国の途とは、まさしくゆとり教育の辿る途そのものといえる。ただ、勉強しなくなった日本の若者というが、対策は簡単である。完全な学歴社会の厳しさをしっかりと叩き込むことである。現実に、学歴がなければ就きたい職にはつけない。宇宙飛行士など高学歴理系集団の集まりである。私立名門校ではその点が徹底している(開成など本当に高いところは逆にあまりいわない。)。
藤原正彦氏は、1に国語2に国語 5で算数というが、これも大数学者の言として傾聴に値する。しかし、3・4に算数くらいでもいいような気はする。数学がないと、技術的創造は不可能なのだから、小学校では徹底的に算数を教え込むのが至当である。かつて、ドイツもこうしたゆとりの道を歩み、現在の学力衰退を招いている。日本は、うむも言わさずゆとりを180度転換し、亡国の途をストップさせるべきである。本書を読んで再度強く思った。
ゆとり教育を続けて喜ぶのは、東アジア全てを足しても歯が立たないGDPを持つ巨人日本の転落を切歯扼腕して待つ中韓はじめ外国なのである。しかし、ゆとり教育の酷さに気付いたのが多数派となり、ひとまず安心である。が、油断は出来ない。
国民は、自らの将来の幸せの為にも、日々政府を良い意味で監視し、この国が倒れないように見守り続ける責務がある。そのためには情報が不可欠である。その意味で、信頼できる著者による本書は正に最適といえると思う。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |