紙の本
愛の教科書
2020/02/08 23:31
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
自由と愛について考えさせられる。フェミニズム論として取っ付きやすい語り口。
あらゆる道徳が、慣習が女性をタダ働きさせるためにある。でもあまりに目の前に大きく横たわっていて、真の女性差別はよほど感度が鋭くないと認識できない。啓蒙書と言える。
最近、ワイドショーで長身モデル夫婦の夫側のイメージを壊す不倫報道が喧しいが、日本の結婚制度は、成熟した社会においてはとうに破綻していると感じた。
電子書籍
古い本ですが
2023/08/02 23:14
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今は、フェミニズム、どうなんでしょうか?それと、若い頃に抑圧された人は、トシ取ってからどうなってるんでしょうか。そのあたりのこと、聞きたくなりました。TVのコメンテーターさんの昔の著作物です
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昨今のフェミニズムの流れで復刻版が出た田嶋陽子の著書。
特に母と娘の関係性の方が父と娘よりもフェミニズムで説明できることが多い、というのも昨今の流れ。
すごいのは、その主張を30年前に上梓してたということ。
今読んでも、全く古さを感じない。
一方で、彼女がよくテレビに出ていた時代から考えると女性の状況はあまり変わらないけど、男性の、特に若い男性たちの意識は少しずつ変わっている気がする。
ジェンダーギャップ指数は相変わらず低いけど、それでも前には進んでいる、多分。
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諭し、語りかけてくれるような文体なのに内容はズバズバとしかしわかりすぎて、最近の本かと思ったら1992年刊行の本で、エッ日本…時計壊れてんな…というそのネジを回していくのは間違いなくわたしたちの世代なのでしょうね。
結びのエールに田嶋先生の優しさが全て詰まっていた。
わたしも少女時代は田嶋さんのことを声の大きい人だな…なんでそんな言わなくてもいいことをわざわざ言うんだろう…と苦手意識を持っていたものだけど、この本を読んでその誤解というか過去のイメージが雲が晴れるがごとく変わった。
この人は「そんなの聞きたくない人」のためにずっと語っていたんだ。
この本のいいところはあくまで田嶋さんの経験から培われたフェミニズム、ただ「私が楽になるための」フェミニズムであったこと。それは学識がなくてもなめらかに頭に入ってくる。わかりやすくて、すっと受け入れられる。
エトセトラブックスvol.2と合わせて読むとなお充実した田嶋陽子ワールドに浸れる。
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「男らしさ」にあって、「女らしさ」にないもの、それは「自分」です。学生が言っていました。男の学生は、「男らしさ」と「自分らしさ」が重なると。女の学生は、「女らしさ」を生きることと「自分らしさ」を生きることが重ならないと。
なぜ、思春期の女の子に、わざわざそんな無防備な服装をさせるのか。しかも、未来にそなえて活発に活動しなければならないそんな時期に、それだけ危険なことも多い時期に、なぜ、「動きやすいように、また、からだを守るためにも、ズボンをはきなさい」ということにならないのでしょうか。
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田嶋陽子さんというと、どうしても「ビートたけしのTVタックル」でのお姿が浮かぶ。フェミニストでいらっしゃるけど「モテない女のヒガミだ(プロローグより)」という、たたかれ役をコミカルに受けているタレントさんだと。
本屋でこの新潮文庫を見つけたとき、失礼ながら「本もお書きになっているんだ」
ま、大学教授でいらしたし、著書のあるのは当然なのですけど。30年前初発行の本なのに古びていない「ヒガミ」なもんですか!ほんとにまじめな本でございました。
わたくし『愛という名の支配』のタイトルに惹かれました。いま「介護のタダ働き」になりかかっていて「どうしたらいいのか」と悩んでおりますので、つまり「夫婦という名の当たり前のタダ働き」(笑)
嶋田さんは女と男の関係(夫婦の関係)を、奴隷船(ガレー船)の船底にいる舟こぎ手と、甲板上の王侯貴族にたとえたて、わかりやすく説明しています。夫婦においては家事のタダ働きを(内助の功とかいうやつ)許しておいては、問題解決しないと。
でもぶっちゃけて言うと、なぜ日本の男性(特に昭和生まれ)は細々した生活一般(掃除、洗濯、料理、整理整頓・・・)が出来ないのだろう?という疑問に答えるのがフェミニズムの考えかもしれないとわたしは思いました。そうしつけられていなくても済む世界だったから、その方が得だったから、だからいつまでもバレないでほしかったと。
令和の世になり、社会的にいろいろの法律(機会均等・育児休業・・・)も出来てきてはいますし、うちの息子のようにひとりてちゃんとやっている男性もたくさんいます。特に若い世代はそうですね。
嶋田さんはわたくしと同じ歳、道理で昭和男のだらしなさををよくご存じで(笑)
しかし、日本の古い男の問題意識のなさだけではありません。まだまだ世界的にみると仕組みは変わっていませんね。
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昔は”ビートたけしのTVタックル”、今は”そこまで言って委員会NP”で良くお観かけする田嶋陽子さん。フェミニストという立場で女性の地位向上を訴えておられる姿は他の共演者を完全に喰ってしまっておりましたが、そんな田嶋陽子さんに対し、どうしてあの様な思考を持った人に成ったかが少しでも理解出来ればと思ってこの本を読んでみました。私が勝手に下した結論としては、田嶋陽子さんのヒステリックで暴力的な母が原因なのかなと思いました。だけどその母を作り上げてしまったのが”日本の封建的な男社会”だというのが田嶋陽子さんの結論なのでしょうか。。。(お父さんの事はそんなに描かれていないです。) 私自身、男性ですので田嶋陽子さんが当書で描く男性観に関しては正直、賛同しかねる箇所も多々あったり酷い箇所では嫌悪感さえ覚えましたが、賛同出来る箇所が無いわけでないので、女性の社会進出が徐々に進んでいたり、セクハラ、パワハラ、マタハラ等の問題が顕在化し、その対策も進んでいる事を考えると決して日本にとってマイナスではないと思いますし、田嶋陽子さんの行動が実を結んでいるのではないでしょうか。(まだまだ全然ダメと言われると思いますが。。。)
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久々に田嶋陽子の名を見聞きした気がした。1990年代はけっこうテレビやメディアで見聞きすることが多かったけど。この本も90年代に出版されたものの二度目の文庫化。
上野千鶴子は何冊か読んでは腑に落ちるようなすごさを感じていたけど、ある意味90年代のフェミニズムの双璧の一方ともいえる田嶋陽子の本を読むのは初めて。この本は論というよりはエッセイで、もしかしたら聞き書き形式でライターが文章にしたのかなという感じもするくらい、しゃべっているのを聞いているような感じで読める。そのぶん読みやすい一方でまとまりに欠けるかな。
書題は、母との関係や男性との関係を取り混ぜてのことだと思う。読んでみると、田嶋陽子さんのフェミニズムって深く自分自身に根ざしている感じがした。つまり、世の女性たちのためでももちろんあるんだけど、自分がもがいていたなかで楽になれたのがフェミニズムのものの見方でそれを頼りにし研究もしていたということかと。それで愛という名の支配から逃れることができたから、今はフェミニズム関連の発言は控えめになってシャンソン歌ったりしているのかなと。
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1992年に書かれた本、今でも全然話が通じちゃうから、いかに社会がジェンダーの観点で変わってないかよくわかる。読んでて新しい発見もあったりして、私もこの社会のよくわからん価値観に染まってるんだなぁと改めて思ったり。
読んでて、出てくる内容と、私の家の典型的な家父長制、家事労働をやらされる奴隷として存在する母、がぴったり当てはまっちゃうもんだから、深くうなずきながらページをめくりました。今はできないけど、いずれ自分の足かせを外すためにも、ちゃんとそんな家族にも向き合わなくちゃいけないんだろうなと考えました。
まぁとりあえず、私は私の人生を生きるし、母にもちゃんと自分の人生を生きてほしいと思うのでした。
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首の鎖が長いか短いかの自由しか女には許されていない。
男らしさにあって女らしさにないもの、それは自分らしさ。
この本は、フェミニズムという言葉に引いてしまう人や、
田嶋陽子を男相手に怒ってるおばさんという誤ったイメージを持っている人、
自己啓発中の人、
そしてとにかく男女問わず若い人に読んでほしい!!
田嶋陽子さんがこの本を書いたのは30年前だけど、
今も日本はたいして変わっていない。残念ながら。
自分らしさと女らしさの狭間で嫌になったり
女だからと我慢したり、言えなかったりやれなかったりしたこと、やりたくないのにやったことがたくさんある。
なのでこの本は読んでいて辛くもあり、そうなんだよって納得しまくったり、やり場のない怒りを感じたり、すごく忙しかったけど、読んで良かった。
何なら20年前に出会いたかった。
私ができることはわずかなので、
自分らしく生きる(そうしてるつもりだけど)。
女らしさとか母親だから~とかに惑わされない!
そして自分の家庭には軍隊構造を持ち込ませない!!
娘にも息子にも、自分らしく楽しく生きる姿を見せたい!!
読んでいて書きたいことが溢れて収拾がつかないのでこの辺で終わり。
男性はこの本を読んで何を思うんだろう?そもそも手にとるのかな?
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評価:3と4の間くらい
今でこそフェミニズムの流れになってきているもののまだまだだな発展途上だなと感じる今日この頃。
田嶋陽子さんの時代なんて、今よりも
女はこうあるべき論が振りかざされてた時代だったはずなのに、その世に良い意味で流されず逆行して自分らしさを確立してる姿はかっこいい。
特に、女性は差別されてることすら気づいていない
っていう文面があって、そうかも…とも思った。
もはや当たり前すぎて遺伝子レベルで組み込まれてるんじゃないかくらいで、でも恐ろしいなと思った。そういう潜在意識がある限り、男性が牛耳る世の中からは変えれない。
あと、母と子の目線でも共感できる部分が多かった。
例えば、
母に対して意見をするとき、まず涙ぐんでしまう。先に感情が出てきてしまってものが言えなくなる。それはうまくいかないときの恋人との関係に似ている。
あとがきでもあったが、この本がすごいのは、
わかる人だけにわかればいいというスタンスではなくて、むしろ 差別されてるなんて思いたくはなくて、差別されてることを気づかないフリしている、すべての女性に向けられているところ。
まず、痛みを伴うけど知ること、でも向き合うことで自信をつけてラクに生きていいよ という応援メッセージもでもある気がする
ビシバシ言うけど、女性の1番の味方 という感じが本から伝わってくる。
メモ
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ああ、田嶋先生、こんなにおもしろい本を書く人だったんですね。
感性の高さを尊敬する。自分自身が、感じて、考えて、乗り越えている。
テレビで変な人扱いされてもがんばっていたのですね。
もう、わたしも、フェミニストとして頑張って生きていきます!
以下、抜粋
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【ダメ女】
結婚制度に喜んで囲い込まれたがるメンタリティをもった女たちをつくる。
↑処女崇拝 ↑貞操観念 ↑「女らしさ」という社会規範
↑心も体も男より弱くなるように文化的操作を受ける
→甘える、すねる、泣く、誘惑する
・女は男に愛されることでしか自分のアイデンティティを見つけられない
・女性差別の小説を読んで、女みずから差別を再生産する
【社会構造】
・”女であるがゆえに受ける差別の構造”は空を覆う雲のようなもの。自然にそこにある、だからそれが何なのか、疑問を持つこと自体が難しい。そして、覚醒したら最後、世界中のあらゆる所に織り込まれた女性差別を意識せずにはいられなくなる。
・女は男の奴隷にされるべく、肉体的・精神的・社会的にありとあらゆる束縛をうけてがんじがらめにされていく
・女性はガレー船の甲板の下に閉じ込められた奴隷
・セックス付きの親分・子分関係
・付属物、もの扱い
【恋愛における男女の力関係】・・対等ではない
①気持ちで圧倒される
ー自分より劣っていると思う人に恋しない
ー自分にないもの、自分より優れたものを持っている
-人柄の魅力
-カリスマ性、神秘性
②経済力で圧倒される
-すべてを持てる可能性のある男にあこがれる
結果、女性は男性に頭が上がらなくなる
★男社会は、いやでも女が男にあこがれ、恋せざるを得ないように仕組まれている
【理想】
・対等ー特に経済的に(仕事をする、稼ぐ、自分の世界を持つ)
・経済的独立が基盤、結婚や恋愛や子育ては枝葉
・相手と自分のいのちをめいっぱい交換する
・相手との関係の中から、色々発見したり、育てたり、なにかをつくりあげていく
・自分の発見、じぶんづくり
・いのちに対する共感
・セックスはあらゆるふれあいの中で本当の唯一のふれあい
・相手との慈しみあい
・自分自身の感性でほんとうになにかを感じてしまったら、その人は行動せざるをえない
【ポシティブアクションに関して】
・女性に下駄をはかせる → 甘え?
反撃:男がこれまで下駄をはいてきた これまでが不公平であった
・女の悪口
反撃:そういう嫌な人って、男の中にはいないんですか?
【男とは】
・女にただ働きさせることで、自分は200%働ける
・男は、自分が支配できると錯覚できる若い女性ばかりを相手にしたがる
・男らしさ=戦う、攻撃する、征服する=人類が貧しくて肉体が資産であったころの古い意識
・感情的な人生問題に関わった時、13歳くらいの知能。まるで子供。
【参考】
・纏足物語(岡本隆三)��・纏足=人体改造施術、夫人の家畜化
・不思議図書館(寺山修二)・・・一本足の娼婦は、つねに客に事欠かない
・チャタレイ夫人の恋人
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去年だったかVogueで田嶋さんのインタビューを読み、遅まきながら著書を読んでみました。元は1992年出版なので、メインとして語られているのは自分の母あたりの「主婦ドレイ」の話なのだが、女性の不払い労働を基本に成り立っているという社会への批判は引き続き有効だなあと思わざるを得ない。
そんな中で、家事や子育てをしている自分が嫌になり、ちょっと暗い気持ちになってくる。「女性が輝く」だの「少子化を食い止める」のも、結局は男性に都合のいい社会を作るためのスローガンじゃないかと思えてくるし、そんな社会を長続きさせるためなら、いっそこのまま少子化が進んで人間なんて絶滅してもいいんじゃないかと。そんなラディカルに考えなくてもと言われそうだが。
ちなみにこの文庫本には2019年現在の山内マリコさんという方の後書きがあるのだが、私が田嶋さんに抱いていたイメージ(タケシの番組で男性陣と対等に議論するも、なんだか悪役キャラで終わる)をずばり言い当ててくれている。また今回著書を読んで、やっと田嶋さんの生い立ちや主張を知れてすっかりファンになった点も同じ。
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素晴らしいですね。愛情という美しい言葉で束縛されるということ。誰も他人を支配していい理由なんてないのに。
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ああTVに出ていたあの女性の本なのかあ
という感想です。
深くフェミニズムに突っ込んで書いてあります。
この本が書かれた当時よりだいぶ変わってきたんじゃないかなって思うなあ