紙の本
世界的快挙!?阪大つむじまがり名誉教授が神経科学のエンタメ化に成功
2020/07/21 14:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
仲野徹さんの『こわいもの知らずの病理学講義』の向こうを張って(?)『つむじまがりの神経科学講義』が出版されました。著者は、大阪大学生命機能研究科の名誉教授小倉明彦先生。記憶の仕組みについての細胞レベルの解析から解き明かす研究をしている教授の講義。難しい話を抜きに、神経科学、つまり脳の仕組みをわかりやすく解説してくれている一冊。iPS細胞などで注目を集める細胞の移植医療。では、神経細胞が脱落するアルツハイマー病なども、脳細胞の移植で治療できないものだろうか?そんな疑問に答えてくれる。脳や記憶のしくみについての脱線しまくり解説と、図解イラストの見事なマッチング。カバーに登場する、寄藤文平さんによるキャラ「ニューロ君」もキモかわいい。あははと笑いながらためになります。
投稿元:
レビューを見る
著者によると神経科学のエンターテイメント書籍、という位置付けとのことだ。なるほど素人にも読みやすいが、この本をきっかけに知識の肉付けするつもりで読むのがいいと思う。もうちょっと詳しいことを知りたいと、次の書籍を探すきっかけになるのではないかと思う。
投稿元:
レビューを見る
面白そうなタイトルだったので手に取ったが、これは拾いものだった~~1章神経系とはなにか01神経系のなりたち・神経系の起源・神経細胞あるいはニューロン・グリア細胞・メーキングオブ脳・メーキングオブ末梢神経・神経細胞の増殖・神経の再生※スーツと名札02神経の興奮・電池とスイッチと電位依存性チャネル・伝達物質受容体チャネル・感覚受容体チャネル・チャネル毒※お茶の水ハカセッ03神経の伝達・シナプス・神経伝達の二つの様式・シナプスの結合※講義04神経回路・反射・シェリトンのくびき・中枢パターン発生器・指令ニューロンもしくは中枢※棒暗記05神経系のクセ・地理的対応・機能局在・コラム構造・層構造・脱抑制・側方抑制・発火頻度符号化※試験2章記憶のしくみ01記憶の貯蔵・スコトフォビンあるいは物質説・ヘッブの仮説あるいは回路説※ピペットマン02神経伝達の可塑性・LTPの発見・グルタミン酸とカルシウム・LTPの生理的意義・場所細胞※記憶の花03神経回路の可塑性・LPTはどれほど維持されるか・RISEの発見・Riseとゆらぎ・臨界期・記憶の転送※透明人間04記憶を操作する・エングラムの可視化・記憶の人為的操作・記憶素研究のためのモデル系・記憶のしくみについての私の考え※「セントラルドグマ」の暗喩3章記憶の異常01認知症・アルツハイマー病・脳血管性認知症・レビ-小体型認知症・その他の認知症・認知症予防法※三位一体02ストレスと記憶障害・PTSD・ストレス障害・幼弱期過剰ストレス03スーパー記憶・サヴァン症候群※ブレインまし人たーフェイス04細胞移植は記憶障害の解決策になるか・細胞の再生と回路の再生※へそまがりとつむじまがりの違い~1951年東京生まれ、東大理学部卒、三菱化成勤務、大阪大学理学部教授。映像記憶能力者・円周率は808桁!
投稿元:
レビューを見る
神経科学分野の書籍は初めてかな。
基本的な解説から記憶の構造まで概観をさらってくれる。小ボケが合間に挟んであるので、理解できない用語が並んだ後で緩和剤となってくれる。何とか読み進められた。
もっと用語を学んでからだと内容自体も面白く読めるんだろうな、この本をきっかけに深めていけたらいい。
投稿元:
レビューを見る
著者の専門である神経科学についてエンタメ的に書きたいとのことでできた書。所々で駄洒落を入れているのは息抜きになっていいが、本書はいたってまじめな書で、神経の基本から述べ、著者の専門である記憶についての神経基盤、そして、その機能障害による病気などを根拠をもって書かれている。ただ専門用語は覚えにくいので少し難解な部分はある。