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大学生の佳奈は彼氏の亮と、とある店に引き寄せられるように入店する。そこはアンティークショップのようであり、リサイクルショップのようでもあり。不思議な感覚を覚えつつ、店内の品物を眺めていると、不意に亮が真っ青な顔で佳奈を抱きしめ、プロポーズじみた言葉を言い出した。驚きつつも嬉しく思う佳奈。だが、店を出た途端、亮は世界から最初から存在して居ないかの様に忽然と消えた。
亮を探す佳奈は友人が夢で見た『Kassiopeia』と言う店へ付き合うが、そこにいた店主ミツルはどこか亮に似ている。藁にもすがる思いでアルバイトを買って出るが…
Kassiopeiaは、来店した人のどうしても会いたい人に会わせてくれる不思議な店。ただし、それはパラレルワールドの住人で、こちらの世界の人と同じ姿だが別次元の別人。それでも世界観は同じなので、双方の意思疎通はできる。だが、会った後は店に来た事を含め記憶から消されてしまう。それでも、Kassiopeiaに来た人達は救われて前向きになれるのがホッとしました。
佳奈はミツルの助手として、その手伝いをしていくうちに、ミツルと亮の関係に気づき始める。それは佳奈自身にも関係があり、何故ミツルがKassiopeiaの店主になったかにも深く関係していた。理を破ったミツルの所為で消えた亮。その理由がとてもやるせなかったです。
Kassiopeiaに居着いた猫の黒井さんのアシストでその呪縛から解き放たれるが、佳奈の記憶からKassiopeiaに関する事が全て抜け落ちて、ミツルとの記憶も亮との記憶も消されてしまったのが切なかったです。
数年後、再会したミツルが佳奈に薔薇を一輪渡す件が泣きそうになりました。今度こそ幸せになってくれると願っています。
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愛されなくても別に が、とにかく好みだったので新作も手に取ってみましたが、これまたすごく好みだった。
苦手なSFというか、パラレルワールドなのに、すんと心に落ちていく。会いたい人、それが親族でも友人でも恋人でも名前も知らない人でも、心から会いたいと願う人がいる人にはきっと気にいるであろう一冊。
幸い、わたしの会いたいと願う人はまだ存命であるけど、この話を読んでするかもしれない後悔がたくさんあったとして、それでも今をきちんと生きていきたいなと思った。
すごくすごく愛おしさでいっぱいになる一冊。
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【二度と会えないと思っていた相手に会えたら】ある朝目を覚ましたら、世界から「彼」が消えていた。私がおかしいのか、世界が壊れたのか? 気鋭が放つファンタジー青春恋愛小説。
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愛していた恋人が世界から急にいなくなってしまった主人公。
友人をきっかけに「奇跡が起こる店」の存在を知り、店主や奇跡を目的に訪れる客と関わっていく…。
平行世界が登場するため、どうしても現実離れしている描写が多々あります。
非現実的なテーマかもしれませんが、タイトルの『世界が青くなったら』という意味や結末へのまとまり方などが綺麗で、とても良い作品でした。
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身体の異変で目覚めた佳奈。気持ち悪くなって、唾液ととも謎のトゲが出てきた。訳が分からなかったため、昨晩まで電話をしていた恋人の亮に連絡をとろうにも、履歴や今までのやり取り、亮の画像など関連するもの全て失っていた。
友達にも、亮のことを聞いても、存在すら知らないとのこと。そんな時、友達から夢で「奇跡が起こる店」の存在を耳にする。行方不明の亮、奇跡が起こる店、そして最近発生した不可解な現象など、もしかしたら一本の線に繋がっているかもしれない。
佳奈は友達と共にその店へ行ってみた。そこには、亮に似ている謎のマスターがいた。
亮はどうしたのか?謎の店など怪しい要素が多く散りばめられていて、どうなっていくんだろうと興奮冷めやらないまま読んでいました。
全5話+αの連作短編集です。
メインの話は亮がどこに行ったのか?ですが、各話では、その店に訪ねてきた人を中心に話は展開していきます。
この店の正体は、別の次元で生きている人と会える店です。この世界では、色んな選択を選び抜いた結果の世界であり、もしも途中で別の選択をしていたなら?別の人格になっていたかもしれません。
ここでは、別のパラレルワールドで生きている会いたい人と再会することで、あの時後悔していた事や今まで溜まっていたことを「夢」という形で、会えます。
後に訪問者は、会った記憶だけでなく、一部の過去も消されてしまいます。
各話ごと(最終話は違いますが)、何かしらの「心残り」を持っており、再会するのですが、ホロっとさせてくれました。
もし、あの時、別の選択をしていたなら?
人生後悔だらけで、現実的にはあり得ないですが、別の選択をした場合の世界も覗いてみてみたいなと思いました。
そして、大きな謎である亮はどこへ行ったのか?
なんとなく、その真相は想像はつくのですが、真相に隠された真実を含めて、どれも切なすぎでした。
それにしても、佳奈の亮に対する想いや熱量が凄かったです。恋のパワーに圧倒されつつも、佳奈が真相に辿り着こうとする熱意やお客様に対する優しさなど、あらゆる一面が垣間見れました。
また、亮に似ている番人も存在も良かったです。佳奈に対する対応がぶっきらぼうながらもチャーミングで、凸凹なコンビ感が出ていて、良い味を出していました。
最後はどんな結末を迎えるのか?哀しい真相ではあったものの、その先に待ち受ける展開は、じんわりと温かくさせてくれました。
全てがハッピーというわけではありませんが、うまい具合にまとめられていくので、清々しい余韻に浸れました。
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並行宇宙におけるラブストーリー。
現行宇宙の世界樹が種を蒔き、種に寄生された人は夢で「奇跡が起こる店」の場所を知り、尋ねてくる。
店に行くことができるのは、その夢を見たことがある人だけ。
店に行くと、契約書を書かされ、助手と思い出の場所で思い出の話をし、会いたい人に会うことができる。
ただ、その人は別の並行世界から来るので、現行世界とは少しズレた人が来る。
お客はその後、寄生された種を吐き出し、店のことも、あったことも全て忘れる。
大学の友人が高校生の時に小説を高校内部の会誌に載せたら、来た匿名のファンレターの人に会ったり、中学生は交通事故で死んだ幼馴染に会ったり、OLは寝取られた元カレに会いに行ったり、両親が居ないまま祖父に育てられた中年が、子供ができて祖父に会いに行ったり。
オチは何と無く予想できるが、結構心が温まったり、ほんの少しの選択が未来を変える…ということを再認識させられた。
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あっと言う間に読んでしまいました。
パラレルワールドに少し頭がこんがらがってしまいましたが、それを苦痛になりませんでした。
主人公の混乱や戸惑い、何か手がかりを見つけたいという必死な思いはつらいほど伝わって来ました。途中は涙がでるほどつらかったのですが、不思議と爽やかな感じが残りました。
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子供か大人かなんて関係ないだろ。
別れは年齢を問わないんだから。
あら、名前は相手を知るのに必要よ。
名前って、この世界に生まれて最初に貼られるレッテルでしょ?
その人が自分の名前とどういう向き合い方をしてるかを知ることができたら、それだけで相手への理解を深められる。
めちゃくちゃになっても、惨めになっても、どうしても相手を忘れられない。
このままじゃ幸せになれないと分かっていても、相手に執着してしまう。
恋愛って、そういうものでしょ。
お金を稼ぐ力はあるし、自分一人で生きていけるってことも分かってる。
でも、だからこそ、この人とずっと一緒にいたいと思える相手がいたら離しちゃいけないのよ。
これからの人生で、もう二度とそんな相手に巡り合えないかもしれないんだから。
後悔したって時間は遡らへんし、別の選択もできませんしね。
うちのじいさんもよう言ってました。
「正しいことを選ぼうとするな、選んだものを正しくしていけ」って。
ま、最後に目的地に辿り着けたらいいんですよ、こういうのは。
寄り道もまた人生です。
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主人公「佳奈」の記憶以外、世界から存在自体一切が消失した恋人「亮」を探す、並行世界の合流、分岐を描いたファンタジー連作短編集
佳奈は彼の痕跡を求め、会えない人に会える奇跡が起こる店kassiopeiaで助手をはじめる
徐々に明らかになる真相、そして結末は…
ふんだんに散りばめられたファンタジーアイテム、多彩な個性が光る登場人物たち
読み応えのある作品です
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ある日彼女が起きるとそんな人はいなかったかのように突然消えていた彼。彼を探していると謎の店で彼そっくりの店員に出会う。SF作品でパラレルワールドとかが個人的にあまり好みではなかったので、星3つ。住野よるさんの作品に似ている感じがした。
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すごく好き。
たぶん、そうなんだろうなと思いながら読んでいた。
それでもあたたかい気持ちに包まれた。
愛しさはあたりまえじゃないから、大切にしないと。
愛しい人を、愛しい存在を、素直に心から愛そうと思った。
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初めましての作家さん
ファンタジーは奥が深く、
直木賞より芥川賞
辻村さんのツナグや、ジブリの世界観やら
いろんな要素を兼ねる作家さんの哲学を感じた作品でした。
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装丁の美しさに目を引かれました。「あのときこうした自分」「あのときこうしなかった自分」が、世界にはたくさん積み重なっていると思うと、その中のどの自分が幸せだろうかと考えてみるのも面白いかもしれない。私は幸せだろうか。私には会いたい人がいるだろうか。私に会いたい人がいるだろうか。
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パラレルワールドの存在を前提にしたSFファンタジー小説です。
パラレルワールドにいる、別の分岐を選んだ人物に会うことが出来る不思議な店を舞台にしています。
恋人がある日、一切の痕跡も残さず世界から消えているというワクワク展開から始まります。自分以外の記憶からも記録からも、写真からも存在が消えている。もし自分にそんな事が起こったらどうなるだろうかと考えます。
SF恋愛ファンタジーなので若者たちに楽しんで読んでいただきたい本です。
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選択した人生に後悔があったらとしたら、、、
自己満足の世界に戻れたとしたら、、、
愛情と執着の違いとは、、、
青の世界観と邂逅が尊い。