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比較・普遍化がなされていないので、社会学と銘打てるかどうかは微妙だが、劇団・ファンクラブ・ファンの相互依存的な構造が描かれていて面白い。
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生徒がスターになる過程は、単に劇団の扱いがよくなり、劇団発行のメディアへの露出が増え、
舞台の出番が増えるということだけで成り立っているのではない。その生徒に集まってくるファン自身を遠ざけ、近づきがたさを劇場外でも演出することによって、事実、スターになっていくのである。その「遠さ」を演出するのがファンクラブである。181
退団を節目に、その走り続けるゲームから一度解放されるのは事実。限られた期間だからこそ熱狂的になる。183
退団後もファンクラブの活動ができないわけではないが、ファンクラブの活動は、序列のなかでこそ、その関係性のなかでこそ意味を持った。単独の応援軍団では、それまでと同じ意味を持ち様がないのだ。184
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社会がどのように形成されるか、のモデル実験のレポートを読んだような気がしました。特権とか奉仕とか競争とか優越感とかによって、憧れが制度になっていくのが面白かったです。
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宝塚が好きになって数週間だったので、よくわかっていなかったファンについて知ろうと思って読んだのですが、本当に分かりやすく体系的に書いてあって、驚きました。
内容にも、すごく驚きや発見があって、衝撃の一冊でした。
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目次:序章 宝塚歌劇団の転換―1990年代から2000年代へ、第1章 宝塚スターシステムとファンクラブ、第2章 ファンクラブの活動内容―ファンクラブ側から見て、第3章 ファンクラブ会員の役割―ファン側の視点、第4章 舞台と客席をつなぐファンクラブ、第5章 ファンクラブの意味、参考文献、あとがき
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私は、観劇してキャトルでちょこちょこ買い物する程度のファンなので、会の皆さんの頑張りには感心します。頑張り過ぎて本末転倒になっている人もいるような…。しかし、熱心なファンの気持ちを利用している劇団はどうかと思う。
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会の働きやチケット配分の仕組みが良く分かった。
カレンダーの売上が成績に影響するんやとビックリ。
ファンがスターの序列を内在化しているのは宝塚ならでは。
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宝塚歌劇団から自殺者が出た。
とはいえ、宝塚にはまったく詳しくないので、参考程度に本書を手に取った。宝塚そのものというより、そのファンたちに焦点を当てているので目的とはすこしずれていたが、それとはまたべつにおもしろいところもあった。「社会学」と銘打ってはいるものの、分析というよりファンの実態、仕組みを紹介している。
けっこうな文量が割かれるのはガードと呼ばれる、入り待ち出待ちを仕切る役割である。これをやるのはファンではあるのだが、スタッフとファンの中間にあるようなひとたちである。そういうひとたちがいるらしい。公演中の拍手の仕切りからチケットの処理も任されたりするとのこと。重要視されるのは規律である。
気色の悪い集団という印象は強いが、よく知らない世界の気持ちの悪いひとたちの話なのでおもしろかった。