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かなりおすすめです
川柳が、というか言葉そのものが、こんなにも自由なのかと思い知らされました。
好きだった10句
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とりあえず寿司が苦くてよかったね
みんなはぼくの替え歌でした
観覧車を建てては崩すあたたかさ
万力を抱いて眠った七日間
桜で燻す交換日記
やがて元通りに嘘になるだろう
それにしては積雪に似たふるまいだ
銀色の曜日感覚かっこいい
火事と余白の気配は同じ
歯磨きの間に都庁が建つよ
(ぼくの好み的になんとなくせつない句が集まっちゃいましたけど、もっとクスッと笑えたりキラキラしてるのもたくさんあります)
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(あくまで自分の見解ですけど)575の制限の中で、短歌みたいに私性の入り込む隙がない分、言葉が自分で動き出すみたいな奇妙な印象がある。
情景や、読む人の感情を操作するよりも、シンプルに"言葉同士の当て方"をどうするかみたいな職人技になってくる。読者の読み方にも比重がかかってくる分、いかに考えて読むかを試されてるきがして、それが言葉がうごめく感じに繋がってるのかな(?)
言葉が、(ぼくらの無意識下で想定している)使い方から飛び出していく。言葉同士がみたことない共鳴の仕方をして、聴き入って、ひきずりこまれて、鮮やかになります。