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紙の本
私の知らない世界で、笑わせていただきました。
2003/05/27 22:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kaimin - この投稿者のレビュー一覧を見る
職場の後輩に勧められて読みました。なんとまあ文章のうまい人かと、出だしから引き込まれ、くすくすと笑いながら読みすすむうち、これは夫にも教えてやらねばと夫が帰ってくるのを待ち構え、ねえねえここちょっと読んでみてと無理やり見せたのが良かったのか悪かったのか、すっかりはまってしまった夫のほうが私より先にガハハガハハと馬鹿笑いしながら読み上げてしまいました。
本は買っても積んドクほうが多い夫がここまで短時間で読んだ本は初めてではないでしょうか。
夫に遅れることまる1日、ついさっき読み終わりました。久しく文学から遠ざかっている私には、解説読んでも、え? そうなの? てなもんでわっかたようなわからん!!! 曖昧模糊な感じでございます。イメージ的には不条理の世界?といった私の感想はさておき(それでいいのか?)、夫はこの作家さんは女が嫌いなんだな〜としみじみ言っておりました。私はそういった感じは受けなかったのですが、確かに登場する女性は奇天烈な方ばかりです。夫にはチャアミイのインパクトが特に強かったらしく、チャアミイチャアミイとしばらく五月蝿かったです。
それと、夫と私ではウける部分が微妙にずれていました。これは男と女という単なる性差のせいでありましょうか。フォーク並びのおおブレネリに夫は爆笑していましたが、私はフォーク並びとおおブレネリの因果関係のほうが気になって笑いを逃してしまいました。
以上、ウチのように夫婦で読んで笑って討論するも良し、ひとりで笑って不気味がられるも良しで、読み方いろいろ、お得な一冊でありましょう。
オーさん教えてくれてありがとうネ。
紙の本
当たり前の一気読み。ズズチャー、ズズチャー
2002/06/08 22:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
町田康の本がそろそろどんどん文庫化される時期にきているのかな。待ってましたの、『くっすん大黒』の文庫化で、即買い。
『くっすん大黒』の「大黒」って、私、「おおくろ」あるいは「おおぐろ」だと思ってました。人の名前だと思っていたのですが、違うのね。大黒様の「だいこく」だったのだ。
座りが悪くすぐにコロンと倒れ、いつもニヤニヤ笑っている大黒様を、主人公の楠木が捨てに行くというお話。
巻末の三浦雅士氏の解説を読むと、大黒様を捨てる場面を、梶井基次郎の『檸檬』からレモンを丸善に置く場面とかぶらせてみたり、町田康という作家を、坂口安吾、太宰治、織田作之助と比較してみたりと、色々にこねくりまわしている。
私は、『くっすん大黒』を読んで、梶井基次郎の『檸檬』なんてこれっぽっちも思い出さなかったし、坂口安吾や太宰治のこともよう知らんのだが、とにかく笑いに笑って読了した。こんなにおもしろくてこんだけ笑ったんやから、それでえぇやん、という気分である。
町田康は雰囲気に流されない目を持っていて、自分のことも第三者的に見つめる人だからこういうものが書けるのだろうなぁ。それはたとえば、『岬を目指してよちよち歩き始めたのである。』などという表現をしてしまうところからもわかる。「よちよち歩く」のは、幼児である。自分がそこいらを歩いている時に、「よちよち歩いている」なんて考えは持たない。しかし、一旦自分を取り合えず歩かせておいて、それを空から見たならば、全く「よちよち歩いて」いる場合があるのである。
町田康の目に加えて、町田康のリズム感も、これがあるからこそ書けるのだろうなぁと思わせられ、強烈に印象に残るものである。この独特のリズムに乗せて、町田康が持っている言葉、彼の頭の中ではいつも自然に共存しているであろう、関西弁、東京弁、聞いたことのある訛り、それから、これまでに読書して身に付けた文章言葉が錯綜する。「「です、ます」調で書き始めたら「です、ます」調で終わる。「ちゃんちゃらおかしいやい」と書いてしまったなら、「アホらしぃてやってられへん」とは書かない。…って、だれが決めたんや? リズム、リズムやで。」と町田康に言われているような気がした。
ありそうでなさそうでありそうな話、いい加減でズボラなようで真面目なようでもある主人公、こんな奴おらんやろと思いながらも、なんだかそこらにいてそうにも思えるとんでもない登場人物、伸び伸びと自由な雰囲気があるようで窮屈で息がつまりそうな空気。つかみどころがないような小説だが、笑いのツボを確実についてくるので大笑いしてしまう。そして、町田康の小説には、「今、おまえなんで笑ったの?」と一人ツッコミを入れて、考えを深める素養があるのが嬉しい。
笑い〜始め! 笑い〜やめ! 笑い〜始め! 笑い〜…。町田康の小説を読んでいる自分って、変。
紙の本
関西人ならではの世界観
2019/01/27 19:52
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「くっすん大黒」の冒頭は強烈だ。「おれは一生、Wヤングのギャグを言い続けてやる。君がとはってもウイスキー。ジーンときちゃうわ。スコッチでいいから頂戴よ。どや。滑って転んでオオイタ県。おまえはアオモリ県。そんなころはイワテ県」とハイテンションで突っ走る。関西出身者でないとわからないネタをかましてくる。痴女チャーミィに、怪しい芸術家の信者・桜井など登場人物もかなりいかれている。「河原のアバラ」にでてくる、怪女・天田は強烈だが、それ以上に偽津山と本物の津山が面白い。ダウンタウンの「ごっつうええ感じ」のコントを見ているような感覚になる。やはり。町田氏は関西人なのだ