稀代の思想家による、現代日本に関する考察の書
2022/08/07 05:26
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投稿者:デーモン - この投稿者のレビュー一覧を見る
稀代の思想家による、現代日本に関する考察が、示唆に富んでおり、大変、参考になる本です。民主主義、資本主義に関する指摘がするどいと、思います。
行き過ぎたグローバル化
2022/06/25 09:29
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞や雑誌に過去書かれたものをまとめているので、必ずしも一つのテーマで書かれたものではなく、その時々のトピックをとらえて書かれている。極端になりすぎた現在のグローバル化・資本主義・ビッグテックのことを、全体としては、問題視して取り上げている。
それらの根底には、個々人の、より多くを求め続ける際限のない欲望とそれをよしとする意識があるのでは、ということも書かれている。では、どうしていけばよいか、ということを考えさせられる。
文章が難しく書かれている感がしました。
2022/06/22 12:35
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が新聞や雑誌などで連載していたショートショート式コラムを、当書新書1冊にまとめ上げたものです。
著者の主張したい内容は分かりましたが、いささか文章が難しく書かれている感がしました。読み進めるのに時間がかかりそうな1冊です。
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新書だから仕方ないが、単なる寄せ集め論考集で、かつ表題の付け方も最悪に近い。書かれている内容がさほどでもない割には、文体が上から目線かつ断定口調で少し辟易もする。5章や6章で興味深い箇所もあるが、全体を通底する思考とは遠く、説得力に欠ける。まあ面白い本ではない。
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近代以降の現代文明について、多角的に分析されてる。「ごっこ」で成長してきた我が国もそれが行き詰まった平成時代。福沢諭吉の頃の精神を取り戻す必要はわかったけど、隘路脱出の方法はよくわからなかった。
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今の時代を歴史、思想を切り口に見事に解説してくれる。鋭い論評と感じる。特に死生学の大切さを論じてくれた事に感謝したい。
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「保守派」にも「リベラル」にも耳の痛い言説が並んでいるが、「分断」が進む現代にあって、こういった眼光鋭い翁の苦言にもう少し耳を傾けるべきではないか。
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あとがきにありますが、
本書は、2018年の秋から2022年の3月にかけて、佐伯氏が書き記してきた「社会時評」と「文明論」をまとめたものです。
病める時代には戦役も病疫も同居するものと著者は言う。
きれいごとが跋扈する「ポリティカル・コレクトネス」や、作り笑顔で未来の技術に希望を託するような時代精神に見合った、しかしその正義や笑顔とは正反対の現身が現れ出てくる。
これが現代文明の実際なのであろう。
私にできることは、せいぜい目を逸らさず、ひたすら凝視することでしかない。
よき傍観者であるほかはない。だがそれこそが、今日、社会や思想に関わる者に課せられた態度なのである。
ということで、
序章「ロシア的価値」と侵略
第1章 なぜ誰もがこんなに生きにくいのか
第2章 かくも脆弱だった現代文明
第3章 さらば、欲望
第4章 「民意」亡国論
第5章 ポスト・コロナ時代の死生観
第6章 日本近代、ふたつのディレンマ
佐伯氏の本をずっと読み続けているので、過去から主張されていることの一貫性があり、読みやすい本でした。
第6章で、明治維新、福沢諭吉の考え方に対する佐伯氏の主張は少し新鮮でした。
明治政府について回る暗い疑惑、攘夷の「義」と文明進歩の「利」の相克
最後の最後『グローバル世界で再演される「日本近代のディレンマ」』
長い歴史の中で、日本人がその時々に選択してきた価値について、しっかり検証しながら、未来に向かってどう対処していくのか、真剣に考えていくきっかけとしての内容でした。
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見事なまでに民主主義の衰退を予言している。
特に近代日本の「利」による「義」の敗北の一節が印象的だった。
西洋のマネは上手だったけれど、結局そうすることで西洋との対立に向かわざるを得なかったディレンマが何とももどかしかった。