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全部短編集だと思って読んでたら、あれ?クレージーさやかとあって、エッセイもあるのかとびっくり。そしてわたし個人としては多様性という言葉あまり好きじゃなくて、、より考えさせられるようになった。わたしは村田沙耶香さんの作品もご本人の思考もすごく通じるものがあって大好きだし、クレージーと呼ばれててもなんとも思わなかったけど、うーん。
土脉潤起だけ読んだことあって、これまたとんでもねーなーと思ってたら、なんと前日譚にあたる生存って話もあって、これまたどういう回路を持ってたらこんな発想を…!でもこれもしかしたら普通になってしまういつかの世界かもと思いながら楽しく読ませてもらいました。
個人的に好きなのは表題作の信仰、生存、書かなかった小説。
小説というフィクションと、エッセイというノンフィクションに近い?ものの狭間で現実とごっちゃになってる感がよかった。相変わらず好き!!
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【「なあ、永岡、俺と、新しくカルト始めない?」】現実こそ正義。好きな言葉は「原価いくら?」の私は、カルト商法を始めようと誘われ――。信じることの危うさと切実さをめぐる8篇。
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短編8作
自分の予定や思い描いたこと、想定範囲内に収まらないとイラっとする
周りの人を自分の思うところに誘導するといった意味では、気が付かないうちに誰でもしてないかとも思うけど、「信仰」の彼女から出てくる言動は(同じではないけど)自分を見るようでホラーだ
イマジナリー宇宙人には会ったことはないけど、いろんな場所に行ったり、眠りにくいときは海の中でイルカと泳いだり←いまもしてる
ワードもさることながら、その視点の鋭さや類を見ず、天才だ
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やっぱり独特な世界観がステキ!
目を逸らしがちなコトに嫌でも向き合わなくてはいけない流れが、読んでいてちょっとシンドイし引き込まれてしまう。
エッセイは、作家の得意料理や好きな雑貨とかの日々の情報とかは一切なし(笑)。短編として読んで楽しめる。
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「私はいつも、会う人会う人を現実へ勧誘していた。」
【信仰】より。全8編。
私も永岡みたいな超現実主義で原価はいくらかわかる?なんて何度も言われたら、もう黙ってと言ってしまうかも…
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短編集。
今回も、最初の1,2行目から、あー、これ好き!って思う作品ばかりだった。
現代の風刺のような作品や、現実を際立たせて単純化させたような、不思議だけど、どこか現実味のあるお話が多い。
短編より長編派の私も、村田沙耶香さんは短編も大好き。
「多様化」という言葉の気持ち良さについて書かれているエッセイで、村田さんってやっぱり社会に対して敏感に感じ取って考えているんだなと思った。
「どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように。」と書かれていて、やっぱり好きだなと思った。
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村田沙耶香の描く世界、テーマは私が日々望むことそのものだったりする。
私は村田沙耶香の信者なのだと思う。
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村田沙耶香節、炸裂。
最終章とか訳分からんかったけど
なんか横文字多くて笑えた。
個人的にはクローン人間の話が1番面白かった。
今回は人肉食べる、とかなくて
よかった。
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あいかわらず現代人に対する黒いモノが渦巻いている…
この人の個人的に割と好きなんですが、これを好きというのは憚られるなぁといつも思ってたんですが、世界で受けてるの!?てことは同じように感じている人が一定多数いるってことなんだよなぁ…
もしくはフェミニストに受けてるのかも???
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面白かった。他の村田沙耶香作品よりぶっ飛び度が低くて、気持ち悪さや不快感(でもくせになるやつ)は少なかったが、十分常識を揺すぶってくるもので、現代に生きる私たちを風刺しているようで。
ルンバくらいの便利さ、という触れ込みで自分のクローンを4体買い、クローンと立場が逆転していく「書かなかった小説」のウイットが好き。
新興宗教に仮託して、現実のさまざまなものを「信仰」して生きることを滑稽に風刺した「信仰」も、滑稽さの中に風刺がきいていて癖になりそうだった。生存率の指標を上げることに汲々として生きるヒエラルキー社会を描く「生存」も、今の社会の見方を変えれば現実に起こってることだよなぁと思う。
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信じることについて
考えたことはあるか?
生きることについて、文化について、多様性について、自分じゃない自分について、未来について…。
言い出したらきりがないだろう。
それは別に考えなくてもいい。
考えようとも、疑問に思わなくてもいい。
ただ、これだけは自分に問いかけたことがあるはずだ。物語でもよく聞くセリフ。
狂っているのは自分なのか、
世界なのか。
私はこの本を読んで
その問の答えを見つけた。
よくもまぁ、
こんな話が思いつくよなと感心しながらも村田沙耶香の描く世界には現実味がある。
彼女には
「クレイジーさやか」
と言うあだ名がある。でも、
クレイジーなのは彼女だけか?
「クレイジーさやか」と言い出したのは決して彼女ではない。
私たちは彼女をクレイジーなキャラクターにすることで、
自分は狂っていないと思いたかっただけなのではないだろうか。
どこかで聞いたような話だった。
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「信仰」「生存」まで読んで一旦メモがわりに感想を。
現代社会に鋭いメスを入れる、皮肉や毒づいてる、そういう小説ではない。どちらも起きるべくして起きている、受け入れている、受け入れている人間を見ているとこんなに虚しいんだ、こうはなるまい、そういう主人公像を創り出していて、まんまと術中にハマっている気がする。警鐘なんか鳴らさずとも読者をどうにも怯えさす手腕がすごい。
あと書き出しは「無難な創作です」みたいな顔して装ってるのこわい。途中で化けの皮が剥がれる。怖い、怖いのに「信仰」で作中のピークに爆笑ポイントがある。わけがわからない。すごい。
以降も読むのが楽しみ。
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信仰
それぞれがそれぞれの「信仰」を持つ世の中で。金が全てじゃないし、ストーリーやブランドが全てでもない。信じるって、それ以外の可能性を捨てるってことだ。別にそれが良いとか悪いとかではない気がする。
生存
生きることに対するハードルが爆上がりする世の中で。わたしは果たして何のために生きるんだろう。
気持ちよさという罪
マジョリティが“多様性”を定義する世の中で。日本人男性で異性愛者であるわたしはそれを自覚すべきだと思った。
書かなかった小説
アイデンティティすらアーティフィシャルに作られる世の中で。直感的な心地よさを何より大切にして良いんじゃないかと思う。
全体を通して“普通”であることへの窮屈さとかを背負ってきた人なんだなと思った。自分は対象的で“普通”であることが恥ずかしくて軽くコンプレックスだけど、そう思えること自体が特権なのかもなと思った。
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「信仰」が一番印象的だった。
現実世界のどこかを切り取ったSFで、こんな未来もありそうだなと思った。
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6つの短篇と2つのエッセイ。
何を信じて生きるのか?正しさとか、普通とか、愚かとか、誰が何を基に決めるのか?個性と多様性(そして均一)、物語や文化的作品について、文明と野生、などなど、色んなテーマが一冊にまとまって刊行されていることの意味を考えたりする。そこに意図は無くても、読んで、『ある』と感じる自分を肯定できる気持ちになる。
なんとなく、星新一っぽさを感じたのが最後の展覧会、切ないけど悲しくはない読後感が好み。