紙の本
よく呑み込めなかった。
2022/08/01 17:02
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
1)本書のタイトルに引っ掛けている分けではありません。最初から最後まで読んでみましたが、本当に内容がうまく呑み込めなかった、のです。
2)人間は、「 退屈 」 を嫌う生き物だと思いますが、本書の主人公ジュゼッペは、日誌を付けたり、モノを作ったりすることにより、退屈を免れ、たった一人で生きることができた、のでしょうか。
3)残留日本兵の横井庄一氏と小野田寛朗氏、彼らのことが頭をよぎりました。彼らお二人はなんと三十年近くもの長きに渡り、たった一人で過ごしていたのですから、どのような毎日だったのか何を思っていたのか、想像を絶するものがあります。
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エドワード・ケアリーはとにかく日常に溢れる小物達、特に日用品達を生きている対象物として描く事が持ち味なんだけれども今回もその味わいがこれでもかと発揮されていた。ストーリーはピノッキオの生みの親ゼペット爺さんが魚の腹で独り暮らしていた時の話。爺さんが孤独を紛らわす為に手に入ったもので日記を書き、絵を描き、粘土細工をして正気を保とうとしているその様が少しづつ崩れていって時折狂気じみてくるのが圧巻。小物が最初は心を慰めるものであるのにやがて心を苛んでいくものとなっていくのがみててこちらもとても苦しい。延々と爺さんの1人語りなのでこちらも息を詰まらせつつハラハラとしてページをめくっていた。
エドワード・ケアリーは自ら小説の挿絵を描く人なのだけど今回は爺さんが作った粘土細工なども作成して写真を添付してあってそれがあまりに物語にマッチしているのでページめくってそうした絵や写真のページになるとギャァと叫び出したくなる。エドワード・ケアリーの闇や影を描く事に秀でた部分が突出した小説でした。アイアマンガー三部作のようなファンタジーのイメージで読むと痛い目みる感じ。闇の中取り残された1人の男の終わりのない孤独と狂気と正気の狭間の物語。
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エドワード・ケアリーが作り出すもう一つのピノッキオ物語。呑み込まれたおじいさんは暗闇でどのように生き、考えたのか?
冒頭から引き込まれ一気に読みました。この本は面白いです。
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ピノキオを作ったジュゼッペおじいさんが、呑み込まれた巨大魚の中で綴った日記と堅パンの粉や船の木材などで作った様々な作品があった、という設定のお話。作者ケアリーが実際に作った作品も載っている。全体として、ちょっと不気味な感じのストーリーだと思った。
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ピノキオのケアリー版アナザーストーリー。ピノキオを探して怪魚に呑みこまれたジュゼッペ爺さんの世界。どんどん創り出されるオブジェや物語が面白かった。
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圧倒的な孤独。巨大な鮫に飲み込まれてピノッキオのバッポであるジュゼッペ爺さん。鮫のお腹の中での二年間の孤独が幻影、記憶、悔恨、ピノッキオへの想いと、さまざまな創作物とともに描かれている。最後に現れたピノッキオは、幻影か、、死への誘いか。少し怖さと狂気を感じながら読みました。
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『The other side of ピノッキオ!ジュゼッペ爺さんの物語』
ピノッキオを探しているうちに巨大魚に呑み込まれてしまったジュゼッペの、魚の腹の中での生活を綴った物語。暗闇の中でただ一人生活するジュゼッペの機微を、作者の挿絵が効果的に描く。自分だったら気が狂いそうだな…
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ケアリー流ピノッキオの物語はジュゼッペ爺さん視点の怪魚の腹の中の回想録
ケアリーらしさはコロナ禍でも健在
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ピノキオに出てくるゼベット爺さんの話。幼少期の絵本じゃ気づかなかったけど、このお爺さん2年間も閉じ込められたんだね。ピノキオはハッピーエンドだった気がするけど、この話はなんだかとっても悲しかった
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ピノッキオを作った「おじいさん」ジュゼッペが、巨大な魚に呑み込まれたその腹の中で過ごした日々を描く。ジュゼッペは、ピノッキオに対する自分の振る舞いを悔いつつ、自分自身の人生について振り返る。
面白いのは、大工であるジュゼッペが作った作品の数々。マリアという名の船など、自分と同じように魚が呑み込んだものを素材として、ジュゼッペは木片に絵を描いたり、堅パンを粘土にして彫像を作ったりする。またある時は、もう一体の木彫りの人形を作るが、それを作ったことを後悔し、それ以後その人形を「不気味な顔」と呼んで恐れたりする。彼の作った作品から彼の思想を読み取り、親子や人生について考察するのが面白い作品だと思う。
❝水夫の慰み細工。なんとも美しい言葉ではないか。人の手でおこなうには大変に時間がかかるけれど。手持ち無沙汰の人にはちょうどいい。芸術は停滞から生まれるのだ。❞ (p.112)
ジュゼッペが魚の歯という素材を手に入れ、それに「慰み細工」を施そうとするシーンである。これを読んだ時、私は自分の学生時代を思い出した。授業に退屈した私は、授業中に新聞を作り、小説を書き、スポーツ賭博の胴元になるビジネスを思いつくなど、人生でもっともクリエイティブな時間を過ごした。それらがその後のキャリアにまったく役立たなかったことは残念だが、「芸術は停滞から生まれる」という言葉は真であるような気がする。
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「ピノッキオ外伝」
ピノッキオを創ったジュゼッペじいさんが
大魚に呑み込まれて、魚の腹の中で過ごした
2年間の物語
じいさんの恋の相手や妄想が炸裂
好き嫌いが分かれると思うけど、好きではない
じいさんの妄想なんてどうでもいい
作者がピノッキオのアート作品の製作を打診され、
いろいろ製作物を作っていく中で生まれた作品