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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.0

評価内訳

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9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

その後のケンとミリとサンゴロウ

2010/03/05 23:08

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

黒ねこサンゴロウシリーズ全体の構成については、
『黒ねこサンゴロウ1:旅のはじまり』のところでも書いたが、

前編5冊は「黒ねこサンゴロウ」、
後編5冊は「黒ねこサンゴロウ旅のつづき」というシリーズ名である。

後編5冊は、前編の第1巻でサンゴロウとケンが会ってから5年後という設定になっており、
前編の第1巻ではじまった旅を真の意味で完結させるのは後編の第5巻という関係である。

本書を前編との対応関係を見てみると、
この『ケンとミリ』には、『黒ねこサンゴロウ1:旅のはじまり』でサンゴロウと旅を共にしたケンと
『黒ねこサンゴロウ2:キララの海へ』でサンゴロウを助けたミリが登場する。

ケンとミリはいとこ同士である。

お互いがサンゴロウと別々なときに会っていたことを知らない。

ケンがサンゴロウと出会ってから5年が経ち、ケンは13歳になっている。

当時とはいろいろなことが変わっている。

ケンは中学生になり、「特急マリン号」は「特急スーパーマリン号」になっている。

当時、ケンの父親が建設にかかわっていたホテル・マリンはできあがっている。

ケンがサンゴロウと歩いた川も橋もほら穴ももうない。

サンゴロウがなぜ自分を宝探しに誘ったのか、
こういうことがわかる感性の少年にケンは成長していた。

  あのリュックをしょった男の子が、どこかぼくににているみたいに、
  ぼくも、たぶん、サンゴロウににていたんだ。

  年がうんとはなれていたって、口をきいたこともなくたって、
  ちらっとみただけでピンとくるあいてが、たまにいる。

そして今でもケンは、仲間を探している。

  ぼくは、そういうあいてを、こっそり<なかま>ってよんでいる。

  おんなじ心をもった者どうし、ってことだ。

  ひとり旅をしているとき、
  ぼくは、ときどき<なかま>をさがしているような気がする。

  さがして、どうするっていうんじゃないけど。

  ただ、すれちがって、やあ、っていってみたいだけ。

いい感じに成長しているようだ。

いっぽうのミリの方は、『キララの海へ』でも不思議ちゃんだったが、
そのまんままっしぐらにさらに不思議ちゃんに成長した。

ミリは7歳になっている。

小さい頃から考えなくてもコタエが見えているという感じの女の子だった。

トランプの札が見えているような。

手をかざしてカードが見えているように組み合わせていって、
最後にジョーカーを見て、
「ねえ、どうして、この人は、ひとりしかないの?」と訊いちゃうような。

ケンは思っている。

ミリは今でもあれができるのだろうかと。

ミリの両親はうまく行っていなくて、
別居して、別れる別れないの話し合いをしている。

ミリの父親は、ミリが母親と暮らしたほうがよいと考えている。

ミリは授業中ぼんやりとしていて、宿題もしてこない、
空想的過ぎる、先生には口答えする、
友だちとなじもうとしない、
病気でもないのに遅刻や欠席が多いという。

  「たった七歳の子にだよ。空想をするなといえるか? 

   山ほどの宿題が必要か?

   つまらん友だちとむりにつきあって、なんになる? 

   なにが手おくれだ。学校ってのは、そんなにだいじかね。

   もっとだいじなものは、世の中にいくらでもある。」

本書は、紛れもなく、ニンゲンの世界を描いている。

どこまでも現実だ。

ミリのお父さんにケンは頼まれることになる。

遊びがてら宿題でも見てやってくれないかと。

こうやってケンの冬休みは始まった。

ミリは、自分なりの理屈を持って生きている。

漢字の書き方だって、正しい書き順の通りではない。

山は下の横線を引いてその上に縦線を三本並べる。

「だって、地面があって、その上に木がはえてるんでしょ。」

木は、みきが下から上にむかってのび、そこから枝が出るように書く。

算数は、数字を見つめてすっと答えを出す。

早くて正確だが、いつも答えしか書かない。

式が全然書けない。

「だって、答えがわかれば、いいじゃない。」

みんなと同じでなければならないと求められる環境では生きにくいだろう。

ミリは、勘がよいため、父親と母親がなぜうまくいっていないのか
クールに理解して、言い放つようなタイプだ。

「だからね、ママは、べつのおうちにいって、すきなだけおそうじすればいいし、
パパは、すきなだけちらかせばいいのよ。」

大人にとっては痛いことばかり言う、扱いづらい存在だろう。

ケンも途方にくれている。

  問題なら、ほかのところにも、いっぱいある。

  式も答えもない。

  すごくこんがらがった問題が。

  その世界では、1たす1が2にならないし、
  三角形の三つの頂点はどうしてもつながらないんだ。

そして、思う。「サンゴロウだったら、どうするかな」と。

ミリは、相変わらずのマイペースで、
学校やめちゃったらいけないのと聞いてくる。

そして、ケンは、どうしてずっと学校にいっているのと。

ケンにはその問いにミリが納得いくような答えを出せない。

じゃあ、いったい、なにをしたいんだよと思わず言ってしまうと、
ミリの答えは、「空をとびたい」だった。

とうとうそれがきっかけでケンは切れてしまい、
「空をとびたければ、かってにとべよ!」と
言ってしまうのだった。

そして、ミリがいなくなってしまい・・・。

本作では、半分までニンゲン世界の話で、
サンゴロウは出てこない。

後半、サンゴロウがどのように登場するのかは、
すべてお楽しみということにさせていただきたい。

本当にいっしょにいるということ、
本当の仲間であるということについて、
サンゴロウは教えてくれるということ、
そして、
あとあと取り出せる大切な言葉をくれた
ということだけは書いておこうと思う。

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紙の本

そして船は行く

2002/06/15 01:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:本箱屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

5年前「サンゴロウ」と出会った「ケン」は
いとこの「ミリ」と共に「ハナミサキ」へ向う。
「ケン」の一人称で語られる物語。

両親の離婚に、そうは見えなくても
ほんろうされる少女「ミリ」は
つばさのつかいかたをまだ知らない小鳥だ。
空をとびたい。学校なんかつまらない。
北海道なんかいきたくない。

勝手に乗りこんだクルーザーで漂流する「ケン」と「ミリ」を
<声の波>で「サンゴロウ」が救う。
キーがなくて動かせないという「ケン」に「サンゴロウ」が言う。
「キーは、おまえがもっている。」
うみねこ島にいきたいと叫ぶ「ミリ」に「サンゴロウ」は言う。
「ちゃんとつばさをつかえるようになるまで、まつんだ」
あらしのときは安全なところにかくれる。
船は港に入ってあらしをやりすごす。
それは逃げるのではなく遠くへいくための手段だ。
それがもうひとつの「キー」なのだと。

それぞれの場所で、それぞれの船で、それぞれのつばさで、
どこにいくのかわからない、じぶんの旅を
彼らはするのだろう。

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2004/10/29 22:10

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2006/08/11 17:50

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2010/03/16 23:22

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2010/03/26 11:30

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2010/06/08 02:07

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2012/04/02 12:34

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2024/02/12 22:02

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