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みんなのレビュー11件

みんなの評価4.6

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本

サンゴロウの抱える過去―彼は誰なのか、どこから来たのか―

2010/03/06 16:10

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

本作は、黒ねこサンゴロウシリーズの最後の1冊である。

  おれは日記をつける習慣はない。

  三日まえはどこにた?

  五日まえはなにをしていた?

  ひと月まえは?

  そんなことはおぼえていない。

  ただ、海があって、船がある。

  たいくつなんかしない。

こんなサンゴロウだが、彼は自身の過去の記憶と向き合うことになる。

サンゴロウの失った記憶について、
友人で医師であるナギヒコはずっと気にかけている。

ナギヒコは、サンゴロウの記憶について、
うみねこ島にむかうとちゅうで、なにかおそろしい目にあって、
それを忘れようとして消してしまったのではないかと考えている。

記憶は戻らないのではなくて、戻せない。

自分で封印しているのだと。

そして、その鍵はサンゴロウ自身の中にあると。

ナギヒコは、その記憶が戻せないのを、
うみねこ島の医学ではどうにもならないのを悔しく思い、
一方、同じく医者であるクルミは、
その封印は解くべきではないと考えている。

理由は分からないけれども、自分で選んでいるのだから正しいことのはずだと。

本作は、サンゴロウからナギヒコへの手紙という形式を取っている部分がある。

そこでサンゴロウは過去を回想するのだ。

  じぶんがだれなのか、それをさがすのに、
  船がいちばん役にたつとおもった。

  そのとおりだった。

消えた記憶は自分が閉じ込めたのだとしても、
なぜ閉じ込めたのか、例え苦しむことになっても、
それを知らなければならないとサンゴロウは考えた。

サンゴロウは、過去を知るために、ウミガメ号の船長を引退し、
今は病床にあるカジキじいさんを訪ねる。

  キララの海とハナミサキ海岸のあいだには、ブロックがある。

  おれがあそこで難破したときに、
  ウミガメ号は<ブロックぬけ>をやった。

  そうですね?

サンゴロウは、マリン号でブロックぬけをやれないかと考えていたのだ。

  おれがこの島にやってきた、その道すじを逆にたどる。

  そうすれば、すべての記憶がもどる。

  ばらばらのかけらが、きちんとつながる。

  いや、そんな保障はどこにもない。

  反対に、もういちどすべてをうしなうことになるかもしれない。

サンゴロウは悩む。

そんなとき、北の海でヨットクラブのヨットが転覆し、
カジキ船長の娘のミサキが行方不明になってしまう。

それを聞いたカジキじいさんが病身を押して救出に出てしまうのだ。

サンゴロウは、カジキじいさんを追って、
そして、ミサキを助けるために北の海に出る。

そこでサンゴロウが見たものは・・・。

私にはこれ以上を語ることはできない。

ただ、サンゴロウは黒ねこでなければならなかったのだということは言える。

そして、彼の抱える過去―彼は誰なのか、どこから来たのか―とその過去が象徴するもの。

それらを思い出さずとも自然と身に纏って生きてきたサンゴロウは、
この物語の主人公として生きるふさわしい存在だったのだ。

本シリーズは、全体としての文字数はそれほど多くはない。

だが、その余白は物足りなさを感じさせない。

そのまま読んでもおもしろいのだが、
余白が深読みを許容する度量のように見える。

それから、時間関係について、
後編5冊は、前編5冊の5年後と書いたが、
それは、『ケンとミリ』についてのみであったと訂正したい。

本作は、サンゴロウがうみねこ島に来てから3年後と書かれていた。

ケンとミリとサンゴロウの時間的には『ケンとミリ』が一番最後の話になるようだ。

サンゴロウが誰でどこから来たのかが、シリーズの一番最後に語られ、
それが全体の物語に見事な説得力を与えてくれた。

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電子書籍

こうなるの……

2023/03/26 20:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

黒猫サンゴロウシリーズ…「最後」のお話です。遭難したカジキ船長の孫の、ミサキを救うため 霧迷路に入っていったサンゴロウですが……。しかし、サンゴロウは、自分の過去と向き合うことになって……ぜひ、ラストはコレで!

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紙の本

終わりのはじまり。

2002/06/15 23:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:本箱屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

なくしたままの記憶を取りもどすべきなのか。
その記憶が戻ったなら今の自分でいられるのか。
たぶん彼はそれが怖い。

遭難した「カジキ」船長の孫娘「ミサキ」を救うため
霧迷路に入っていった「サンゴロウ」は
自分の過去と向き合うことになる。

置き去りにされた半身。弱さ。ふるさと。親。兄弟。
息苦しいような生々しさで問いかけるそれらは
ずっと勝ち続けてきた「サンゴロウ」を責める。

だがそこが帰るべき場所なのか。
何もかも捨てて振り出しに戻るのが正しいのか。
拒むのも選ぶのも自分自身だ。

旅は終わり、また始まるのだ。

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2004/10/29 22:16

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2010/03/16 23:30

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2010/06/14 22:05

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2012/03/15 16:51

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2012/04/04 00:34

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2010/06/18 18:06

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2021/04/25 15:34

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2022/11/17 15:06

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