優れた仮説を生み出す「仮説思考のプロセス」
2020/09/15 20:18
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つぼ香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮説思考の本は「仮説思考を身につければ生産性が上がる」「仮説思考を身につければ業務のスピードが上がる」など「仮説思考の大切さ」を説く本が多い。
しかし、いざ「優れた仮説を生み出す方法」になると「優れた仮説は豊富な経験の中から生まれる」「優れた仮説を生み出すにはセンスが必要」など、方法論を曖昧にした書籍が多く「仮説思考を身につけるための手順書」が見当たらなかった。
それだけ仮説思考のプロセスを言語化するのは難しいということなのだろう。しかしこの本は、
「変化や差に気づく」→「その背景にある法則を見出す」→「その法則を別の物事に当てはめて仮説を生み出す→「その仮説をロジカルに検証する」
という一連の仮説思考プロセスが、豊富な事例を交えてわかりやすく紹介されている。これは、
「具体(気づく)」→「抽象化(法則を見出す)」→「アナロジー(応用して当てはめる)」→「論理(検証する)」
という、様々な思考法を組み合わせた高度な思考プロセスであり、ここまで明確に仮説思考のプロセスを言語化した書籍は見たことがない。
結局のところ、優れた仮説を生み出せなければ、その仮説を検証しようもなく、ビジネスは前に進まなくなる。つまり、ビジネスの成否は「優れた仮説を生み出せるかどうか」が命運を握ると言える。
そういう意味で「仮説思考のプロセス」を再現性が高い形で示してくれた本書は、極めて大きな価値があると言えるだろう。「ロジカルシンキングは得意だが、仮説づくりが苦手」という人にこそ、学びが大きい一冊になると思う。
この分野ではこれまでで最も良い本。
2020/09/14 21:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トモヒコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮説を生み出す際に「どんな風に頭を使えばいいか」「仕事にどう生かせばいいか」を、繰り返し事例を使って説明してくれるので、理屈だけでないコツというか、感覚みたいなものが身に付いてくる実感が持てる。
また、筆者オリジナル(?)「洞察的帰納法」の下りは、目からウロコだった。
論理思考の導入に良い
2021/04/26 21:28
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さとたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロジカルシンキングをわかりやすい言葉で教えてくれる良書だと思います。タイトルだけでは堅苦しそうに感じるかも知れませんが、非常に読みやすかったです。新社会人に読んで欲しい1冊です。
思考法の分野では、これまでで最も良い本
2020/09/15 20:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomosho - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけ見るとかなり難しそうだが、新人ビジネスマンにもわかりやすい内容。
ここ数年のロジカルシンキング系の書籍で久々のヒットでした。
多くの「デキる」人達は、無意識にこの推論の思考を行なっているのかもしれない。
特に「洞察的帰納法」という概念が面白く、多面的な視点の例は全部で35種類が図表で例示されているので、何度も読み返せる内容です。
思考法の分野では、これまでで最も良い本だと感じる。
問題解決力と説得力を必要としているビジネスパーソンとしては必読の一冊
2022/03/20 09:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スマイリー上田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の羽田氏がSchooの講師をされていた講座を受講して、面白そうだと思って手にとった一冊。
問題解決のための推論について書かれているが、構造化して示すことができるので、社内説明でコンセンサスを得ていきたいときにも使えるノウハウが詰まっている。
ビジネスパーソンを意識して書かれているが、社会に出る前の大学生、特に就職活動をしている人にも向いている内容だと思う。
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学問とは何か?を、「推論の技術」を使って説明しようとすると…
学問=知識の集合⇨知識の集合体とは何か?⇨研究者が発見した法則の集合体。
⇨法則は、身の回りの事実に対する「帰納法/演繹法/アブダクション」といった推論から得られる。
日常の疑問⇨推論で掘り下げ⇨法則発見⇨法則が累積⇨知識として体系化⇨学問として成立
よって、「学問は、日常の疑問の延長」である。
個人的には、学問をより身近に感じるきっかけとなる、良書でした!
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演繹法と帰納法、アブダクションのフレームワークとしての考え方が例題を交えつつわかりやすく言語化してくれている。
仕事ではよく使う演繹法と帰納法だが、仕組みの理解度を深めるともうワンランク上の仕事ができる。
是非ともこの本を読んで業務レベルをあげてほしい。
よくいる話が通じない人ってこれが出来ないんだなとも思った。
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#問題解決力を高める推論の技術 この本の最後の「新たな発見を生み出すループ」は心に刺さった。
ミルクボーイの漫才も演繹・帰納・アブダクションを感じる。
演繹的:ほなコーンフレークやないか
帰納的:こうでこうでこうやったらコーンフレークと違うか
アブダクション的:ほなコーンフレークと違うか、こうでもこうでもあるんやから
漫才はおもろいが、仮説や事実把握が薄いと同じことになる。鍛錬せねば。
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情報洪水の時代には、数ある情報の中からいち早く重要なものを見抜き、左脳と右脳の両方を駆使して未来の仮説を見出す「推論力」が求められる。
巷には「論理的思考」や「クリティカルシンキング」など様々な思考法が存在するが、本書では「思考法の理解」だけでなく「思考法の運用の仕方」も解説されている。
どんなに優れた思考法も「どのような局面で」「どのような手順で」「どのような頭の使い方をすればいいか?」がわからなければ優れた仮説は立てられず、実務に落ちない。
本書は「推論力」を「見えない原因」や「見えない未来」を適切に見通す力と捉え、様優れた仮説を立てる上で必要な「頭の使い方の手順」や「トレーニング方法」に加え「習慣化する方法」まで含めて解説している書籍だ。
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・本書の推論技術とは「帰納法」「演繹法」「アブダクション」。
・分析とは「事実」と「事実同士の関係性」を推論で解明するプロセス。
■帰納法
・PEST、3Cなどのフレームワークは単に情報収集や整理で使うのではなく、「帰納的な推論を働かせ、有益な示唆を導き出す」ことで初めて使いこなせるツール。
・モノからコトを抜き出すと、その実体が持つ複数の「価値」を発見できる。
・「洞察的帰納法」を使いこなすには見えない抽象的な概念を発見して、そこから発想する。
・優れた戦略の生み出し方は3C等で「複数の事実」の「共通点」を発見し、帰納法により結論を出す。
・実体に今までにない「概念」を吹き込むことで新しい価値がうまれる。
■アブダクション
・「起こった現象」に対して「法則」を当てはめ、起こった現象をうまく説明できる仮説を導き出す推論法。
・普段から起こった現象に自覚的になることが重要。そのために、
- 変化に気づく
- 差に気づく
- 共通点に気づく
- 矛盾に気づく
- プロセスに気づく
■何をやらせても優秀な人の共通点は、どんな些細な事実からも「見えないもの」を見抜き、それらを洞察的帰納法で「法則化」し、様々な分野に応用する習慣をもっている。
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本書ではビジネスで役立つ「推論力」の身につけ方について解説されている。推論をするための「3つの方法」を紹介している。
メモ
帰納法:事象から共通項を見つけて法則を導き出す。一般化
演繹法:法則を事象に当てはめて今後の予測や検証を行い結論を出す。
ただ演繹法は前提となる法則の確からしさが重要。例外があると法則が適用できない
アブダクション:事象にどの法則が当てはまるかを考えて、原因となる仮説を導き出す。多様な法則を頭の中に入れておいて、今回どれが当てはまりやすいか仮説を導き出す。(最後に因果関係の検証)
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これからを生きるための推論力を身につけるために必要な3つの能力を、かなり初歩の部分から解説してると感じた。
帰納法、演繹法は比較的書籍で見るが、アプダクションはあまり知る機会が無く、個人的に今回一番為になった。
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帰納法・演繹法・アブダクションという論理展開の手法を使って、シャープな仮説を立てる頭の使い方を解説した本。
これまで仮説といえば「長年の経験」「センス」で片づけられがちだったけど、この本には「仮説を生み出すための思考の手順」が丁寧に描かれている。
数ある仮説思考関連の本の中で、最も実用性が高いと感じた。
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帰納法、演繹法、アプダクション
帰納法はイギリスのフランシスベーコンが発展させた。
事実に偏りがある、共通点の発見に飛躍がある、結論部分に飛躍がある、
結論の飛躍に注意。
観察的帰納法と洞察的帰納法。共通点、または共通する概念。
帰納法で策定した方針を元に、演繹法で個別方針を作る。
アブダクション=起こった現象に対して法則をあてはめ、うまく説明できる仮説を導き出す。結論ではなく仮説。
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事実の平面(帰納)と原因と結果の時間軸の順方向(演繹)と逆方向(アブダクション)なイメージをもった。立体的な考え方。