古典文学のようなミステリー
2022/08/15 00:53
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投稿者:座敷婆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不思議なお話
ミステリーでもあり、ホラーでもあり…
ただ、あまり考察せずに淡々と文字を追っていた方が良い。
色々考えながら読むと、先に進まないし、受け入れられなくなる。
失われた物語の真相
2022/08/06 18:51
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
双子の妹を「消失」した夏日。成長し大学で指導教授が失踪、同級生の謎の死、と凶事が続きます。
次第に手がかりが集まりだし、キーワードは失われた物語『あさとほ』に行きつきます。
やがて関係する人々や、様々な事柄が集約していきますが、それに意思を感じ始めたころ世界に変化が起こります。
ストーリー展開は「お話のパターン」をなぞりますが、ラストはパターン通りとは程遠い。はっきり言ってすべて謎な感じ。
何が事実で、どちらが物語なのかわからなくて、そこはかとなく不気味な後味です。
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すごい物語を読んでしまった。ホラー伝奇ミステリーの頂点だと思います。古典文学好きにもたまらない。途中読んでいてゾワゾワ感がすごい。謎の布が物語の盲点をついている。ラストはとても考えさせる。もうデビュー作をこえた最高傑作と言っても過言ではない。
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すごく読みたくて買ったもの。
ストーリーの枠組みは理解したと思うのだが、その中身の詳細がイマイチ理解しきれなかった。伏線ばかり回収しようと思うのは、このストーリーには違うような気がしたので、あまり詳しく追いかけないことにした。それも物語、ってことでいいのだと思う。理解しきれない面白さみたいなのは感じた。理解できないものに恐怖する。そこもホラーと呼んでいいのかもしれない。
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「あさとほ」とは…。人生とは何か考えさせられました。真相に迫っていくところからの物語の加速に興奮して一気に読みました。
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大橋夏日には双子の妹の青葉がいます。
一つ年下の桐野明人という少年が現れ、青葉はすぐに明人を好きになり「もし、わたしたちが運命で結ばれているなら、きっと何かが起きるから」と言い、青葉はその後明人の自転車に跳ねられ、顔に一生消えない傷が残ります。
そして、青葉は森の中の一軒家で夏日と明人を残し突然消えてしまいます。
明人は「約束するよ。青葉は俺が必ず見つけるから」と言います。
しかし、夏日は母に「青葉がいなくなった」と告げると、母に「青葉?それ…誰のこと?」と言われ、青葉は最初からいなかったと皆に言われてしまいます。
覚えているのは夏日と明人だけだったのです。
その後、明人は県外に引っ越してしまいます。
夏日は大学生になり文学部で古典文学を学ぶようになります。
そこでも、夏日の担当教授の藤枝の失踪。友人の亜津沙の自殺。5年前には清原という教員も失踪しています。
それには『あさとほ』という文献が絡んでいて、調べようとすると何らかの不幸が起こるという謎の文献に夏日は関わっています。
そして、亜津沙の葬式の帰りに夏日は明人と十年以上たって再会します。
明人は存在しない青葉のことをちゃんと覚えていました。
夏日と明人は二人で『あさとほ』という文献と、いなくなった青葉の謎を解こうとしますが…。
青葉は夏日と明人の二人にとって便利な幻想だったのではと思い始めたり、青葉は時空の裂け目に入ってしまったのではなど、いろいろな可能性を探りますが、二転三転した青葉消失の謎。
最後は、やはりこれはホラー小説なのだなと思う怖い物語でした。
雰囲気がずっと幻想的な香りに満ちていました。
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装丁にひかれて手にしました。とても素敵です。
読後、★4にするか迷いました。
始まりも古典を題材にしたのも興味深ったのですが、明人のキャラと事故物件云々等(特に浅葉ターン)が私には軽すぎて少し蛇足かなと感じました。
個人的に先生の奥さんが一番怖かったです。布は怖いというよりSF的な奇妙さを感じました。
夏日のメタ的なパターンからカテコライズする話は、同じくカテコライズから浅葉の話だと先読みする読者への牽制もあったのかなと思いました。
全体的にもっと怖くても良かった印象ですが題材はとても面白かったです。
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「虚魚」でデビューされた著者の第二作。
デビュー作もすごく好みで素晴らしく、面白いのにちゃんと怖い本だったのですが、今作も虚魚を超えてくる面白さで最高です。
人生は物語なんかじゃない。そんなドラマチックなことはそうそう起きないし…と言いつつも、人は他人を勝手に物語にして解釈して、理解したつもりになっている…。
主人公「わたし」が無意識に行っていた他人への物語化が、「わたし」へ向けられたとき、読んでいるわたしも心底ぞっとしてしまいました。
もちろん怪異的な怖さも十分にあって、もういろんな方向から不穏が押し寄せてきて気づいたら囲まれてた…そんな感じです。
わたしってなんだろう?怖いですね。
虚魚同様、本当にひとつひとつの文に隙がないと感じて、そこが一番の好きポイントです。新名さんの文章大好きです。
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んー
途中までは
どうなる?
どうなる?
と
ドキドキしながら
読んでたけど
最も面白くなる
終盤で
失速
ホラーを期待していたから
思ってた展開と
違った感が…
前作の虚魚と繋がりが
少しあったのは
お!と思った
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一気に読んだ。面白かったんだが、わかったようなわからないような…
結局、わたしと青葉が出会ったら、過去も今も自由なわたしの物語になったのよね?
で、わたしと青葉がわかれてからは、青葉自身の人生になった?
ハッピーエンドなのかも判然としない…
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無駄に恐怖をあおるのではなく、静かにじわじわと怖さが後ろをついてくる感じ。前作の『虚魚』のときも感じた怖さ。読んでいる途中でふと誰かの視線を感じるような、読み続けるのが怖いのに目の前の謎の行方が気になって読むしかない切羽詰まった感。
今回の舞台は「古典」。いにしえのものがたり。
人のあらゆる思いを集めて、複雑に絡まり、重く沈みながら、どこまでも流れていくもの。
記憶というものの根拠、経験というものの証、私という存在の証明。何をもってそれを信じるのか。
足元が揺らぐ。私は、今ここにいる私は、本当にずっとこの世界にい続けていたのか。
血管の中の血がそっと逆流してくるような怖さ。
このものがたりの結末を読み終えたのは、本当に私なのか。
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風呂敷の広げ方が天才的に良い本
調査パートが理知的に進んでいて、ホラー小説の王道を歩んでてめっちゃ良かった。
広げ方が良すぎるあまり、畳み方がほんの少しだけ駆け足になってしまった印象があったけど、そういう終わり方もあるのか!と考えるととても良かった
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「あさとほ」それは遠い昔に確かに存在し、いつの間にか消えてしまった物語。
ただの古文書でしかないはずのそれに、夏日と妹の青葉、幼馴染の明人の人生は、大きく歪まされていく…
ホラーとしての怖さと悍ましさ、そしてサスペンスとしての読み手を引き込む展開、どちらも一級品です。
ただオチに関しては賛否が分かれそうなところですね。
なによりも印象的なのが、読み手に伝染する恐怖の質の違い。
一般的なホラー作品で喚起されるような、ストレートな恐怖とは全然違う悍ましさがあります。
全く新しい種類の恐怖を作り出したという意味では、ホラーにおいての発明的な作品と言えるかもしれません。
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図書館の新刊コーナーで手に取った本です。主人公は夏日、妹の青葉が消失した…その場にいた明人も同じ経験をしたが、周囲では青葉の存在そのものが以前からなかったと…2人は成長し夏日が大学生になり、明人との再会を果たす。2人は消失した青葉のこと、夏日の周りで起きる不可解な事件に巻き込まれ「あさとほ」が関わっていることを突き止める…。なんとも不思議で読んでいてこっちまで混乱して…あれ?あれ??どうなってたんだっけ?と思うような一冊でした。見事にハマりました!前作も読んでみたいと思いました。
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ホラーとかオカルトというよりはSFのような印象。
どれが本当でどれが幻想か読み直してみないと整理がつかないが、クライマックスで突然一人称視点から三人称視点に変わった瞬間はぞわっとした。
作中でも言われている通り、物語は読み手の解釈によって変わるものなので自分もこの物語を読み直して自分なりの解釈をつけたいと思う。