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紙の本
万博をつくった理念をたどること、それは近代文明の観念史そのもの!名手鹿島の本領がいかんなく発揮された魅惑の文化史研究
2023/09/22 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロンドン万博に触発されて「万国」「万有」の博覧会で労働者を教育し、社会の富を増やそうとしたサン=シモンの弟子たち。万博によって、人々は歴史上初めて、商品は見ることができ、見て楽しいものだと知った。ショッピングの先祖がここに誕生したのだ。サン・シモン主義の概説と再評価、近代資本主義とテクノロジー、大衆消費主義への接続という主題を圧倒的な史料と知識で叙述。ナポレオン3世も重要な役どころ。本書で面白いのは、あとがき、小学舘文庫版あとがき及び学術文庫版あとがきで、著者自ら解題を行っているところ。大阪万博に反発し、それから万博のイメージを形成した筆者が、パリ万博に興味を持ちながらその違いがなにか考えていたときに、ベンヤミンに触れ事物の物神性の指摘に圧倒されるも、収集していた史料からサン・シモン主義者が、自らのユートピア思想を実現させるために万博を企画したのではとの仮定にたどり着くところ。研究者の手の内、分析の枠組みと知識の組み合わせの舞台裏が赤裸々に開示されている。ここだけでも購読する価値があるように思われる。
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