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パリ万国博覧会 サン=シモンの鉄の夢
著者 鹿島 茂
絶景、奇怪、絢爛。”物神【フェティッシュ】の聖堂”のスペクタクル!現在も世界各国が競って開催する万国博覧会。それは、サン=シモンという男が思い描いた「産業という宗教」を奉...
パリ万国博覧会 サン=シモンの鉄の夢
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パリ万国博覧会 サン=シモンの鉄の夢 (講談社学術文庫)
商品説明
絶景、奇怪、絢爛。”物神【フェティッシュ】の聖堂”のスペクタクル!
現在も世界各国が競って開催する万国博覧会。
それは、サン=シモンという男が思い描いた「産業という宗教」を奉ずる者たちが、物神たる機械と商品の数々によって荘厳した神殿として創められた。
万博というものを、単なる近代産業技術のひとこまとしてではなく、来たるべきユートピアとして構築され、資本主義文明の展開そのものを懐胎した運動であったことを活写する、この著者だからこそ書けた万博論の決定版!
【本書「まえがき」より】
もしこの万博理念の形成過程史が解明され得るなら、それは、むしろ実際の万博の歴史よりも、絶対に面白いはずだ。なぜなら、それは単なるモノの歴史ではなく、モノに関するイデアの歴史、さらに言うなら近代文明についての観念の歴史となるはずだからである。
【本書の内容】
まえがき 万博の神学、あるいは万博史の逆説
第1章 サン= シモンの鉄の夢
第2章 転向サン= シモン主義者ミシェル・シュヴァリエ
第3章 パリ万国博覧会にむけて
第4章 万博理念の確立
第5章 サン= シモン主義のユートピア、一八六七年パリ万
国博覧会
第6章 アミューズメントとしての万博会場
第7章 博覧会場の外で
第8章 新たなユートピア〈恒久的万国博覧会〉にむけて
文献目録
※本書の原本は、『絶景、パリ万国博覧会』として1992年に河出書房新社より、その後2000年に小学館文庫より副題「サン・シモンの鉄の夢」として刊行されたものです。
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紙の本
万博をつくった理念をたどること、それは近代文明の観念史そのもの!名手鹿島の本領がいかんなく発揮された魅惑の文化史研究
2023/09/22 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロンドン万博に触発されて「万国」「万有」の博覧会で労働者を教育し、社会の富を増やそうとしたサン=シモンの弟子たち。万博によって、人々は歴史上初めて、商品は見ることができ、見て楽しいものだと知った。ショッピングの先祖がここに誕生したのだ。サン・シモン主義の概説と再評価、近代資本主義とテクノロジー、大衆消費主義への接続という主題を圧倒的な史料と知識で叙述。ナポレオン3世も重要な役どころ。本書で面白いのは、あとがき、小学舘文庫版あとがき及び学術文庫版あとがきで、著者自ら解題を行っているところ。大阪万博に反発し、それから万博のイメージを形成した筆者が、パリ万博に興味を持ちながらその違いがなにか考えていたときに、ベンヤミンに触れ事物の物神性の指摘に圧倒されるも、収集していた史料からサン・シモン主義者が、自らのユートピア思想を実現させるために万博を企画したのではとの仮定にたどり着くところ。研究者の手の内、分析の枠組みと知識の組み合わせの舞台裏が赤裸々に開示されている。ここだけでも購読する価値があるように思われる。
紙の本
それって、見世物?
2022/10/04 11:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1867年のパリ万博では日本も出店している、そのことは過去何回かの大河ドラマで放送されているので記憶しているが浅草の商人が茶屋をしつらえた。3人の柳橋の芸者に煙管をふかさせた、これが好評をはくしたというが、それじゃ見世物ではないかと今の感覚では思ってしまう