紙の本
快刀乱麻を断つ
2023/02/17 21:21
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投稿者:白山風木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「快刀乱麻を断つ」 と「僕の前に道はない僕の後ろに道はできる」
このふたつが、頭に浮かんだ。
当世流行の”よりそう”感は、あまりないので、本当に弱っている人には刺激が強すぎるかもしれない。
『道行きや』→『女の一生』→『人生おろおろ』と、遡って読んだからには、10年以上前に購入するも挫折した『般若心経』を読もう。数十あるダンボールのなかから無事みつけたアカツキには。
『道行きや』と『人生おろおろ』について、いちばん心に残ったことは、著者の植物知識だ。
(草木についてどうやってこんなに知るようになったかもっと詳しく書いてください。)ユスラウメが移植後、枯れてしまってもひこばえが生え繁る、これは、今まさにユスラウメの移植をやろうとしている自分の背中を押して、万事OKにしてくれるような一条の光のようだ。
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伊藤比呂美さん、愛してます!と告白したくなるくらい、 大好きです。
優しさ、というものはこのくらいでなくては、と思います。出し惜しみして、中途半端なやさしさで、愛する人に接するなかれ、と思いました。
ゴシックの太字のとこらが、またセンス抜群。ニンマリしながら読めるところも、とてもいい。
付箋をしながら地下鉄でよんでいたら、隣の人に、じーっと見られました。そこまでする?なんだか人生相談みたいな本だけど…。ってきっと思ってたと思う(笑)
付箋したところ
親なんてものはね、しょせん子どももかわいがり、甘やかし、スネをかじらせてナンボのものです。かじらせるスネがあるのなら、大いにかじらせてあげましょう。
でも、ちょっと考えてみてください。いい子で何が悪いんですかね。
(心の病の友人にどう対処していいかに対して)
あなたは、逃げていいと思います。
人ひとりがここで、病んでいます。大ごとです。遠くの友達なんか手に負えるしろものじゃない。
あなた自身を守る、という方向に動いて何が悪いでしょうか。
(価値観が違ってしまった友人と離れたい)
でもあたしはこう思うんです。ケンカ別れはもったいない。
あたしはね、職場で周囲とぶつかるときには、背中を向けてとっとと逃げちゃた方がいいと思ってます。他人の頑固や敵意に立ち向かっていくだけのエネルギーが惜しくてたまらない。
伊藤比呂美は苦しくてしんどい女の人たちに、全身全霊でやさしい。全身全霊で味方だよと言ってくれる。
この人は嘘をついてないし、カッコつけてるわけでない。
相談者は、この人はただしっかりと自分を見てくれてる、と思うのではないだろうか。
その姿勢に、感動する。こんな人が存在することが、うれしくて楽しい。私もそうありたいと思う。
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50代女性ばかりがどうして続くのだと思ったら、そういうセレクトだった。そりゃそうか。
直前に読んだ坂口恭平さん「自分の薬を作る」の悩んででいる人たちの悩みは私には抽象的に思えて(そうじゃなかったかもしれない。自分の悩みに遠かっただけか)「もっと具体的な悩みなんだよー」とちょっと思いながら読んでいた。年齢層も若かった。
やはりおばさんには伊藤比呂美さんか⁉︎
全く同じというのはないにしても、それぞれ少しずつ自分の悩みも混じっているようで、そこをスパスパ比呂美さんが切ってくださるので気持ち良かった。ひとときの慰めではなく、考え方のヒントとして心に留めておきたいことがたくさんあった。