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日本の異類婚姻譚短編集。
2022/11/15 01:33
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
化け狸や化け狐、鶴女房のような変化のあやかしや、鬼女、神の遣いのオロチと多様なパターンの人と人外の恋物語。
現代が舞台の狸が一番ほのぼのとしているかな。
逆に鬼女が一番殺伐としてたような。
唯一百合エンドだったオロチが一番好きかも。基本的にはそれぞれ独立した話だけど、最初と最後、それにオロチの話だけ繋がりがある感じ。
通して読むと朱鷺の話はパンチが弱く感じたかなぁ。
ん?全部女性側があやかしだわ。
作者のこだわりかな?
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異類婚姻がテーマの短編集。
お気に入りは「隠し湯の狸」「あなたと踊れない」
「隠し〜」は恋人同士なのに、絶対に一緒にお風呂に入らないカップル。彼女は頑なに入浴は一人で入る。何かあるとは判っていても、それでも結婚を選んだ彼氏。
彼氏がとても温かい人で、ほんわかした気持ちになれました。
「あなた〜」は、隠し〜の娘・凛々子の話で、大学で出会った珠理は、何故か代々踊ってはいけないと言い伝えられていた。ルーツを探るべく、二人で珠理の故郷へ赴くが…
5話「オロチと巫女」の末裔の珠理。何故踊れないかは判りますが、きっとこの先も踊れないでしょうね…でも、一緒にお風呂に入れなくても、一緒に踊れなくてもずっと隣に居てくれる存在が出来て良かったです。
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正体を隠し人を惑わす“異類”。妖しくも美しい彼女らに、人は古より惹かれてきた。
入浴する姿を決して見せてくれない恋人が、人ではないと気づきながらも愛した青年。争乱の世に美しい鳥と寄り添い、運命を共にする決意をした少年。愛する女と同じ鬼になるために人を襲う男。平穏な暮らしを守るため、自分の正体を見抜いた僧を殺める女。神の使いであるオロチに見初められた巫女――。
人ならざる女たちに心惹かれた人間が織り成す、切なくも愛おしい6篇の異類婚姻譚集。
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『典医の女房』は以前から読みたい作品だったので、今回の短編集に再収録されたのは本当に嬉しかった。
ようやっと拝読。
仲睦まじい夫婦だっただけに、少し不安を残す終わり方が印象に残った。
後から自身の正体を知ったその後、少しでも長く「人」として暮らせるといいのだけれど。
いや案外、あの旦那さまだから、添い遂げてくれるかもしれない。
異類婚姻な短編を集めた一冊。
狸に狐、朱鷺に鬼、オロチと盛り沢山。
時代も古代から現代までを跨り、中には他の話と繋がる物語も。
個人的に心に残っているのは、人が異類側の世界を選び人であることをやめて結ばれたある話と『オロチと巫女』の話。
前者は人としてなかなか選べない道だなと思ったので。
後者はオロチが意外にも女性だったので。
まさかの女性同士の話で驚きました。
この意外性がよかった。