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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
時系列では次作のほうが先だよね。
たまたまそっちを先に読んでたから、どういう経緯で民間になったかとか、
結婚して離婚したとか分かってた。
次作を先に読んだほうがわかりやすいかも。
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元科捜研の民間「鑑定人」を題材にした連作。「矯正医官」「数学者」「建築を学ぶ学生」などに次いで題材の選択肢が面白いなと思いました。
作中の「嘘をつくのは、いつだって人間です。」がとても印象に残りました。DNA鑑定の反証は興味深かったです。
実習生問題。酷い受け入れ企業もあれば良い受け入れ企業もあるし、まじめで堅実な実習生もいれば、警察のお世話になる実習生もいて休日返上で対応させられたり、そもそも失踪目当てで入国したり色々あったり。あと監理団体のことに触れる作品は少ないなと読んでいて思いました。
この「鑑定人」はシリーズになったらいいな、と思いました。
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とても面白く一気読みできるが、岩井さんの作品としては今ひとつ。シリーズ物のドラマを見ている様な感覚でした。
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科捜研で“最後の鑑定人”と呼ばれた男・土門誠。「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言われたほどの凄腕だが、ある事件をきっかけに警察を辞め、現在は民間の鑑定所を運営している。そこに持ち込まれた様々な依頼を描く4作で構成された連作短篇集。
んー、岩井さんにしては軽めな仕上がりで、コアなファンには物足りないかもしれないが、案外こういう作風のほうが一般受けはするかもしれない。土門を始めキャラが立ちまくりなので続篇を熱望する。
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いや、もう、岩井さんってどんだけ引き出し持ってるんですか?どんな大きなタンスが脳内に鎮座してるんでしょう。
と、書いていて、でも岩井小説がどんな舞台でどんな世界を描いていたとしても、必ずその奥底に流れているのは「罪」と「人」なんだな、と改めて。
「最後の鑑定人」と呼ばれるちょっと扱いにくそうな主人公。とある冤罪事件の鑑定へのかかわりで科捜研をやめ民間の鑑定会社を立ち上げた土門。
彼と、彼の下で技官を務める高倉のもとに持ち込まれるさまざまな事件の鑑定を描く連作短編集。
一章ごとに描かれる「罪」と「人」。土門たちが明らかにする「事実」。そして吐き出される醜い自己弁護。
人は嘘をつく。嘘をつかないのは科学だけである。0か1であらわされる事実は、黒と白だけであらわされない人間のそのグレーな部分の一部分でしかない。だからこそ土門は事実だけを求める。
少しずつ明らかになる土門の過去と冤罪事件の「真実」。読んでいるうちに変わり者土門がどんどん好きになる。
嘘をつかない人はいない。でも、嘘で隠した過去と、いつか必ず向き合う時が来る。
もっと読みたい。土門と高倉がはぎ取っていく嘘を、人の醜さを、抱える業を、そして、その向こうにある光を。
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鑑定人の人柄と、そこの事務職員のコンビがいい感じ。
鑑定人モノでは他の作者さんのものより淡々としてるかも。
犯人の独白部分は好みの分かれるところかなと思う。
短編なのもあって、スルスル読めた。
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かつて科捜研にいた民間の鑑定人土門誠,無駄口はきかないなど愛想がないが凄腕。彼への依頼は一筋縄ではいかない厄介な事件ばかり。4篇からなる連作。登場人物それぞれの業が描かれるのが特徴的(4篇とも終わりに犯人の独白あり)。最後,土門が科捜研を去るに至った経歴も明らかになる。続編は?
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ドラマ「科捜研の女」のようだけれど、それとは別種の面白さ。
4編の事件に纏わるそれぞれの立場での人物描写が興味深い。
そして、「最後の鑑定人」の人間らしさが少しずつ現れてきて、だんだん興味が湧いてくる。
また、新たな人間像を加えたシリーズ化を!
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ヒューマンドラマに科学が結びついた内容で、読みやすくすらすらと読破できる。
科学と言ってもその内容は深くないので誰でも大丈夫。科学用語は出てくるが事件解決には直接関係しない。
気楽に読む本。
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何かの書評で褒めていたので手に取った。TVドラマ『科捜研の女』ってこんな感じなのかな〜と思いながら読んだ(同番組は見たことなし)。
主人公土門とその助手である技官の高倉の造形が良く、四話読み終わると土門の「科学は嘘をつかない。嘘をつくのはいつだって人間です」の台詞が胸に刺さる。
謎の提示、鑑定のプロセス描写、犯人による独白というパターンで非常に読みやすい。土門が科捜研を辞めた理由が明らかになる第四話が私にとっての本書の白眉。
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ある事件をきっかけに科捜研を辞め、民間の鑑定所を開設した、変わり者の鑑定人を中心としたサイエンスミステリー。
科学捜査で明らかなる真実はどれも残酷で、どの話もやるせない気持ちになる。
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とある事件をきっかけに科捜研を辞め、民間の鑑定所を開設した土門。彼がストイックな姿勢と圧倒的な技術で科学的に物証を追究し、事件の真相に迫るミステリ短編集です。
科学は完全に客観的で絶対的なのですが、それを使うのが人間である以上エラーが発生してしまうのは否めないことなんですね。同様に科学「だけ」で事件を解決できるわけでもないので、どれほど優秀な鑑定人だとしても、即事件解決とはいかないんだなあ。秀でた手腕さえあれば万能のように思えてしまったのですが。なかなか難しいものです。
お気に入りは「死人に訊け」。事件を解決するために、ありとあらゆる手段と伝手を駆使して捜査に挑む土門が素敵です。こういう人って自分の能力しか信じないような気がしてしまうので、そこは意外だったし立派だと思いました。そしてそれだけ信頼できる能力の持ち主が身近にいるというのは心強いですね。
しかしどの事件も、そりゃあ犯人に同情すべき面はあるとは思うのですが。それって自分で言っちゃダメだよね、というすっきりしない気持ちが残りました。自分で言っちゃうとどれだけ悲惨な境遇でも、単なる言い訳にしかならないんだよなあ。往生際の悪さがなんだか虚しいです。
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科捜研を中途退職して民間鑑定所を営む主人公の話。
いくつかの事件がそれぞれ短編として収められていて、合間に読むのにも手頃。
しかし、この人、毎回毎回全然違う設定の小説を発表し続けているのはある意味すごい。
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警視庁科学捜査研究所で「最後の鑑定人」と呼ばれた男・土門誠。7年前のある事件をきっかけに退職し、今は民間の鑑定所を開いている。
彼のところに持ち込まれた依頼を描く4篇の連作短編。
元科捜研研究員が開く民間の鑑定所というと、中山七里の「鑑定人氏家京太郎」と被るけど、こちらの方がより科学に主眼を置いたような趣き。
短編だからか深みに欠け、謎解きが犯人の告白であっさりなされるという工夫のなさで、ミステリとしては面白みに欠ける。
「風化した夜」で土門が科捜研を辞めるきっかけとなった7年前の事件の決着をつけ、彼が警察を辞めた理由が最後に明らかになるが、サイエンスとしてもミステリとしてもなんだか中途半端な感じの作品で物足りなくて残念。
主人公の土門より、助手の高倉さんの方が存在感あったような気がする。
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元科捜研の土門は、7年前のある事件をきっかけに辞めて民間の鑑定所を開設している。
彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できないと言わしめたほどの人物である。
無口で無愛想だが、腕は確かで不可解な事件を実験データから読み解く。
4話ある短編も最終話が、辞めたきっかけとなった事件に繋がっている。
「鑑定人なら科学を裏切るような真似をしてはいけない」
「先入観や思想は事実を見誤らせる。我々は常にそれを意識しなければなりません」
科学を信じているからこそ言える土門のことばなんだが、あまりにも仕事が出来すぎる。
サクサクっと解決してしまう感があって、スマートすぎるのである。
もうちょっと人間くさいものがあれば…と思ってしまった。