紙の本
ビジネスとメタバース・Web3を理解する
2022/10/08 20:00
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はITサービス・ソフトウェア担当の証券アナリストとして働き、独立、企業経営に携わっているという。
本書では、Web3とは。Web1.0、Web2.0との違いの解説、メタバースとは何かから、ビジネスへの取り組み、ビジネスモデルの紹介に言及する。Web3とメタバースの全体像を捉えることができるように、ブロックチェーンや暗号資産の基礎的な面、非代替性トークン(NFT)等に言及する。これは集中だけでなく、分散型自立組織等のトレンドにも入り込んで解説を行っている。
目次で見ると、
はじめに から始まり、
1章 メタバース・Web3とは何か?
2章 メタバースのプレイヤー -メタとエヌビディア
3章 メタバースのビジネスモデル
4章 NFTとWeb3
5章 世界のWeb3企業
6章 日本企業に向けたメタバース・Web3 活用―5つの提言
おわりに となる。
各章ごとの最後に、その章のまとめが掲載され、時間がない場合はここを読むというのも手もある。まずは、通して一読されたい。
電子書籍
内容がやや乏しい
2022/12/14 07:26
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投稿者:hjkl - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネット検索で入手可能な情報を並べた内容でした。
概要の概要を知りたい人向けだと思いました。
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内容はメタバースに関することが多い。NFTの取引の仕方などもある。
しかし、ゲームをやらないことなどもあるのか高度かつ難解に感じる部分が多く、消化不良で終わった。
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Metaverse エコノミー
ブロックチェーン暗号資産の具体的な取引方法 web3技術に関連し 解説している
NFT の 説明が少なく
全体的に分かりやすい
この図は邪魔にならなかった
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第1章 メタバース Web3 とは何か?
まとめ
1-1 メタバースとは何か?
メタバースは、直訳すれば「超越した宇宙」であり、現実世界に対する仮想世界です。最初に登場したのは、約30年前で、30年を経てゲーム、チャットなど仮想世界の選択肢が増えたことにあります。
1-2 メタバースプラットフォームとデジタルツイン
メタバースには、大きく分けて、B2B向けに現実世界を仮想世界に構築するデジタルツイン、そして、B2C向けにメタバースプラットフォームの2つが存在します。
1-3 メタバースのビジネスモデルとは?
デジタルツインのビジネスモデルは、ライセンス提供、システム開発です。メタバースプラットフォームのビジネスモデルは、ヒト(アバター)、モノ(デジタルコンテンツ)、カネ(独自通貨)の最大化にあります。
1-4 メタバースプラットフォームとセカンドライフのちがいは?
セカンドライフは、ユーザによって創られたインターネット最大の3D仮想世界であり、仮想世界上でヒト、モノ、カネのエコシステムが成立しているという点でメタバースとも言えます。しかしながら、ヒト、モノ、カネという点では停滞しています。
1-5 Web3 とは?
ゲームプラットフォームで利用される独自通貨は、ほかの通貨との互換性がありません。こうした互換性を確保するのが、暗号資産(トークン)であり、このトークンを活用したトークンエコノミーによって、これまでの集約化したWeb2.0から個人へのコントロールを戻すWeb3を実現します。
第2章 バースのプレイヤーメタとエヌビディア
まとめ
2-1 メタバースビジネスのプレイヤー
メタバースは、仮想世界と現実世界をデジタル化するB2B対象のデジタルツインならびに仮想空間をB2C向けに提供するメタバースプラットフォームの2つに分けることができます。
2-2 メタによるメタバースプラットフォーム
フェイスブックを運営するメタ社は、フェイスブックの広告収入は安定していますが、DAUが伸び悩んでいます。そして、こうした伸び悩みを断ち切る次の一手が同社のメタバースプラットフォームであるリアリティラボ事業です。
2-3 メタが定義するメタバースプラットフォーム
リアリティラボ事業において、メタが提供するメタバースプラットフォームは、①プレゼンス、②アバター、③ホームスペース、④テレポーテーティング、⑤インターオペラビリティ、⑥プライバシー・セキュリティ、⑦バーチャルグッズ、⑧ナチュラルインターフェースであり、ほかのメタバースプラットフォー ムにおいても当てはまる指標です。
2-4 メタはリアリティラボ事業を収益化できるか?
リアリティラボ事業でのメタバースプラットフォームであるホライゾンは、現状ユーザ数は30万ユーザと限定的です。収益化にあたっては、ユーザ数の拡大によるネットワーク効果の提供にあります。
2-5 デジタルツインとエヌビディア
エヌビディアは、GPUを設計・販売を手掛ける会社であり、GPUなどのハードウェアに加えて、GPUで動作するシステムソフトウ��ア、プラットフォーム、アプリケーションまで一気通貫で提供します。
2-6 オムニバースとデジタルツイン
デジタルツインは、物理オブジェクトとデジタルオブジェクトをモニタリング、フィードバックすることで物理とデジタルの双子を作ることです。エヌビディアのデジタルツインであるオムニバースは、このデジタルツインにおり工場の仮想化などを手掛けますが、その価値はデータの蓄積にあると言えます。
第3章 メタバースのビジネスモデル
まとめ
3-1 メタバースプラットフォームのビジネスモデル
メタバースプラットフォームにおいては、ヒト、モノ、カネのエコシステムを構築することがポイントです。そして、すでにゲームプラットフォームではこうしたエコシステムが構築されつつありこれメタバースプラットフォームに進化すると見られます。
3-2 デジタルツインプラットフォームのビジネスモデル
デジタルツインは現実世界を仮想世界に変換することであり、この変換はリアルタイム3D変換であり、ゲームエンジンが得意とするところです。したがって、デジタルツインプラットフォームの中核はゲームエンジンです。
3-3 ロブロックスのビジネスモデル その1 ヒト
ゲームプラットフォームを提供するロブロックスのプレイヤーは、ソーシャルであり、プレイヤーが友達を呼んでコミュニティを増やす。これが奏功して米国では10代の6割がプレイしています。
3-4 ロブロックスのビジネスモデル その2 モノ・カネ
ロブロックスでは、プレイヤーは独自通貨ロバックスでアバターパーツなどを購入できます。そして、このアバターパーツといったコンテンツの質・量を上げることが重要であり、ロブロックススタディオといった開発ツールを提供するなど開発コミュニティ作りが基礎になっています。
3-5 デジタルツインプラットフォーム ユニティのビジネスモデル その1
現実空間を仮想空間にリアルタイム3D変換を実現するデジタルツインにおいて重要な技術要素がゲームエンジンであり、ユニティとリアルエンジンが主なプレイヤーです。
3-6 デジタルツインプラットフォーム ユニティのビジネスモデルその2
ユニティはゲーム向けにゲームエンジンをライセンス方式で提供しますが、この技術を応用して建設、自動車、映像向けのリアルタイム3Dを提供することが今後の成長の柱です。
第4章 NFTとWeb3
まとめ
4-1 NFT とメタバース
メタバースには、自社で完結するクローズ・メタバース、外部と連携するオープン・メタバースがあり、NFTは後者のオープン・メタバース上でモノ(デジタルコンテンツ)とカネ(暗号資産、トークン)を取引する仕組みです。
4-2 非代替性トークンとブロックチェーン
ブロックチェーンは、第3者の権威に依存することなく正当性を保証する仕組みで、具体的には、PoW(プルーフオプワーク)、仕事の証明によって実現します。そのブロックチェーンにつなぐのがトークンであり、ビットコインのような代替性トークンとNFTに代表される非代替性トークンがあります。
4-3 NFT のプレイヤーとサンドボックス
NFTのプレイヤーで欠か��ことができないのが、NFT取引所(マーケットプレイス)です。ゲームプラットフォームを提供しているサンドボックスでは、土地(ランド)をNFT化して、利用者はその権利を購入することができます。
4-4 トークンエコノミーとは?
サンドボックスでコンテンツの売買をするのはSANDというイーサリアムに基づいた仮想通貨(トークン)です。SANDはコンテンツの売買に加えて、投票に参加できるといったステークもあり、SANDを中心としたトークンエコノミーの確立を目指しています。
4-5 Web3とOpenSea
Web3とは、これまでは大規模サイトに集約されていたWeb2.0から、個人が分散されたサイトにアクセス、決済する仕組みでサイト独自のID、パスワードはなく、特定のサイトに依存せず個人のデジタルワレット決済します。
4-6 OpenSeaに見るNFTの課題
NFTは誰でもミントすることが可能であり、敷居が低い反面、剽窃・マネしたものがNFTとして出品されることは多いです。こうした剽窃が広まれば、コンテンツクリエーターがNFTを出品するモチベーションも低下する恐れがあり、AIの導入などサイトでもチェックする仕組みの導入が考えられます。
第5章 世界のWeb3企業
まとめ
5-1 世界のメタバース・Web3 企業
今後のメタバースWeb3について考慮すべきなのが、インフラとコンテンツです。メタバースのインフラはリアルタイム3Dが中心でしたが、そこからWeb3に向けてトークンエコノミーがインフラとして整い、コンテンツもそれに沿って、ゲームに加えてNFT、De-Fiが増えていくと見られます。
5-2 デジタルコンテンツを展示するディセントラランド
ディセントラランドは、デジタルコンテンツの展示をメインとした仮想空間です。そして、展示するためのスペースであるLANDが中心となり、そのLANDの売買、デジタルコンテンツの展示を実施します。
5-3 アバターを自動作成するレディプレイヤーミー
レディプレイヤーミーは、ユーザが撮影した写真からアバターを生成するサービスであり、そのアバターで他のメタバースでの利用、3Dモデリングファイルとして利用といった用途があり、今後は、デジタルストアでの販売が視野に入ります。
5-4 セカンドレイヤーを実現するポリゴン
イーサリアムには1秒に15回しかブロックを処理できないという課題があり、それを解決するのがセカンドレイヤーを提供するプラズマ・ブロックチェーンです。ポリゴンネットワークでは、このプラズマ・ブロックチェーンをいち早くシステム開発して、サービスを提供しています。
5-5 MetaMask を運営するコンセンシス
コンセンシスは暗号資産ワレットであるMetaMaskを提供している企業です。直近での評価額は66億ドルまで上昇しており、その価値の源泉は、イーサリアムのワレットとしてMetaMaskが標準的に利用されていることです。さらには、ワレットを通じて他の暗号資産とスワップする際の手数料が今後のワレット利用に伴い大きく増加することが、同社の価値の源泉と言えます。
5-6 育成ゲーム アクシー・インフィニティ
アクシー・インフィニティは、ポケモンのような育成ゲームの一種です。アクシーを育て、戦わせて、繁殖して、独自暗号資産SLPを稼ぎます。ルールは改訂されましたが、これまでのPlay To Earnで大量のSLPを発行してしまったため、SLPの価値が下落し、これをどう戻すかが課題です。
第6章 日本企業に向けたメタバース・Web3活用―5つの提言
まとめ
6-1 メタバース Web3 を活用する5の提言
日本企業には、コンテンツ、インフラそしてメタバースWeb3という点において、多くの活用の方法があります。
6-2 メタバース・Web3 活用提言1-デジタルツインはCPSから
デジタルツインは、物理空間を仮想空間にモニタリング、フィードバックする仕組みであり、今後、ますます進化する領域とみられます。ポイントは、アナログをデジタルに変換することであり、CPS(サイバーフィジカルシステム)を活用することが第一歩と言えます。
6-3 メタバース・Web3 活用提言2-バーチャルは避けて通れない、まずは身近なところから
企業がメタバースプラットフォームを利用する動機は、そのプラットフォームが賑わってからです。ナイキは、こうした思惑からロブロックス上にナイキランドを設置、仮想空間には他のメディアではリーチできないターゲットにリーチするメリットがあり、バーチャルは避けて通れないと言えます。
6-4 メタバース Web3 活用提言3-土地選びはトークンの賑わいを測 るところから
Web3におけるトークンエコノミーにおいて売買される対象の一つが土地であり、購入した土地でゲーム提供、展示をします。どの土地がよいかですが、それは取引ボリューム、時価総額といった賑わいを罵ることから始めるべきでしょう。
6-5 メタバース Web3 活用提言4-NFTは次のECにハイブリッド型NFTから
NFTは、スマートコントラクトという形で、誰でも簡単に作成、販売することが可能で、そのお手軽さはEC以上であり、NFTはWeb3時代のECになり得ます。ただし、誰でも出品できる分、剽窃の課題があるので、企業が利使用する場合、第三者のお墨付きによるハイブリッド型NFTが現実的と言えそうです。
6-6 メタバース Web3 活用提言5-ステーキングは新しい運用手段に
トークンエコノミーは、すべてのステークホルダーにとって何かしらのメリットを追求する仕組みです。そして、トークン保有者にとってのメリットがトークンを保有するだけで、報酬を取得できるステーキングです。もちろん、ランダムな要素もあり、確実な利回りは保証できませんが、日本企業にとっては、ステーキングが新しい運用手段になる可能性があります。