紙の本
真実は水底の死体のようなもの
2021/02/20 22:10
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投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史には、どうやら「個人の体験できる範囲を超えたものを語る」という性質があるようだ。歴史の成立には、もう一つ、非常に重要な条件がある。それは、事件と事件の間には因果関係があるという感覚だ。
歴史は物語であり、文学である。いいかえれば、歴史は科学ではない。
でも、科学の手法を用いて、真実を導き出すことを続けないと、歴史ではなく、文学・物語となって落ちていくことになる。よく「歴史修正主義」という言葉が使われる昨今。真実を導き出すという視点をもっていれば、いくらでも歴史は修正されるべきで、そこには、論争があるべきだと思う。論争もせずレッテル張りをやっているのであれば、それは歴史というものをわかっていないか、利用しようとしているかのどちらかではないだろうか。
紙の本
もう随分の前からのロングセラー
2019/01/31 21:31
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投稿者:ともクン - この投稿者のレビュー一覧を見る
陰謀論者の副島隆彦氏も私淑している東京外大のモンゴル史の岡田秀弘氏(少し前に故人)のロングセラー本。それほどの極論もなく、最近の歴史ブームの中では、比較的落ち着いた雰囲気のまっとうな内容だと思えた。この本でさわりを触れている中国文明や、倭国・アジアについての各論も、既に新書や文庫になってロングセラーになっているので、そちらも併せて読んだ方がいいようだ。京大系の内藤湖南や宮崎市定らの流れより(最近はそちらの方が評価は高いようだが)、どちらが信用できるのか、要検証。
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作られる歴史の姿について書かれた本です。
まさに記録されていく「歴史とはなにか」について考察する本。
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そもそも歴史ってなによ?
ということが簡単な文章でつづられている。
「人は歴史にファンタジーを求めている。」
という指摘にギクリ。
いいじゃん・・・夢見たって。
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負け惜しみの「中華思想」とは名言ではないでしょうか。国民国家の説明がまた分かりやすかったです。これから歴史がもっと楽しめそう。
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大学入試の論文勉強用にみっちり暗記した本。
歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのである。
歴史を学ぶ人は必ず一度は読む本。
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一般的に歴史とは何かというのが書かれています。歴史とはどのようなものか知りたい人は読んでみると面白いと思います
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歴史に関する深い考察。
歴史=人間の住む世界を時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営みのことである。
歴史の成立する前提条件は①直進する時間の概念、②時間を管理する技術、③文字で記録を作る技術、④ものごとの因果関係の思想
の四つが揃うことである。
隣国との関係で歴史を共有することは難しい。なぜなら権力の正当化が歴史の本来の使命であるからだ。
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-my bookdarts-
歴史は、人間の住む世界の説明である
時間と空間に沿い、一個人の体験を超えて把握すること
インド文明は「歴史のない文明」である
輪廻・転生という思想
もう一つの歴史の重要な機能とは、「歴史は武器である」という、その性質のことである。文明と文明の衝突の戦場では、歴史は、自分の立場を正当化する武器として威力を発揮する。
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[ 内容 ]
世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。
日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。
世界は一定の方向に発展しているのではない。
筋道のない世界に筋道のある物語を与えるのが歴史だ。
「国家」「国民」「国語」といった概念は、わずかこの一、二世紀の間に生まれたものにすぎない…などなど、一見突飛なようでいて、実は本質を鋭くついた歴史の見方・捉え方。
目からウロコの落ちるような、雄大かつ刺激的な論考である。
[ 目次 ]
第1部 歴史のある文明、歴史のない文明(歴史の定義 歴史のない文明の例 中国文明とはなにか 地中海文明とはなにか 日本文明の成立事情)
第2部 日本史はどう作られたか(神話をどう扱うべきか 「魏志倭人伝」の古代と現代 隣国と歴史を共有するむずかしさ)
第3部 現代史のとらえかた(時代区分は二つ 古代史のなかの区切り 国民国家とはなにか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「歴史」というものについて考えさせらる一冊。
牽強付会的な部分も感じられるが、新しい歴史認識を与えてくれる。
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納得します。全てを突き放した感じで論が進められているのに すがすがしさと気持ちよさを感じた。歴史というものを第三者的に見るなら やっぱりこうあってほしいな なんて。私はまるめこまれているだけなのかもしれないがww 一読に値します、お勧めします。同情じゃない意味でアジア(日本含む)が哀れで仕方なくて、涙出そうでした。
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結局、学問とは原理を指し示し、そこへ導く営みであることがよくわかった。つまり学問の最終形態は数学と宗教に辿り着く。ザ・原理。岡田英弘の主張には鉈(なた)のような力が働いている。まさしく一刀両断という言葉が相応(ふさわ)しい。
http://sessendo.blogspot.com/2011/10/blog-post.html
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facebookでの知り合いの方からの推薦で読んでみた本です。
はるか昔に読んだE.H.カーを思い出すタイトルですね。とても抽象的なだけに、かえってどんな内容だろうかと興味がわきます。著者の岡田英弘氏は、東京外国語大学名誉教授、中国・日本古代史の専門家です。
本書での著者の主張はかなり刺激的です。マルクスの唯物史観からの発展論的思考の否定は他にもみられる論ですが、それ以外にも日本の天皇制の起源・歴史の時代区分・「国民」「民族」の発生過程等々、種々のテーマに関する興味深い論考が目白押しです。
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歴史を読む・書く姿勢について、言及した本。
最近、歴史解釈が政治問題に発展するニュースを見るにつけ、非常に不快な思いをすることがある。
歴史が、イデオロギーや政治的解決、合理的とらえかたなど、歴史に対する冒涜があたりまえのように行われているからだ。
この本では、歴史に対峙するときの心得を、様々な歴史記述例を基に、説明している。
日本の歴史書(古事記・日本書紀)にも非常に辛辣なのは、残念。
もっと勉強しろってことだな、たぶん。