紙の本
「あの日」のこと
2011/06/26 00:19
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
「野鳥・家庭菜園・猫・方言から、わんこそばやカマキリや夕焼けやガスタンクまで、“日常”のすべてをネタに綴られる北東北ベッドタウン・身の丈ワイルドライフ!」(HPより)
いつもは、身の回りの(どうでもいいような)事をネタにしているが、「“日常”のすべてをネタに」しているからこそ、今回は、3/11の「あの日」の事も書かれている。
・・・というより書かない訳にはいかなかったのだろう。
印象に残ったのは、
「私には少しも壊れていない家があり、家族・友人も皆、無事で、ガスも水も食料も暖かな布団もある。
なのに怖い。
快適な文明生活なんて、うすっぺらい金魚鉢のようなものだと気付いてしまったことが怖い」
という部分。
大雪が降っただけで、東京の交通網がマヒするのだから、それよりスゴイ事が起きたら、どうなるかぐらい、想像できてもよかったのだが、そんな事は起きるわけないと、どこかで思い込んでいたのかもしれない。
東日本大震災が起きた後や、その後の計画停電で、いかに電気に頼りきった生活をしているのか、と思い知った。
その時、感じたのが「夜の暗さ」と「月の明るさ」(計画停電があった時のうち、1回は満月だったので)「機械の動く音のしない家の静けさ」だった。
作品中の言葉を借りれば「快適な文明生活」を築いたのではなく「別世界に閉じこもった」だけなのかもしれない。
作者は、それでも日常を取り戻そうと自分の役割を務める人々を見て、自分もまた「普通の日常」を描いていこう、と決心する。それが自分の「役割」だから。
今回は「あの日」の事が描かれていたので、そこのみの感想を書いてしまったので、深刻な話ばかりの印象を与えてしまったかもしれないが、実は震災の話は、ごく一部のみ。
99%は、いつもの「とりぱん」である。
紙の本
3.11
2017/03/29 00:07
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者さんのあの日の体験が描いてある11巻です。自分が立っている地面も 当たり前のはずの生活も脆い代物だと気付かざるをえない巻でした。巻末の猫とカモの漫画 素敵すぎです。
紙の本
大好きだ
2015/11/09 21:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:へっぽこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの日の話を読むとやっぱり泣いてしまう。
内陸の人もこんなに大変だったんだな。
それすらも日常に変えて差し出してくれるこのお話がとても好きです。
声高に喚くのでなく、身の丈に合った誠実さで地に足をつけて歩く感じが心地よい一冊。
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盛岡のご近所に住んでる漫画家さんの、鳥マンガ11巻目。
震災の記も載っていて、寒さの中暗闇に震えた事も思い出しました(〃´・ω・`)ゞ
それでも、鳥達は変わらない日常を過ごしてゆく…
真似して、しばらく鳥に餌つけをしてましたが、あまりの糞被害に挫折ヾ(・ω・`;)ノ
相変わらずどんくさいつぐみんは可愛いし、巻末の野良猫と鳥の友情物語にはうるっときました。
心がじんわり温かになりたい時にオススメ。
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あの地震の後、なん子さんはご無事だろうか? お兄さんのご家族は? 従姉妹さんは? ととても気にかかっておりました。
で、この新作で無事を確認。
あんなに多くの方が被災されているので、手放しでよかった、とは言えませんが、それでもご無事でようございました、と言わせてもらいたいです。
地震の前後のお話も描かれていて「津波を見た」とつぶやくお兄さんの表情が・・・。たくさんの教え子さんたち、お友だちがいた町が津波で消えてしまった・・。
でも、日常を取り戻すために動きだす人々。そして、なん子さんも「普通の日常を描いていこう」と机に向かわれる姿が尊いと思いました。
・・・・・また、今回は、野鳥に餌付けをする是非(というか、後ろめたさ?)がかなり前面に出ていて、あれれ??という感じ。行政が餌付け禁止としたり、(鳥インフルエンザの関係かと思ったら、一か所で大量死されると困るから“散って”ほしい、ってどういう意味???)、自然が一番、と謳う人々がいたり。自然が元の自然ではないのだから、人間が手助けしてあげるのはアリなのでは?と私なんかは思うんですよね。
なん子さんの日常は相変わらず。鳥たちはたくさんの物語を提供してくれて嬉しいし、北東北の季節の描写が楽しいです。
私はお母さんと従姉妹さんのファンなので次号では出番を多く作ってください!とここでリクエスト。
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ワタシたちは自然と共に生きている。そして、ワタシたちや生き物たちを生かしてくれているこの地球もまた生きているのであり、時としてこんな震災を起こす。それでも鳥たちの営みはいつもどおりなのに、人間たちは停電や燃料不足であたふたしてしまう。自然と共に生きる、なーんてきどってみても、こんな大地の驚異を目の当たりにしてしまえば、それはなんておごり高ぶった考えだったのだろうか、と思い当たって愕然としてしまう。
岩手山を見て、高松の池を歩いて、鳥や生き物たちとのいつもの生活がいつも通りに綴られているこの巻の中に突然飛び込んだ“震災の記”を読み、あの時の自分の不安と悲しみもよみがえってきた。あの日以降、日常はすっかり異常となってしまったが、それでも自然はまだ美しく、いとおしい。それを強く思いたい。
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自分の住んでる街にこんなに生き物がいるんだなーと、とりのさんの「鳥眼」「虫眼」にいつも感動する。いつもの鳥4コマに加えて、「震災編」を収録。著者は盛岡在住なので、自分もあの日以来のことを思い出しながら読んだ。
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癒されます。
読み終わった後は野鳥を探してしまいます。
東北在住の漫画家さんなので、
安否が心配でしたが、新刊が読めて嬉しかったです。
この巻では少しだけ震災の事も描かれてました。
お兄さんの話には泣きました。
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電気が付いてテレビを見ることができた直後の1コマについての感想を書きます。
作者とどのくらい同じ気持ちになってるかはわかりませんが、95年の阪神大震災のときにとても似た経験をしました。出張で大阪にいたところ、早朝に大きな揺れが。昼前まではテレビもごく限られた情報を繰り返すだけで、同時並行で起こっている最悪の事態については、まだその時点では知るよしもない。
東京へ帰るためにホテルを離れてからは、情報からは隔絶された状態に。こちらも交通機関の動向を聞きまくるなどに追われ、ニュースなんかは見ることができなくなり、一切インプットなし。
ようやく伊丹空港にたどり着いて東京行きの飛行機にキャンセル待ちで潜り込めたのが夕方のこと。シートに座って、機内のテレビ画面でニュースを見たのが8時間ぶりといったところ。「死者・行方不明合わせて3000人」って何よ? 大阪市内で動いている範囲では人的被害のことは意識するようなことはなかったので、個人的に情報が空白になっている間に想像もつかないことが起こっていたのかという驚きと、そんなにひどかったのかという恐怖と、そのことを何にも知らずに自分が帰る手段のことしか考えてなかった自分に対して恥じるというか、怒るというか、「何やってたんだよ、オレ」的な感情とがごっちゃになり“塊”となって頭の中を渦巻くという一言では言い表せない感じがありました。
今回は自分はずっとテレビを見ていられたのでそんなことはなかったのですが、あの1コマを見て、作者もあんな感じだったのかもなーと思いました。大きなコマなのに、言葉での説明は何もなし。その描きようが、自分の中にあった複雑な“塊”を表してくれたような、そんな気がしたのです。たった1コマですが、あれだけのことを追体験させてくれる、インパクトの大きな1コマでした。
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大好きなとりぱんである。
この漫画を読み始めてから数年…ついに身近な鳥を観察するようになってしまった。野鳥にはまるで興味なかったのに。
影響力は絶大。
漫画エッセイの舞台は北東北なので冬の風物は「ある、ある」の共感が多いが、地域の違いをじるものもあり、いつも興味深く読んでいる。
この巻だと、冬の匂いや雪の幻の光はよぅく分かる!ので嬉しかった。
また野鳥の保護についての意見もこの巻では随所で語られ考えさせられた。
そして3月11日、震災の記も収録している。広い地域が被災し様々な形で影響があったことが実感をともなって静かに描かれる。
津波が来るのを見た
という作者兄のひとコマで涙がこぼれた。
更に昨年のサイン会用に用意されたという100コマまんがも収録。
作者の人柄を感じる一冊でした。
「とりぱん大図鑑」なるものも発売されたそうで…要チェックや。
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エッセイ的な作品を描いている人はやはり避けては通れない東日本大震災のお話。それが2話入っております。特に作者は東北に住んでいる事を作中でも描いていたので心配しておりました。
ご本人や家族は被害にあわれていないのですが、漠然とした不安とかいろいろ思うところを短いページに潜ませていて感慨深かったです。
その2話と巻末のサイン会のおまけ以外は通常のとりぱんです。
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第11巻の帯に書いてありました。
―その日。―
2011年3月11日、北東北はこんな夜を迎えていた
著者は岩手県盛岡市在住だそうです。
近所には自然がたっぷりとあり、気ままな鳥たちとのやりとりをエッセイ風に描いてある本ですが、この章だけは震災に触れてありました。
とりぱんを読むと
自然が好きになる
野生の生き物たちが愛おしくなる
人間の傲慢さを思い知らされる
そして、絵画のようなラストシーンに心がいやされる――
巻末の「100コマまんが」は、サイン会のとき1人に1ページ(=1コマ)ずつ配られたものだそうです。
ノラ猫が主人公のお話ですが、すっごく いい。
うるりときます。
この猫が主人公のマンガとか描かないかな。
でも・・・・これで終わるからいいのかもなぁ。
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とりのなんこも被災者の一人で、作品中にも、其に纏わる話が出てくる。彼女の兄は、確か海岸線の小学校の教師だった筈、どうだったんだろう?まだ、読んでないけど。
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日常の四コマと、最後の心象風景のようなのページとのコントラストが面白い。
主にそのときあった出来事をネタにしているので、11巻は震災のエピソードが1話程挿入されている。
野鳥たちの日常が、私たちとは根本的に違う事を改めて感じさせてくれる重大なエピソードだと思った。
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とりぱんを読むようになってから、鳥を見かけるとつい目でおってしまう…んだけど、何ていう鳥かが分からない。ちょっぴり残念。
『とりぱん大図鑑』、早く増刷されないかなぁー(9/13現在、売り切れで入手できず)
最近は、まるちゃんきんちゃんの動向も楽しみのひとつです。