紙の本
細かく情報が著されているのが良かったです。
2022/12/24 10:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
目下、日本経済を襲っており、今後影響が強くなるであろうスタグフレーションについて、著者が基礎から懇切丁寧に説明している1冊です。
大学の経済学基礎の講義のように説明しています。特に、最近値上げした商品のリストを事細やかに表記しているなど、細かい情報がしっかり著わされているのが、親切で良かったです。
紙の本
今回、スタグフレーションが来れば厳しい
2022/11/01 19:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は経済系の記者の経験を経て、投資ファンド運用会社やコンサルティング業務に従事し、研究者というわけでないが、読者に分かりやすく経済事象を解説している。最近でも「貧乏国ニッポン」、「国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶」、「縮小ニッポンの再興戦略」等がある。
2022年に入って、ガソリン、食料品等々の多くの商品で値上げが続いており、まさにインフレの様相を呈しているが、数年も前から専門家といわれる人の多くが「デフレ」を大合唱し、これからの脱却を唱えていた時から、著者は現在の情況を予測・発表してきた。
本書は、さらに急激な円安という特殊要因が加わり、日本はさらに厳しくなっていると指摘し、不況下のインフレという、スタグフレーションに陥る可能性が高いと言う。そもそも、インフレはコントロールが難しく、スタグフレーションともなると打つ手が見出しがたい。
目次を見ると、
はじめに
第1章 インフレの到来
第2章 モノの価格はどう決まるか?
第3章 円安がインフレを加速させる
第4章 オイルショックから学ぶ
第5章 インフレとスタグフレーションの仕組み
第6章 スタグフレーション時代の生活防衛術
おわりに となる。
政府はなかなかインフレやスタグフレーションと言いたくないだろうが、こう賃金が上がらず、年金額は減額の繰り返しで物価だけが上昇する状況を見ると、すでに警戒時期に来ていると思われる。スタグフレーションについてもわかりやすく解説されている。単に解説書と見るには勿体ないと思う。この用語の説明だけでなく、物価上昇の4つ要因や世界人口の増加(日本では人口減の時代だが)や中国等で生活水準の向上も含めて需要増加の動向も押さえる。単にウクライナ侵攻で原材料価格が上昇したという話ではない。金融政策では、世界的な金融緩和が進み、そのマネー回収時期に入っているという問題や円買いの状況の変化等々、学ぶことは多い。
スタグフレーションは、日本ではニクソンショック、オイルショックを経て、陥った歴史があるものの、それを切り抜ける条件があったものの、現在はその条件がないことが問題となっている。個々人にとって、今や単純な節約で乗り切れるものでなく、これまでとは異なる対処が必要となっていることを提起されている。ある意味、予言書ともなっているが、「予言の自殺」を願いたい。この書を一読され、さらに専門書にとも思う。
電子書籍
スタグフレーション
2022/10/30 15:09
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
スタグフレーションの意味は知っていました。
この本を読むことで、スタグフレーションが発生するメカニズムを理解することができました。基本的なレベルの本ですので、すぐに読めます。
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何年も前から日本では、スタグフレーションが起きると言われていたが、ついに現実ものとなってきている。スタグフレーションとは何か、今何が起きているか、今後どのようなことが起きるか概説されている。世界人口は、2022年11月には80億人を超え、これまで途上国と言われてきた国は経済成長し、ますます消費を行う。一方で「地球資源」と呼ばれるものはどんどん枯渇している。これからの世界は不可逆的に需要過多に陥っていく中、今後物価が下がるわけもない。
あとは筆者の生活防衛術は興味深い。「自家用車は抜本的な見直しを」と「家賃は上がらない」という指摘と予測がある。自分もこれには同意する。
世界的な大都市部の家賃高騰の一方で、日本は人口が減少しどちらかというと土地余りが発生することが予想されるので、移民を大幅に増やすことがない限りは住宅は供給過多が続くことが予想される。むしろ空き家問題の方が深刻な気がする。つまり多くの人々にとっては、ますます地方に住むメリットがなくなっていくと思う。個人的な希望としては、人が利用するがなくなった土地は、森林に帰すなり、生物多様性保護区にするなりしてほしい。
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4
リーマン・ショックから立ち直るため
大量のマネーを市場に供給する量的緩和策を実施
マネーが市場に大量供給されれば、インフレが進みやすくなる。
根本的な需要過多の状況に大量のマネー供給が加わり
さらに感染症や戦争が重なったことで
インフレが加速
米国など諸外国では
景気は過熱気味に推移 → 物価上昇
↓
金利を引き上げて景気を冷やして物価を抑制する
米国は
金利引き上げペースを加速
景気を犠牲にしてでも、物価を抑制する
ところが、日本では、それはできない
不景気が長く続いて
国内経済は、低金利が大前提となっている
急に金利を上げると
景気が一気に悪化する可能性があり
諸外国のように、高金利政策はできない
恐ろしいのは
不景気下でのインフレーション、つまりスタグフレーション。
経済がスタグフレーションに陥った場合
ほとんどの経済政策が効果を発揮しなくなり、回復は困難になる。
スタグフレーションは、もっとも回避すべき事態。
6
日本は、過去30年にわたって、デフレーションが続いてきた
16
2022年の春以降
食料品を中心に、多くの商品価格が値上がり
18
不景気下なので、値上がりができず、ステルス値上げをしてゴマかしている
22
企業は、コスト上昇分を吸収できるまで
10%程度の値上げを何度も繰り返す可能性が高い
25
電気、ガス、ガソリンは、消費者に選択肢がないので、勝手に、価格を値上げする
29
現実社会とのズレ
黒田日銀総裁の失言2022.6.都内で公演
「日本の家計の値上げの許容度も高まってきている」
国民から批判が殺到、ネットが大炎上
32
2.4%の物価上昇で、家計の負担は?
多くの世帯で赤字になる可能性が高い
34
物価上昇 4つの要因
① 原油や食料など一次産品の値上がり
② 世界的な需要の拡大
③ 米中対立やウクライナ侵攻など地政学的要因
④ 量的緩和策によるマネーの大量供給
今回のインフレは、①
2015年以降
原油価格は、1バレル 50~60ドル程度
2020年前半
コロナ危機による下落を経て
2021年より本格的な価格上昇
2022年 100ドル超えが日常的になった
35
さらに激しく値上がりしてるのは、天然ガス
36
エネルギー価格が上昇すると、食料価格も上昇
37
世界の需要は拡大の一途
一連の物価上昇の最大の要因は、全世界的な需要の拡大
中国を筆頭に、東南アジアなど新興国の経済成長が著しく、全世界的な需要は増える一方
社会が豊かになれば、エネルギー消費は増える。
今後は
中等やアフリカなどでも、社会が豊かになり、エネルギーや食料の需要は増大する
全世界の需要拡大は、2010年頃から顕著になってる
供給が追いつかないリスク���すでに認識されてた。
42
インフレーションをさらに悪化させているのが
④ 量的緩和策による全世界的なカネ余り
日本を除く各国は、量的緩和によって、景気回復を実現してきたので、物価上昇があっても、そこまで大きな問題にならなかった。
その分、経済も成長し、賃金も上がっているので
45
日本はすでにスタグフレーション
日本の場合は、インフレによるコスト上昇に加え
円安という特殊要因が加わってる
日銀が量的緩和策を継続し、低金利政策を維持する限り、円安が進む可能性が大
エネルギーや食料に加え
スマホや家電など工業製品についても、輸入に頼るようになってしまった
55
ガソリン価格と同様に、電気料金、ガス料金も、原油価格に連動する
70
マンション価格も値上がり
一部メディアは、外国人を含む投資家が投機目的で買い漁っていると報道してるが、正確ではない
購入層の大半は、自己居住目的
76
円安がインフレーションを加速させる
円安が進んだ最大の理由は
日米の金融政策に大きな違いがあり
両国の金利差が拡大すると予想されるから
リーマン・ショック以降
各国の中央銀行は、国債を積極的に購入し市場にマネーを供給する量的緩和策を実施してきた
日本以外では
それなりの効果を発揮し、景気は順調に回復した
FRBは、2022.8.時点で
量的緩和策を完全に終了し
金融正常化に向けて、利上げを開始した
日銀は、依然として、量的緩和策を継続
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#スタグフレーション
#生活を直撃する経済危機
#加谷珪一
22/9/30出版
景気停滞と物価上昇のスタグフ日本
この状況前に考えたライフプランでいいのか?、という不安が増す
読んでリスクヘッジしなければ
#生活防衛
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3Slpt5Y
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スタグフレーションとは、不況下のインフレ。この言葉は以前から知っていたが、円安が進み、輸入品の値段が高騰して物価が上がる一方、賃金が上がらない日本の現状はまさしくスタグフレーションの恐れがあると筆者は説く。
この本はスタグフレーション時代にいかにして生活を守るかという観点から書かれているが、価格決定の仕組みや為替の影響、オイルショックとの対比、重要曲線と供給曲線など経済全般にわたり、幅広い基礎知識も紹介されている。
そのため、大学時代に学んだ経済学や新聞から知った知識のおさらいになる事項が多かった。
あらためて勉強になった事項を以下にピックアップしておく。
・国内にあった工場の多くが海外にシフトしているため、現地で得た外貨を日本に送金せず、円買い需要が少ない状態が続いている。
・日本経済の地位低下で日本円が安全資産とは見なされなくなってきている。
・過度な円安防止に対し為替介入は手持ちのドルを放出し、外貨準備を減らすため、金利を引き下げるしかない。
・インフレが進むと銀行預金や現金は価値が下がるがじわじわ進むため、日常生活では、それをなかなか実感できない。
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第二次オイルショックに感じが近い、か、ふむ。
後は、セントラルバンキズムとドル離れの行方も気になるね。
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不況下のインフレがスタグフレーションだとのこと。
実際、多くの商品の値上げが続いている。生活を直撃する経済危機にどう対処していくべきなのか。
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2023.10.11
本書の指摘するように、スタグフレーションに陥いる可能性が高いのが今日現在の状況だと思う。
ロシアのウクライナ侵攻は終わらないうえに、おとついからハマスによるイスラエル奇襲とその反撃。
世界は不安定化する一方で、アメリカの金利は高止まりである。投資家は利下げへの転換を期待するがそのシナリオはあまりに楽観的にすぎる。
ひるがえって日本は平和ボケの上に物価上昇に賃金上昇が見合わず、実質賃金はマイナスのまま推移している。日本の株主は堅調だが、ちょっといいところどりが過ぎるのではなかろうか。
物価高が収まる兆しなく、賃金の大幅な上昇は見込めない。すると、やはりスタグフレーションの危機はあるのでは?
ハズレたほうが嬉しいがその危機感を持ったほうが良いのでは?