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みんなのレビュー19件

みんなの評価3.7

評価内訳

19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

巨大な魔に包まれた現代世界

2012/03/17 09:49

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

魔法は、魔法というものは、決して無から有を生み出すものではない。目に見えない存在を我々の前に現出させるものなのだと。かつては霊や悪魔や妖精の力であり、憎悪やもう一つの自我であったかもしれない。現代ではより強大な憎悪があって、例えば戦争という怪物を生み、さらに憎悪の連鎖は続いて、いつも僕らの身の回りに漂っている。それらを形にしてみせる魔法使いがチャイナ・ミエヴィルという作家なのではないだろうか。
かつて戦争あるいは憎悪は社会の外部から侵入して来るものであったかもしれないが、社会の境界線が自由の名の下に溶解すると、境界線はしかし失われたりせずに日常のそこかしこに張り巡らされていく。宗教上のだったり、あるいは経済上だったりする対立構造は、そうやってヨーロッパ社会に蔓延したとミエヴィルは感じたのだ。激しい軋轢があるにせよ社会構造の中にうまく包み込めない場合には、ジャスミン革命やウォール街占拠という形で噴出したではないか。
そんな不安は表題作におけるロンドンの変容だったり、「鏡」の世界からの侵入者として表されている。とりわけ戦争、湾岸戦争が生み出した多大な憎悪は、砂漠の中に埋められたとしても、地上の土地という土地に遍在することになって、建築物の声が聞けるようになったという「基礎」の主人公の精神を犯している。コミックの原作を担当した「前戦へ向かう道」では、たしかに戦争が僕らの住む街並をも違って見えるようになることを描いている。
それでも僕らは今の世界の居心地の悪さも同時に感じており、「飢餓の終わり」という幻想、運動勢力の「仲介者」であったりするという幻想からも逃れられない。世界の有名都市のストリートが別の都市に忽然と現れるというストーリーは、チャイナタウンやコリアタウンといった明確な形を取らなくても、もっと日常的な小さな単位で各地のーーインドの、トルコの、アルジェリアのーー習俗が混交してしまっていることに起因する、やはりヨーロッパ社会に居着いた不安さが生む幻覚なのだ。「もうひとつの空」に現れる不安は、第二次世界大戦期に少年時代を過ごした記憶、それが人生を支配していたことの不条理であり、今世紀にまで及んで我々を覆う影の巨大さにはおののくしかない。
「使い魔」は古典的な魔法使いの小道具だが、しかし彼らは現実世界に素直に適応する。現代においてももちろん世界の実情に巧妙に適応するが、それに対比して凋落していく魔法使いの側への寓意を含んでいるように見える。一番面白いのはその現代使い魔同士の戦いだったりするが。「細部に宿るもの」(美しい言葉だ!)そして魔法はもはや表立っては継承されないが、いんちき臭い占い師などを経て平凡な人々に伝わっていく。
魔法、魔界、魔というのもは人間の中に棲むものだから、たとえ意識の上で忘れ去られようと消えてなくなるわけではなく、心の奥底に潜み、時には人類の共同体を覆うほどの力を発揮する。小さくなった地球ではより伝播しやすくなり、同時に支配され易くもなっている。ミエヴィルはそんな現代の魔の営みをミクロにもマクロにも、たしかに見つめているのだと思う。

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電子書籍

SF

2023/05/03 22:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

SFにしては、設定が、すごいです。海外では、SFにこういうお話が人気があるのですね…。中には良いお話がありますが、よく理解できないお話もけっこう有りました。最初の話と「鏡」は、良かったです

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紙の本

性格の不一致、ってこういうことを言うんだなって思いました。分からんです、理解出来んです、降参です・・・

2011/05/27 20:52

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

どうも苦手なんです、チャイナ・ミエヴィル。っていうか前衛的なSF。ま、ミエヴィルを前衛に分類するか? っていうご意見があるのは十分理解しています。例えば“バス=ラグ”シリーズ第一作『ペルディード・ストリート・ステーション』は、ごった煮的な混沌した世界を描いていましたが、ストーリーとしては前衛でもなんでもなかった。ただし、イメージの喚起力は生半可ではありませんでしたけど。

『アンランダン ザナと傘飛び男の大冒険』なんて、まさか作家がミエヴィルなんて思いもせず、ハリーポッターにちょっとアリスが入ってるファンタジーかなあ、なんて気分で読んで、凄さは感じなかったけれど、あとで『ペルディード・ストリート・ステーション』の作家だと知って愕然としたり、でも前衛なんて思いもしなかったわけです。

ところがです。この本、全く歯が立たなかった。タイトルはよかったです、『ジェイクをさがして』なんて映画の『ミスター・グッドバーを探して』(Looking for Mr. Goodbar)を思い出させるじゃありませんか(私、見てませんけどタイトルだけは知ってる)。雰囲気的には、古典的なSF風です。それにカバー画が凄い。しかもカバー折り返しのところに出ている絵?四枚が、注も何にもないけれど、超絶上手い。Jacket Art 鈴木康士、っていうことは日本人なんだ。Jacket Designは御馴染み岩郷重力+WONDER WORKZ。

で、カバー後ろの内容案内だって
        *
ロンドンは、どこからともなく出
現した謎の存在“イマーゴ”に幾
度となく蹂躙され、無秩序状態に
陥っていた。わずかに残った数千
人の市民は、レジスタンスを組織
し抵抗運動を続けていたが、容赦
ない攻撃を繰り返すイマーゴの前
になすすべもなかった……。グロ
テスクなイメージに彩られたロー
カス賞受賞の傑作「鏡」、世界の
終焉を迎えつつあるロンドンを彷
徨う男を描いた表題作ほか、英国
SF界の旗手による全14篇を収録
        *
とまあ、印象は悪くは無い。でも実際に読んでダメでした。14篇のうち、「ボール・ルーム」は単純なホラーとして楽しめました。それと「鏡」、これはお話が長いので、読んでいるとなんとなく内容がわかりそうな気分になります。ところがいつもなら何とか理解できるだろうコミックス「前線へ向かう道」も含めて理解できません。お話の要約も出来なくて降参。結論、私は起承転結がはっきりしない小説は苦手だ!

ということで、内容紹介抜きで、目次を原題と初出だけつけて写しておきます。

・ジェイクをさがして LOOKING FOR JAKE(Neonlit:The Time Out Book of New Writing,Volume1,ed.by Nicholas Royle,Quartet,1998)

・基礎 FOUNDATION(Neonlit:The Independent on Sunday"Talk of the Town"magazine,27 April 2003,ed.by Ian
Irvine)

・ボール・ルーム THE BALL ROOM(本書への書き下ろし)

・ロンドンにおける“ある出来事”の報告 REPORTS OF CERTAIN EVENTS IN LONDON(McSweeney's Enchanted Chamber of Astonishing Stories ,Ved.by Michael Chabon,Vintage,2004)

・使い魔 FAMILIAR(Conjunctions,39:The New Wave FDarbulists,eds.by Peter Straub and Brand Morrow,2002)

・ある医学百科事典の一項目 ENTRY TAKEN FROM A MEDICAL ENCYCLOPAEDIA(The Thackery T.Lambshead Pocket Guide to Eccsntric & Discredited Diseases,eds.by Jeff Vandermeer and Mark Roberts,Night Shade Books,2003)

・細部に宿るもの DETAILS(The Children of Cthulhu,eds.by John Pelan and Benjamin Adams,Del Rey Books,2002)

・仲介者 GO BETWEEN(本書への書き下ろし)

・もう一つの空 DIFFERENT SKIES(Britpulp!,ed.by Tony White,Sceptre,1999)

・飢餓の終わり AN END TO HUNGER(The New English Library Book of Internet Short Stories,ed.by Maxim Jakubowski,Hodder and Stoughtona,2000)

・あの季節がやってきた 'TIS THE SEASON(Socialist Review,291,December 2004,ed.by Peter Mogan,1998)

・ジャック JACK(本書への書き下ろし)

・鏡 THE TAIN(PS Publishing,2002)

・前線へ向かう道 ON THE WAY TO THE FRONT(本書への書き下ろし)
(画:ライアム・シャープ)

謝辞

訳者あとがき 日暮雅通

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2010/07/07 23:57

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2012/06/03 23:22

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2010/09/06 19:47

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2010/10/09 22:28

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2010/12/08 22:48

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2012/01/31 23:15

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2012/02/21 10:42

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2012/03/25 21:11

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2013/04/03 17:24

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2013/05/03 21:07

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2013/09/07 01:18

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