紙の本
SFミステリー
2022/12/04 04:40
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来に実現されそうな(もしくは段階的にされている)あれこれをテーマに、でもしっかりとミステリしてて面白かったです。
読む前は小難しかったら時間かかるかもって思ってましたが、結構すらすら読めました。
日本ではベーシックインカムが一番実現しなさそうだなぁなんて思ったり。
紙の本
人類の未来は
2022/11/25 12:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIで作られた保育士、遺伝子の組み換え、VRの浸透、難病の根治、ベーシックインカムの導入。今後の生活様式はどう変化していくのか?新しい技術は人間にとってメリットなのか、またベーシックインカムを導入はメリットなのか、人間に与える影響とは・・・・。
ちょっと想像した内容とは違いましたが、興味ある内容でした。もう少しベーシックインカムについての記述が欲しかった。
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以下はただの私見ですが。
SFが重要な要素となる1~4話はいわば最後の章の「前振り」なのかなと。
最終話で作家である「私」が書いた作品が入れ子式に登場してくる。しかしその内容はAIやVRといった題材こそ同じものの、内容は大きく異なり、かなり絶望的な内容であったよう。わが身に降りかかった不幸、そして追い打ちをかけるように直面した恩師の「裏切り」。それらが「私」にそのような本を書かせた。
しかし教授が自ら呼んだ警察に連行される時に云った言葉で「私」は悟ることになる。教授は何も変わっていなかったと。
そして進化する技術が人間をより豊かにする世界を祈った。
おそらく1~4話はその後の世界を描いたフィクションなのだろうと感じた。それは祈りの先の世界ほど明るくはないが、「私」の想定ほど絶望的でもない。とても「現実的」なものにも感じられた。
ここからは余談。
参考文献にルドガー・ブレグマン著の「隷属なき道」が紹介されていた。
のちに「Humankaind 希望の歴史」を書く人とは知らず読んだベーシックインカムについて書かれた本だ。
ベーシックインカムについては左右いろんな人が言及している。ブレグマンから小池百合子、果ては竹中平蔵まで。
日本では弱者に冷たく労働者をシバキあげる系の人たちがベーシックインカム導入を云っている印象がある。確かに人の善意を前提に制度を設計してしまうと早晩破綻してしまうのだろうけど、不正を働いても「割に合わないという、人の経済合理性」(p265)が機能すれば、それこそ現実的な選択肢の一つではないかなとは思っている。
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近未来の世海を題材にした小説。
言の葉の子らは、AI
存在しないゼロでは、遺伝子組み換え
もう一度、君とでは、AR
見に見えない愛情では、エンハンスメント
ベーシックインカムへの祈りは、ベーシックインカム
を題材として、ミステリーを絡めて展開していく。
個人的なお気に入りは、もう一度君と。二重のARで、ありがちな結果でしたが、楽しめました。
未来は、決して楽園でないと思わずにいられないのは、過去の歴史が物語ってきたからでしょうか。
技術の進歩は常に人の倫理観が伴うと思うと、ベーシックインカムの導入もまた考えてしまいます。
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急にAI要素が入ってきて戸惑った部分があった。
個人的な感想(本の内容とは逸れるかもしれないが)は、ベーシックインカムを導入すると所得に関わらず一律に金が配られるため、労働意欲は削がれるのではないか?そしてその資金をどこから調達するのか?
「消費税0」などと同じで非現実的な感じがした。
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多様性や社会的包摂について未来の科学技術を踏まえた議論を進めるためには、このような物語を横におきながら議論することが重要な視点だと思える作品。
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単行本では読んでいて再読。
どれもミステリーとして面白い。
特に目に見えない愛情の話が好き。また読もう。
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未来の技術が根付きつつある社会を描いた短編集。
SFでよく見かけるガジェットたちだけど微かに切り口が斬新だったかも。特にVRの話に出てくる不安の中身とか。
新しい技術に触れて人は考える。
この技術が物心ついた頃から当たり前にある次の世代の子らのこと。
次世代に託すような着地が多い印象だったけど、最後の表題作ではその理由がもれなく描かれる。
祈りは救済を乞うことと似てる。
助けてって言われてから助ける方が感謝が生まれるけど、本当は助けてって言われない仕組みの方が尊い。ベーシックインカムもきっとそういうもの。
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ミステリーという形で読者に飽きさせない工夫をこらしつつ、近代的な諸技術について考えさせられる一冊。ミステリのようで、ミステリじゃない。エンタメ本でもあり、教養本でもある。そんな不思議な本でした。
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うーん…
私にはちょっとフィーリングが合わなかったかなぁ。
AI・遺伝子操作・VR・エンハンスメント・ベーシックインカム。
題材とされているそれらに対する理解が深まったという点はあるのですが、やはり扱っているものの難しさからかお話の内容がその説明にだいぶ割かれている感じで、肝心のストーリが浅いというか…
難しい技術的な話を書いている割には「妊娠一か月」とかありえない描写があって興ざめするところもあって、なんとなく入り込めないままとりあえず読み終わった感じです。
この作者さんの作品で読んでみたい他の本もあるんだけど手を付けて大丈夫かなってちょっと不安。
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1話1話が全く別のものと思わせて、最終話で「こんな繋がりがあったのか」と読者に思わせるだけでもはっとさせられるが、その繋がりが誤りであったと実感させられて一転。悪と思っていたものがそうではない真相で二転。被害者や正義側と思いこんでいたものがそうではなく三転。二転三転として結末後には、「もしかしたら明るい未来が訪れた彼女が未来に書いた1話1話なのかもしれない」という読後感が残る。
どんでん返しと呼ぶに相応しい一冊であっただけでなく、AIなどの無機質なものを題材としていながらも、人の温かさや熱を帯びた期待が描かれた、祈りの一冊でした。
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短編集なので引き込まれ読みやすい物語もあり
ちょっとよくわからない話もありでした。
近未来の話なので難しい表現もあったりしたけど
近い未来こんな事が実現するのかな?と思ったりもした。
ベーシックインカムってこの本の造語だとおもったらほんとに世間で出回ってる言葉で自分の額のなさを痛感。
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図書館本
何気なく借りたのに、最近読んだ本の中で一番!
短編集。SFにして推理小説。全ては未来が舞台。
探偵が早すぎる、の作家さん。
言の葉の子ら カズオイシグロのクララとおひさまみたいだと思ってたら、解説もそのようだった。好きだな、こういう空気。
存在しないゼロ 昆虫。遺伝子操作は是が非か。そこの差別なんて、未来はそうなってるかもね。
目に見えない愛情 愛情の深さは、子の思いのさらに先を読んで注がれる。
ベーシックインカムの祈り これは本当に素敵。心情に配慮した←配慮という言葉は適切ではないけど他に浮かばない、トリックが秀逸。
解説より
三体の劉滋欣は、ありうべき未来をフィクションのかたちで描き、人間の心に準備をさせるのがSFの役割のひとつだと述べている。
うーん、そうだな。そうなんだな。