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楽しく読めた。自覚はないが、自分も高齢者の入り口に立つと思うと面白かったでは済まない気もする。
持ち家も無く年金とパートで生活する一人暮らし。もしも病気になったら。もしも一人で死んでしまったら。もしも、もしも…。
荒唐無稽なようで、結構現実にあるお話かもしれない。でもやっぱり犯罪はそう簡単には起こせませんね。
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楽しそうな雰囲気の表紙とは似ても似つかない不穏なタイトルが目を引く。
ドラマ化もしている本書。最初、目次を見てクスッと笑ってしまった。
*万引
*偽札
*闇金
*詐欺
*誘拐
*殺人
老後の年金と清掃のパートで細々と暮らす桐子。貯金もなく老後に不安を抱いているとき、偶然テレビで高齢受刑者が刑務所内で介護をされている姿を見てしまう。
そこから始まる「長く刑務所に入っていられる犯罪探し」の日々。1つ1つの可能性を真剣に吟味して、リサーチしてるのが可笑しい。
一見突拍子もないことのように思えるけど、頼れる身内もなく経済的に困窮し健康に不安もある高齢者にとっては切実な問題。
実際、「衣食住」の保証がある刑務所に入りたくて軽犯罪を繰り返す老人もいると何かで聞いたことがある。
日本の超高齢化社会が抱える問題について絡めながら、軽い読み心地で楽しめた。
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は、犯罪日記、それも76歳の女性の?
何やら不穏なタイトルです。
タイトルに反して装丁はやさしい雰囲気。
掃除のパートをしている身寄りのない桐子さん。そしてその親友であるトモさんは、ご主人を亡くしたことをきっかけに、息子さん夫婦に一緒に住むよう誘いを受けるがそれを断り、親友同士で二人暮らしを始める。
そこからはもう少女のよう、青春を取り戻したかのようにはしゃぐかわいらしいお2人です。
でもそんな生活は長く続かず…
犯罪日記はそれ以降のお話になる。
これはキーパーソン!と思った人が最後にきっちり役目を果たしてくれるので安心して読めるよん。
ひととなりだよねー。やっぱり。
犯罪おかそうったってなかなかそううまくはいかんのよ。
そして人は一人で生きてるんじゃないんだなー。
てのを人の世の汚さ20%くらいに抑えて表現してくれてると感じた。
やさしい世界…
でも同時に問題提起でもある。
健康寿命は延びても年齢ひとつでバシッと仕事切られちゃっても蓄え万全な人ばっかりではないし、蓄えあったって自分が何歳まで生きると想定して暮らしていけばいいのか。そういう暮らしって精神的にじりじりと厳しいよね。
身寄りがないと住むところにも困るんだ…だとか。
考えさせられちゃう。
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Amazonの紹介より
老親の面倒を見てきてた桐子は、気づけばたったひとり、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。
絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ! 光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。
テレビドラマ化されるということで読んでみました。なかなか衝撃的なタイトルでしたが、桐子が犯罪に手を染めていく過程は、ライトに描かれていながらも、その背景がヘビーで考えさせられました。
年齢を重ねていくにつれて、感じていく「別れ」や孤独感。
この先の人生の不安をどう埋めていくのか?
自分も高齢になると、小説に出てくるような色々な不安が襲うのでは?と思ってしまいました。
犯罪に染まることはいけないことでありつつも、経験したことのないことだと、やってみようかなと思ってしまう欲求。それをどうやって満たされていくのか。その過程が切ないけれども、どこか生きる気力といいましょうか、若々しさもあって、コミカルでした。
しかし、犯罪を未然に防ごうとしてくれる年下の人達の温かさが何ともじんわりと染み渡りました。人生捨てたもんじゃないなと思いました。「人を助ける」ことの大切さやありがたみを感じ、自分も人のために行動してみようとも思いました。
桐子さんが本当に犯罪をしてしまった展開は驚きでしたが、それによって生じる影響はわかっていたけれども、桐子にとって良い薬だったと思います。
それで、悪い方向へ進み終了と思いきや・・。桐子のこれまでの人生が物語っているように感じ、人との繋がりって本当に大事なんだなと身につまされました。
テレビドラマでは、松坂慶子さんが桐子を演じるということで、どんな映像になるのか楽しみです。
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高齢独身女性の終活のはなし。
面白かった。
と言っては桐子さんに失礼かもしれないが、ドキドキしてホッコリして最終的には桐子さんの人間力が勝ちを得た。
正しく生きてきたと言う答えが出たようで嬉しい。
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タイトルに目がとまり、独り身の老人が誰にも迷惑をかけずに余生を生き抜くために、誰にも迷惑をかけない犯罪で逮捕され、刑務所で一生を終えたいと画策するという内容に惹かれ購入。
大抵そんな理由で買った本は、数年積んじゃうんだけどドラマ化され放送が近いってんで急いで読了した一冊。
社会問題を扱っているという点では「社会派」なのかも知れないが、捻くれた前提を制約に加えて犯罪を考察する流れは「本格」の構造を持っている。
本格の「犯罪」と社会派のテーマをドラマでブレンドした絶妙なマリアージュは、他に類を見ない。
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NHKで松坂慶子主演でドラマ化されるという番宣を見て、おもしろそう、とさっそく読んでみた。松坂慶子は「今度生まれたら」に続く”年とった女の人”役。今度~は70才の設定だったが、今回は76歳だ。
一橋桐子・76才は一人暮らしになった。最近は老人で三食屋根付き?の刑務所暮らしを望む人がいる、というニュースを見て、それなら私も、と思い“犯罪”を思案する、というもの。目次は、万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人、となっており、この順番で桐子の生活が進んでゆく。
桐子は結婚した姉に代わり両親を介護し、そのせい「で」か、「か」かで独身。高校からの親友トモはエリートと結婚したが、専制的暴力亭主に”仕え”73才で夫は死んだ。それで仲よし老女の二人暮らしを始め、3年続いたが、トモが死んでしまい桐子は一人暮らしに。二人ともスーパーと清掃のパートはしていたが、二人で住んだ庭付の戸建てに一人で住む金は無く、古いアパートに。
そこから、金無し、身寄り無し、の年とった女が一人で生きる現在の社会の困難さが「犯罪日記」として描かれる。また桐子は姉がいるが、親の遺産を同等要求する姉に一言いったところ絶縁状態である。
最後は一生けん命生きる桐子へ、作者の原田氏は道をひらく。お一人様の老人、のありかたを原田氏はこうなったらいいかも、と一つの寓話を描いたのだろう。
内舘牧子の「今度生まれたら」、篠田節子の「セカンドチャンス」はどちらも年とった女の姿を描いているが、それに比べると、ほんわかした世界。
初出:「読楽」2020年2月号~7月号
2020.11.30初版 図書館
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大切な友達が亡くなりひとりぼっちになったけど、桐子の優しさと人柄の良さで、また心優しい人たちのと出会いもあって読んでいてほっこりした。
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桐子さんも周りも基本的に良い人が多いからか、内容は社会的な問題なのにサクサク読めました。
超高齢化社会について考えさせられました。
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とても興味深い内容でした!
人生最後を刑務所で過ごしたいと思うのは、突拍子もないことと思っていたのですが…
現実問題そう思う高齢者の人は多いんだろうな~と思いました。
高齢者が抱える生きていくための問題が突きつけられていて…
他人事ではないような気がしました。
いずれは我が身にもふりかかりそうです。
どんな犯罪が1番長く刑務所にいられるかを考えるのは面白かったです!
意外と知らない刑期を少し知れました。
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生れた時のことは覚えていない
それに反して死は意識がある
どうやってその時を迎えるのか
なまじ経験と知恵がついているので考えが巡る
人生の終着駅が見えているのにそこに行く電車賃がない
身につまされる内容だった
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短期入院中の読書、その3。
何かでこの本のことを見て面白そうと買ってきたら、嫁さんがこのお話のドラマを観ていた。
松坂慶子がこんな歳の役になるなんてなぁ、「愛の水中花」の頃(1979年)には想像できなかったよね。
一緒に暮らしていた親友がなくなり、天涯孤独の身になった一橋桐子(76歳)。
仕事も住むところも不安定な上に頼れる人もなく、テレビで見た高齢受刑者の姿に光明を見出だし、長く刑務所に入っていられる犯罪を模索し始める、といったお話。
ユーモアも交えながら進む話だけれども、私の歳でこんな話を読むと、面白い前に、なんか身につまされて切ないな。
ま、捨てる神あれば拾う神あり、ということで、真面目に生きていれば、自助(個人)や共助(年金・保険)に不安があっても、互助(近隣)や公助(行政)に頼れるというように思っておこう。
『あとは大人に任せて。あなたはこれまでのように、一橋さんと仲良くしてくれれば十分よ』という門野の言葉には雪菜と同じように泣けた。
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ドラマ化され、気になって読んでみた。
生活すること自体が大変で、いっそのこと刑務所に入れないかと画策するけれど、根が素直で無邪気な桐子さんがかわいらしい。
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1人で生きていく老後を考えたら、刑務所の方が、いい環境なんじゃないか…そう考えて犯罪者になろうとすればするほど、桐子の良さが発揮されて、空回り。とてもチャーミングで面白かったです。
日頃からまじめにコツコツと誠実に生きていたことが最終的には周りの人を動かしたのでしょう。
老後に不安がないとは言えないけど、私も毎日を大事に誠実に生きていきたいと思いした。
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ドラマを観て面白かったので、原作も気になり読了。テンポも良く、読みやすい。
桐子の人柄が良い結末に繋がったのだなと思う。
自分が年老いたとき、どうなっているのだろう?
お金は?仕事は?…と不安なことは沢山ある。
どんな人と関わり良い人間関係を築くか、それが人生においてとても大事なことだと再確認できた一冊。