紙の本
体と心に栄養を!
2023/03/16 19:52
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んで良かったです。
特に新谷さんの章。
無月経の女性アスリートの話は、痩せぎすで競技に臨むアスリートを見て想像していましたが、読むと心がたいへん痛みました。
女性アスリートの皆さん、しっかり食べてください!
元気に年をとれば、月経卒業を自然に迎えられるのですから!
紙の本
女性アスリートの抱える課題あど、旬の話題をカバー
2023/06/19 11:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:巴里倫敦塔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アスリートは体作りやパフォーマンス向上のために、どのような食事をどのように摂っているかを探ったノンフィクション。食事だけではなく、筋トレや腸内環境・腸内フローラ、サプリメント、女性アスリートの抱える課題といった旬の話題もカバーする。最適な食事を摂るために血液検査を受けた大谷翔平選手の話題が登場するのも嬉しい。肩のこらないテーマを扱っており、移動時間や休日などに読むのに向く。
取材対象は、相撲の押尾川親方、プロレスの棚橋弘至と武藤敬司、陸上長距離の新谷仁美といったアスリートのほか、駒沢大学陸上競技部の寮母(大八木監督の奥さん)、スポーツ栄養学の専門家、体脂肪計(タニタ)の開発者など。彼ら・彼女らのインタビューをベースに歯切れのよい文体で綴る。アスリートの中では押尾川親方、棚橋弘至、新谷仁美の話がそれぞれの個性が出ていて興味深く読める。
紙の本
人それぞれ
2023/04/02 17:34
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代によって、毎日これを食べれば健康に…とか、痩せる…みたいな流行りがあるけれど、その何かが万人に合うわけがないし、目的によっても違うはず。
アスリートの身体づくりを知ると、それがよくわかる。
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知らない世界だったので興味を持って読めた
少し文章が読みにくかった気がした
ジョコビッチの食事等の原則
①ゆっくり意識的に食べる
②肉体に明快な指示を出す
③前向きであれ
④量ではなく質を求めよ
言霊は大事 きついところからさらに上を目指せる
数字は使いよう、生かしよう
→数字でイメージできる
私たちがみんな、何を食べるかを考えるとき、自分が本当は何のために食べているのか、それは自分が食べたもので何をするのかを意識した方がいい
→食事を考えながら食べよう
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食事と身体の関係について非常に興味深いルポで読みごたえがありとても面白かった。
どんなスポーツや武道においても身体を使う以上、その身体をつくるために欠かせないのが食事。
しかし案外、周りを見回すと身体を専門的に動かしている人でも食事については不摂生という人も少なくない。
食と運動についてとても考えさせられる非常に質の高い本です。
おすすめです。
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食レポ・エッセイでお馴染みの平松洋子さんが、今回は、多くの取材を元に筋肉と脂肪についてまとめ上げました。「ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け」、2023.1発行、383頁。武藤啓司、棚橋弘至、豪風、大谷翔平、落合博満、新谷仁美・・・。読了して思ったことは、身体作りの3原則は、運動、食事(栄養)、睡眠(休息)。サプリメントはあくまでも補助の役割でしかない。筋肉は負荷をかけて刺激を与えなければ加齢とともに確実に衰えていく。逆に筋肉は何歳からでもつけられる。筋肉はお金ではけっして買えない。
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人の体は、食べるものが作るのである。
極めて当たり前のことを、その、身体が資本のトップアスリートの食事から語る。
力士。プロレスラー。
偏ってまんな。
勿論、陸上選手であったり、栄養士であったり寮のお母さんであったりもするのだが、後半、食事筋肉脂肪より、女子選手を取り巻く環境がぐんと出てきて、ちょっと引く。
我々一般高齢者も、食事と運動について真正面から取り組まないといけないが、取り敢えず嫁さんが作ってくれるご飯が美味いのでしょうがない。
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「身体づくりはトレーニング2割、食8割」
食事や栄養は大切、わかっていても実践するのは難しい。アスリートやアスリートを支えるプロフェッショナルへの尊敬の念がより強くなった。
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食に関するエッセイの名手。今回は食からスポーツ、トレーニングにまで話題が発展。記録を追究するアスリートの食とトレーニングの実態に迫る。
相撲部屋、駅伝の実業団チームと大学選手寮、プロレスラーなど、食と競技との繋がりについて丹念に取材を重ねた一冊。
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今年2月に岡山県立図書館で平松洋子の講演会があり、聴いた。その場で彼女は自分でいうのもなんですが、と断りながらも「この新刊、ものすごく面白いんですよ。読んでください」と激推しをした。直ぐに図書館に予約した。やっと読むことができた。彼女は「アスリートは、食事とトレーニングが全く一緒。食事が成立していなければ、トレーニングが無駄になる。スポーツで全部食事が違う。最前線の言葉をきっちり入れたかった」と、本書の狙いを言った。スポーツ選手のルポは数多あれど、その食事に特化したルポは多分初めてだろうし、平松洋子だから書けたルポだろうと思う。
相撲とちゃんこの関係、見せる筋肉としてのプロレスラーの食事管理、サプリメントの開発者、体脂肪計を作ったタニタの歴史、公認スポーツ栄養士、その他アスリートを支える食のプロフェッショナル、コーチと信頼関係を築けなかった陸上選手、引退して却って不調になった元バスケット選手‥‥。食のエッセイは読んだ事はあったけど、ここまで巧者のノンフィクション作家とは知らなかった。郷里倉敷市出身(しかも歳も2才しか離れていない)の作家です。お勧めです。
相撲はもはや「バカ喰い」で身体を作ってゆく時代じゃない。新しく部屋を起こした元豪風(たけかぜ)、押尾川親方はとっても科学的だった。「(相撲を取る上で理想的な体脂肪率は)30%。でも自分らは除脂肪体重、筋肉や骨量を見る。これが100キロというのは凄まじく優秀な身体なんです。相撲取りの身体は筋肉の上にちょっと脂肪が乗っているというのが理想的です」脂肪はある程度なければならない。ぶつかり合う時に怪我をするからだ。
棚橋弘至。新日本プロレスをV字回復させた立役者。平松洋子が初めて見かけた時、棚橋は髪はボサボサで完全にこの人誰?という感じだったが、寮のちゃんこの鶏から一つひとつ皮や脂肪を指で取り除いているのを見る。「皮や脂肪を一緒に食べちゃうと30分余計に練習しなくちゃいけないから効率が悪いんですよ。食べ物のカロリー数はだいたい頭にはいっています。今日の昼メシは脂質全部で200カロリーぐらいだと思います。カッコいい身体になりたかったから、ずっとこういうふうにしてきました」。棚橋は猪木のストロングスタイルを方向転換させ、ハッピーエンドのプロレスをつくった。そのために理想的な逆三角形の身体を作るために意識的なタンパク質摂取を自己管理していた。「筋肉はドレスですから」次に会った時、完全にスターのオーラを纏っていた。
桑原弘樹。江崎グリコがプロテインの健康食ブームを作った時の立役者。自身も筋トレにハマっている。筋肉は年齢に関わらず成長する。この事実が「筋肉は裏切らない」という言葉を流行らした彼の根拠だ。「筋トレを始めた最初の動機は『モテたい』だったのに、筋トレを続けていたら(重いダンベルを)『モチたい』に変わるんです」
95年、日本初、世界初の製品として体脂肪計を作ったのに、タニタは敢えて「体脂肪」「体脂肪率」などの商標登録申請を行っていない(←コレ、タニタの命名だったんだ!)。脂肪率ではなくて体脂肪率。その健康的な意味を含めた言葉を日本中に浸透させた。
平松洋子。起床、午前4時半。睡眠時間6時間。朝の散歩は往復5キロ。折り返し点でスクワット20-30回。1日の平均歩数、約8,500歩。体重53キロ前後。体脂肪率20%後半をうろちょろ。人間ドック(かなり詳しいやつ)で「経過観察」は骨密度のみ。この人の身体管理もすごい。作家とはこうあるべきなのか。
岡山県総社市出身の新谷仁美選手。2013年の世界陸上モスクワ一万mレースで5位入賞を果たした後、25歳で彼女は1度引退し、4年間会社員生活をする。後にその理由を「メンタルを破壊して無月経になるまで身体を追い込むことが本当にカッコいいものなのか。女子選手は考えてほしい」と発信する。その時の監督は小出義雄だった。ガリガリに痩せる方が一時的にはスピードは上がる。しかしそれは選手のためにも記録のためにもならない。「選手と指導者は同等なんです。何か問題が起こった時、とかく指導者が責められがちですが、実は選手の問題でもあるんです」平松洋子はいまだに指導者が男に偏っていることも問題だと提起する。
講演会で「インタビュアーとして、どういう準備をしていくのか?」との質問に、平松洋子はこの様に答えた。
「プロのアスリートだといっぱい取材を受けています。この人に話したいと思わせないと、言葉は出てこない。そのための準備をします。(記録、勝敗、を調べる。著書を読む。)彼等は直ぐに「準備してきたな」と分かります」
「それと「見逃さない」ことですね。プロレスの寮で若手の食事準備のとき、お鍋の蓋をキッチンペーパーで拭いている、盛り付けさがとっても繊細、お鍋のニラ・キャベツの入れ方、切り方も見た目が綺麗なんです。エンタメの練習の場なんだな、と理解しました。若手の方が長州力さんから「豚肉の細切れ、固まっているのをものすごく怒られる」と言われたと。気遣いができないこと、試合会場で、お客さんに何を求められているのか、瞬時に理解する練習なんだな!とわかるんです。
取材は想定したものの先がある。そこが面白いのです」
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筋トレ、サプリ、腸内細菌。
私が、ん?と気になったワードが次々に繰り出された。
これさえ何とかすれば、私の身体もどうにかなるんじゃないかと魔法の切り札みたいに思ってきたワード。
でも、筋肉は筋肉だけじゃないし、
同じ物を食べて同じトレーニングをしても、
同じ結果になるわけじゃないんだね。
自分はどうなの?を細かく意識出来て、
ためらわず変化を受け入れて、
よい、と思う事は継続出来る事が一流の証なのかな。
相撲取りやプロレスラーになりたいわけじゃない、
健康で毎日を気持ちよく過ごせる身体が欲しいだけ、
と思いながらも読み進めてしまって、
自分自身の事は自分ごととして考えなきゃダメなのかなと思った。マインドフルネス的な?
「偏りなくその子を見て、しっかり責任を持って導く指導者が求められていると思います」
失礼ながら相撲の世界の指導者からこんな言葉が出てくるとは思っていませんでした。
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アスリートと栄養学のかかわりについての話かなと読み始めて。力士やプロレスラーの身体づくりの話に、やっぱりそうかと思っていたら、だんだん広がって、深い話になっていく。身体と心。競技者と指導者。アスリートの人生。女性の身体。安易な「感動」。
「脳筋」なんて言葉があったけれど、逆だ。筋肉は脳が作る。考えなしや根性論で、使える身体は作れない。
自分の身体に、もうちょっと自覚的になろう…なんてことも思った。まずは体組成計に乗らないと。
平松さんのざっくばらんな語り口は、ちょうどよく中味を砕いてくれて、するんと脳みそに入ってきた。それと、プロレスへの認識、改まった。
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タイトルに惹かれ平松洋子さんを初めて読みました。この方が運動好きだと知り、親近感が湧いて他作品も読みたいと思います。アスリートの食事のひとつひとつがこれほど心体に影響するのか、でも我々一般人だって意識を持って大事にしなくてはと思わせる内容です。しみじみ「医食同源」と言う言葉を噛みしめずにはいられません。飽食の今余計に思います。もっと一般にも栄養士さんの仕事が広がるような医療システムがある社会もいいなと思いました。
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「しろうとでも、大会に出場するときは、このタイミングでBCAAを三本摂るといい、十キロメートルごとに一本飲むと効果的、などとわかってきます。気合いだけでスタートの準備をしている選手を見ると、申し訳ないけどかわいそう······みたいな気分になってきます。飲まないのは怠慢か知らないのは気の毒、というくらい違いますから。たとえば、プロのマラソン選手やトライアスロンの選手にアドバイスするとき、「スタート前から前半は、水分とエネルギーを補給する低浸透圧ドリンク、中盤以降は、乳酸が溜まってきたらクエン酸やBCAAを含む回復系ドリンクに替えてください」というふうにアドバイスします。後半になると筋肉が疲労してくるので、筋肉の主原料であるBCAAを摂ってすばやい回復につなげるわけです」
生懸命するのは当たり前だと認識していると思いますが、じゃあ栄養と休息はどうですかと訊 かれたとき、すごく意識して栄養や休息をとっていますと答えられる人は本当に少ない。やはり、 昔からの練習第一の考え方や根性論が長く続いてきたのだと思います。 しかし、休息の取りかた ひとつとっても、就寝後二時間くらいのノンレム睡眠のときに成長ホルモンが出ることがわかっ ていますし、この時間に質の高い睡眠を取ることが大事なんです。そういう知識をもったうえで 栄養と休息をしっかり取らないと、どんなにトレーニングしたりサプリメントを摂ったりしても、 パフォーマンスはなかなか上がらない」
当たり前でしょうと言われるかもしれませんけれど、と前置きして、藤戸は強調した。
「運動・栄養・休息のトライアングルをちゃんと成立させることが重要なんです。しかし、これはプロのアスリートでもなかなかむずかしい」
「リングで戦うとき、観客の感情をどれほど揺さぶることができるかがプロレスラーの真の力量なんです。武藤さんの負け方には、心がかき乱される。だから、おなじ負けるにしても、周囲の情をつかむ負け方が大事だと知りました。「超満員の観客を前にして、緊張しないんですか』と、武藤さんに訊いたことがあるんです。そのとき返ってきた答えは、「見られているエネルギーを全部自分に集める」。その極意を学ぶと、仕事の大事な局面でも緊張しなくなり、自分に集中できるようになりました。武藤さんがファンに媚びないのは、リングの上での凄さを見せたいからなんです」
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最初はなぜ筋肉を鍛え上げることとは縁遠そうな人がこれを書こうとしているのだろう、と思いながらよみはじめた。そして、読んでいると引き込まれて読んでいた。取材力と文章力。