紙の本
明治維新を迎える武士
2023/02/26 23:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は史実に沿った作品だったのです。本当に存在した大野藩の本当に存在した藩主 土井利忠と、その殿を愛し畏怖し尽くしてきた内山七朗右衛門藩士の話。金欠の藩を救い、未来の日本を見据えた商売や武器、医学を藩として育て、そして明治維新と共に消えていく武家政権の中、商売の大野藩として生き残っていく姿を描く。殿を信じて、恐れて、人として尊敬して、殿の希望を叶える事で自分が成長する七朗右衛門は殿愛に包まれて人生を終える。男と男の熱くて悲しい情の物語でした。現代ならば、自分を犠牲にするばかりで、確たる言葉の遣り取りも無いまま、信じ続ける主従関係なんて、きっと有り得ないだろうな
投稿元:
レビューを見る
実在の大野藩の財政を立て直すべく奮闘する七郎右衛門。
主君土井利忠の政策の断行や部下への思いやりあふれる魅力的な人柄への忠誠心。
銅山で新たな坑道を探す挑戦、新しい学問所の開設。
そんな七郎右衛門が周囲の嫉妬を受けてひどい目にもあったりするなんて、理不尽すぎる。
不可抗力みたいな災難がふってきたりするし。でも、それに対する七郎右衛門の反応に悲壮感がないのは救いだった。
幕末から明治にかけて、長い長い時間をかけての2人の戦いを読み終えて、ほーっと大きく息をはいていた。
本当に、お疲れ様でした。
テーマゆえではあるのだろうけど、七郎右衛門の妻の存在感が薄かったかな。
投稿元:
レビューを見る
【新時代を生き抜くヒントここにあり! 幕末最強バディ小説】借金を繰り返す殿・利忠。七郎右衛門は呆れながらも、藩の財政再建を成し遂げようとしていた。そんな中、黒船が襲来し、激震が走る!
投稿元:
レビューを見る
激動の幕末から明治の世へ、世の中の動きにつれやり方は変わっても七郎右衛門の心の基は変わりないように見える。殿のため藩のため、それだけを見据えて歩き続けている。弱気な時も迷う時もあったろうに芯のところには粘り強さというか頑固さというかしっかりとした物があったのだろう。
そして、尊敬でき認めてくれる”わが殿”だったのですね…
投稿元:
レビューを見る
後で調べるまで、恥ずかしながら大野藩や主人公が実在の存在とは知らなかった。
主人公は悩みはするものの次々に事業に成功して更に樺太開発まで手を出すなんて、まるでIF戦記を読んでいるような気分だった。
武士の商法と馬鹿にされるが、幕末の激動の時代に故郷の存続のために武士が商売に挑み、大政奉還後も旧藩士の生活を守ることができた。打出の小槌の完全な勝利ですね。
素敵な話でした。
投稿元:
レビューを見る
新銅山の開堀、面扶持の断行、藩校の開設、類を
見ない大型船の造船…。七郎右衛門は、幾度も
窮地に陥りながらも、大野藩主・土井利忠の期待に
応え続ける。そんななか黒船が襲来、日本に
激震が走る!
投稿元:
レビューを見る
お金のやりくりの話が多いから 読んでで自分まで財布の紐を締め直してしまう
七郎右衛門は幸せな人生だったなぁと。中々こんなにいい上司?には出会えない
幸せ者だ。
投稿元:
レビューを見る
「米」本位制から脱却できなかったことが、武士の時代の終焉に繋がった。
日本史の授業に出てくる「○▲改革」は緊縮財政ばかりで積極財政は稀なのだろうか。
経済発展の段階というものを考えれば、現代の感覚で批判しても詮無い事だが。
投稿元:
レビューを見る
名君と言われる土井利忠の藩政改革を支えた財政は、大野藩の特産品の取引で作られた。
短期的施策と中長期の施策。通例、常識の枠を越えた投資。そして成功に導く実行力。今の日本にも゙欲しいねぇ。
投稿元:
レビューを見る
銅鉱山の拡大から始まった大野藩の新規事業は商社機能を持つ大野屋の設立から北前船による海運業、北方蝦夷の開拓へと広がっていき実質石高1万2千石から実質15万石へ。明治維新を迎えるも土井家に忠義を尽くし続けた内山家の大野屋は新時代を迎える。