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いつも納得の文章。頭が良い人ならではの無駄がないしのめりこめる。今までになく、中野氏の幼少期も回顧するエッセイ的要素が入り込んでいる。自分の恥部?を曝け出す事でフェアでいようとする姿勢に好感がもてる。
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知的エッセイという感じです。
エッセイの醍醐味は他人の思考をのぞいて、ニヤニヤすることだと思っていて、本書もそんな感じで楽しめました。
できるだけまわりくどく、わかりやすいようになどと斟酌することもなく書いた。
とあるように、読みやすい文章ではないけれど、専門的な内容には簡単な説明が添えられているので、辞書片手に、というものではありません。
「個人的にバカは嫌い、赤いのどを見せて、早くエサをよこせとビービー鳴いてせがむだけの、知的に自立もできない人には〜」
といったくだりについては辛辣だなぁと感じました。受動的に知恵をつけようとしている人に対する怠慢への怒りなのか。
「正義のためには人を傷つけても良いと思っている人たち」の表現には目から鱗で、納得できました。
総体的には面白かったけれど、好き、嫌いと二元論で考えてしまうことが精神衛生上良くないと思っているので、嫌いをそこまで誇示しなくてもいいのになぁとは感じました。
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感想
司令官のことを何も知らない。全てを意識的に操作していると思い込む。それはとても危険。何が起きているのか。もはやわからない。
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迷わない人間は信用できない、というところが1番心に残った。
色々と納得させられる事が沢山ある。
脳を少し知る事で自分や周りを俯瞰して見れるようになるため、感情のコントロールがしやすくなった気がする。
少し強い口調で書かれている事が多いが、こういった脳の研究をしている人は逆に人の見たくないような一面まで見えてしまい生きづらいのかな、とも思った。
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中野先生の本は「分かる人にだけ分かればいい」というスタンスで書かれてるものが多いなとは以前からわかってはいたけれど本書はもう「はじめに」ではっきりとそう書いてある。
あなたの本書への理解力があなたの知性レベルですよと最初から言われてしまっては挑むような気持ちにならざるを得ない。
で、「あとがき」にも同じようなことが書かれている。
わかりやすく書くのが疲れるからそうは書いてない、できるだけ回りくどく読みづらく書き、理解できないのは私のせいではなく読み手の知的水準が低いせいだと念押しする。
私が本書を読み終えて、中野先生が書きたかったこと伝えたかったことをどれほど正確に受け取れたか定かではないけれど、先生がおっしゃるほど読みにくく分かりにくくもなかったように思う。案外わかるように書いてくれたのではないか?と思われるところもあった。
ただ、漏れ出てしまう知性のせいなのか御本人的に斟酌皆無のせいなのかわからないけどものすごく「上から」物を言われてるなと感じる箇所は多々あった。嫌だなと思う前に、それだけ生きにくい人生を過ごしてこられたのだなということはよく伝わったと思う。
第二章の、あいまいさを保持しておく知力という内容に注目した。最近たまに聞く「ネガティブケイパビリティ」というものと同一のことを言ってるのかなと感じた。(違うかもしれないけど。違ってたらそれは私の知性が足りないってことですね?、中野先生)確かにこれからの時代はあいまいさを保持する力自体を認識しておくことは、先生のおっしゃるように自分や自分の大切な人を守ることにおいて一層大事になってくるだろうと気づかされた。そういうことを自覚していることと無意識でいることの差は大きいと思う。これはすごくためになった箇所だった。
第三章「糾弾は自制よりたやすい」の最後に「たとえ多くの人の目には醜悪に見えたとしても、どんなことがあってもしぶとく生き延びる、という価値観がもっと評価されてもいいのではないか」とある。
私はこれを読んで小説「流浪の月」を思い出した。あれは「醜悪に見えた関係性の、外には見えない繋がりの真実」を描いているが、人からどう見られるかよりも自分が生きたいように生きられるのかの方が遥かに大切なのだという当たり前のことを深く思い知らされる。
第五章「ポジティブ思考の暗部」には先生ご自身の自身の辛い経験の一つが書かれている。
この章は読むのが辛かった。でも辛くてもこれは必要な言葉だと感じた。
この章を読むことで救われる人はたくさんいるように思う。
各章に、はっとする文や考えさせられる考え方が明示されとても興味深い一冊だと思う。
多分何度も読み返すことが必要な本でしょう。
けれど、必要な人と必要でない人ははっきり分かれるような一冊です。
私には必要な一冊でした。…しかし私は基本的には一度読んだ本は読み返さないですね。
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前頭前野によって客観的に物事を捉えることができる。許容力を持てる。
脳がどのように物事を捉え、我々が悩まされていくのか学術的に勉強できて面白かった。前半が特にそう言った趣で面白く、後半は少し話が脱線していたように思う。
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乳幼児でもあるまいし、自分の取り入れる情報くらい、本来なら自分だけ吟味したいものだ
鬱の人の方が判断力が高い。必ずしもポジティブがいいとも限らないのだ。
科学本というよりはもはやエッセイ。これくらい著者の主観が入っている方が、自分からしたら読みやすかった。脳の不思議さと、女性研究者からみた世界を一緒に見ていくことができた。いい経験になった。
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これ、かなり面白かったです。めったにつけない★5つにするか迷ったぐらいです。
中野信子さんは私とほぼ同世代のとびっきりの才女だと思います。中野さんの著書はけっこう好きで読んだのはたしか、この作品で9冊目になります。そこそこコアな中野ファンと言っても良いでしょうか。
これだけ面白い本なのにこの感想を書いている時点でのこのアプリでの本書の評価が3.17とは意外です。著者がバカには読めない本と過激なこと書いちゃったりしてるので、やっぱり好みの問題もあるんでしょう。
本書はそれまでの中野作品とは少し趣きが異なっており、エッセイ的というか自伝的要素が多分に含まれている新書となっています。オブラートに包まない本音がバンバン書かれているなという印象です。
何なら新書って言うよりハードカバーで出しても良かったんではないかと思いました。
脳科学の視点から中野さん自身や人間の傾向などのようなものを解き明かしています。
誰にでも承認欲求はあり人間ほどこの欲求が強い動物は他にいない。中野さん自身もとある男性とのやり取りでまざまざと自身の承認欲求を思い知らされたことが書かれています。
著者の体験を通して、自身をコントロールしようとしている人には必ず心のスキマ=不安があり、ここを突けば好意を得られるらしいです。
生きていく上で、あいまいにしておくという解決法をもっておくのは極めて重要で、わからなさとの共存も大事だと。脳は複数の考え方をあいまいなまま抱えておくことは心地よくないものだが、分からないを受容することが長期的に見れば自分を守るための有効な手段になりうるとのこと。私のなかに腑に落ちるものがあり、納得感がハンパないです。
正義中毒についても言及されています。
人間は、正義の味方としてルールから逸脱した誰かに制裁を加えることが快楽となる。糾弾は自省よりたやすい。不謹慎を叩く快感。自分とは全く無関係な赤の他人の不倫のバッシングはまさに最たる例ですね。
所詮他人事の「どうでもいい」という絶妙な距離感が大事で「どうでもいい」という感覚は投げやり的に見えるが、他人に一貫性を求めず、社会を健全に保つには良い距離感を示す絶妙な指標かもしれません。
とこんな感じのことが解説されています。
それにしても著者が表面的にも読めるが裏の意味的なものも含んで書いているとありましたので裏の意味が大変気になります。私は著者の言うところのバカなのかよくわかりませんでした。どなたかご教授頂ければ幸いです。
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承認欲求
人間は孤独である
変動間隔スケジュールによる強化(タイミングを不規則にするとより中毒的になる)
自身をコントロールしようとしている人には必ず、心の隙間がある。自分の理想と本質が乖離していることへのコンプレックスがある。ここを捉えることができれば、好意を得ることができるだろう。
知能の高さと社会経済地位の相関。
生物の課題は「生存」と「生殖」だった。
脳が発達していれば「餌と伴侶」を得やすい。
脳はエネルギーや酸素消費が多く、機能を維持するコストがあまりにも高い。
そのため、生存と生殖が終わると脳を自ら食べて消化してしまう生物もいるくらいだ(!)
不安感。充足していることそのものに閉塞感を覚えてしまうのかもしれない。
不安感は生物の生存に必要なアンテナ。将来的に予期されるリスクを回避し、排除するため。
不安感の源泉はTHPといった神経ステロイドなど。
セロトニンはやる気や安心感をもたらす。不足すると不安感を高める。
脳の不安アンテナは、リスクを検出できなければ、感度を上げて本来ならリスクになり得ないことをわざわざ拾うようだ。
人間は「リスクがある」という話を好む。リスクを検出するとかえって満足するように見える。アンテナの役割が一段落するからかもしれない。
人間の脳は自動的に自分の周りにネガティブな状況を構築してしまう性質がある。
孤独 内面の空洞 不足感。生そのものが、緩やかだが完全な自殺のプロセスであるかのように思える。
不安と戦わない。
忘れる能力、論理的に考えないことによる突破力、あえて思考停止するアプローチ。
日々に満足して幸せに生きていけるのは、不快な記憶を忘れ、不安な未来を予測してしまわない鈍さがあってこそ。
自然に忘れることを人工知能に実装するのは、現在難しい。人間の脳はよくできている。
心の空洞は解決される性質のものではない。
生理的に存在する、進化的に意味のある不安で、生物としてなくてはならない空洞と孤独なのだと知っておくこと。
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正義中毒は共感、性別に関する話もタイムプレッシャーもわからないや不安を嫌うことも健康志向も納得。
自分はそうじゃないと思いつつも、たぶん心のどこかで否定したいだけでまた違う偏った見方をしているものもあるだろうな。
もちろん自分自身も含めて、厄介だなぁ。
248冊目読了。
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納得する部分は多々あり、やはりこの方の本は興味深いと感じた一方で、著者の書きたい事をつらつらと書きそれを読まされているような感覚で、後半は読むのが少し面倒だった。
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日々ささいなことに満足して幸せに生きていけることの大切さは、むしろ不快な記憶を忘れ、不安な未来を予測してしまわない鈍さがあってこそ、感じられるものではないだろうか
第三者が勝手に悩みを解決してしまわないほうが良い!悩みを抱え、解きほぐそうと足掻くこと自体が、生きるという状態
誰かにちょっと相談した程度で雲散霧消するような問題なら、自力でも解決できるのでは?そもそも、問題を共感してもらいたいだけで、解決を求めているわけではない!
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進化の結果としての脳のあり方は合理的でもスマートでもない。他者に認めてもらうことへの欲求。自分で判断し決めることの脳の負荷。合理的判断より非合理な正義・人間性が勝る。人間は、真実ではなく非日常を常に求めている。
賢いAIの時代、それとは異質・異次元な存在としての人間の価値を計る時代になれるでしょうか。
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感情が乱れて心がモヤモヤしている時に読みました。感情を整理するために脳の仕組みを知ることはとても有効で助かりました。いろんな感情に苛まれたとしても、人間はそんな風にできているんだと、必要以上に相手や自分を責めずに済んで心が軽くなりました。
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なんか作者の中野さん、斜に構えた世界の見方してるな〜なんて思ってたら、自分と親がそりがあわなかったことなんかも書いてあったりして。
158ページからの、音楽の持つ脳を発展させる能力についてのところは面白かった!
164ページのまとめに
音楽は副作用のない薬なようなものだ
って書いてまとめてあり、そこはよかったです。
あとは178ページに自分の感覚過敏に対する受容の言葉があり、そこはよかった。