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【期間限定価格】剣客商売六 新妻 みんなのレビュー

    一般書

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    みんなのレビュー38件

    みんなの評価4.4

    評価内訳

    • 星 5 (12件)
    • 星 4 (16件)
    • 星 3 (8件)
    • 星 2 (0件)
    • 星 1 (0件)
    36 件中 1 件~ 15 件を表示

    紙の本

    三冬浪漫〈大治郎さま!〉

    2003/06/22 22:12

    2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:流花 - この投稿者のレビュー一覧を見る

     とうとう来てしまった! 三冬ファンなら、誰もが夢見ていたであろう、その日が。そう、三冬が大治郎の妻となる日が。
     しかし、ただでは妻とならせないところが、心憎いではないか。“三冬さま危機一髪”のところを救い出す…そんな演出があってこそ、妻となる喜びも大きいのである。やはり“大治郎さま”は、助けに来てくれるのである。そればかりか、“大治郎さま”の苦悩も、見事に描かれていて、「三冬うれしい」!
    「三冬どのは、練香の在処を曲者どもに洩らすまい。そうなれば、どのような拷問に合うやも知れぬ。それが…それをおもうと、私は…」(絶句)
    「そんな悠長なまねをしていて、どうなる。三冬どのは、どうなる!!」
    「長次。たのみがある。秋山大治郎が一生一度のたのみだ。聞いてくれるか…」
    (三冬どのは、もはや、この世の人ではないのではないか…?)
     堅物で、不器用で、三冬への気持ちなど、とうてい口に出すことなどできない大治郎だが、『品川お匙屋敷』では、ここぞとばかりに、大治郎の気持ちが噴出されている。この救出劇を受けて、田沼意次が、「三冬めを、妻に迎えていただけぬか。」と申し出るのである。…でも、三冬ファンとしては、ちょっと物足りない。聞きたかったなぁ。そう、大治郎さまのプロポーズの言葉。…池波正太郎さん、そんな構想はなかったの?
     機は熟していたのかもしれないが、何かあっけない感じは否めない。だが、池波正太郎さんは、ちゃんとフォローしている。次の話、『川越中納言』の中で、小兵衛に、こう言わしめている。「…三冬どのが他の女性より特に優れていると申すのではない。ただ、大治郎にとって、かほどに似合いの妻を得たことが仕合わせと申したのじゃ。」…とは言っても、新婚早々、大治郎を旅に出すのは、ちょっと意地悪ではないか。その旅先で知り合った、大治郎と同姓同名の男の妻が、まさに本書の表題作の『新妻』なのであるが…。『「秋山殿の新妻が、夫をはげまして自害したことを聞かなんだら、私は、秋山殿を助けたかどうか…?」「大治郎さま…」「何です?」「その、おこころが、三冬うれしい」膳を押しのけるようにして、三冬が大治郎の胸にすがりつき、「ようなされました」「む…」…三冬を抱きしめた大治郎が…』ちゃんと新婚ムードは用意してあります。…三冬さま、やっぱり夫婦は、いつも一緒でなくてはいけませんよね。いつもそばにいるからこそ、生きているからこそ、励ますことができるのですよね。

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    紙の本

    「いやと申さば両人を、御殿山の地下蔵へ閉じこめてしまいまする」

    2011/12/18 07:14

    1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

    やっちゃって、やっちゃって、閉じ込めてしまってください、小兵衛!

    前の『剣客商売』第五巻『白い鬼』は安永九年(1780年)正月から夏の終わりまでで、この『剣客商売』第六巻『新妻』は安永九年(1780年)秋から安永十年改め天明元年(1781年)春までである。そして、第六巻第二話『品川お匙屋敷』の話は、秋山大治郎と佐々木三冬が十一月十五日に結婚したと書いてあり、それは旧暦だとすると西暦では十二月の初め頃で、だから事件が起こったときはまだ秋だったはずだ。

    よかった。晴天続きの冬じゃなくて。

    だって、大治郎が品川お匙屋敷に火をつけるんだもの!

    いくら、高い塀に囲われていて、鬱蒼と植木が茂っていて、建物はその奥深くに隠れるようにあるといっても、冬の江戸なら、燃え広がる危険は大きい。目黒行人坂の火事は、寺の境内の松の脂に火が燃え移って大火事になったんだ!

    前の第五巻第三話『手裏剣お秀』でも、お秀が、道場に火をつけた曲者に、火つけは、はりつけだぞ!とどなっていた。大治郎も、はりつけにされるぞ。

    それに、建物が燃え落ちたあと、地下蔵から三冬が半死半生で見つかるまで、大治郎は、どれだけ心配と不安と後悔と罪悪感と恐れに苛まれたことだろう!そこのところ、作者は何も書いてないけど……。

    大治郎が悪人どもの巣窟にひとりで飛びこんで行って火を放ち、次々と敵を倒していく鬼気迫る姿はすばらしいけれど、その積極性を、第五巻第六話『三冬の縁談』でも発揮してほしかったわ。三冬の腕では今度の縁談の相手との剣の試合に勝てそうもない、とわかると、小兵衛に相談したのはいいとしても、その後、三冬が道場に来ると逃げ出したりするなんて!

    三冬が嫌な相手に試合で負けて結婚しなければならなくなるというのは、自ら仕掛けた罠にはまるようなもの、と考えることもできる。だが、女性が自分と力比べや知恵比べをして勝った男性と結婚するという話は、世界中の民話や神話に存在する。これは、神話的民話的には婿取りの品定めをする常套手段であり、現実的には、嫌な結婚を先延ばしし、いい男を見つけるまでの、口実なのだ。

    なんとなれば、幾ら剣の試合に勝ったって、さあおまえの得意の鼻を折ってやったぞ、ひざまずけ、命乞いをしろ、みたいな態度をとる男と、あなたみたいな剣術の好きな娘が好きなんです、一緒に稽古をしたり食事を作ったりするのが楽しいんです、っていう男とを比べたら、後者のほうがいいに決まっている!

    第六巻第三話『川越中納言』より、

    >「三冬どの……」
    >「は、はい……」
    >「米が飯に変じましたかな?」
    >「だ、大丈夫……かと、おもいます」
    >「それは、たのしみ」

    米に水を加えなければ飯を炊けないということを、結婚するまで知らなかった三冬が、懸命に御飯の炊き方を覚えて悪戦苦闘している横で、大治郎は、

    >鴨の肉へ塩を振り、鉄鍋で煎りつけてから、これを薄く小さく切り分け
    >鉢に生卵を五つほど割り入れ、醤油と酒を少々ふりこみ、中へ煎鴨の肉を入れてかきまぜておき、
    >三冬の飯茶碗を取った大治郎が鴨入の生卵をかけまわしてやり、
    >「さ、おあがりなさい」

    アツアツだなあ……。

    それにしても、秋山小兵衛の最初の妻のお貞は、師匠の身の回りの世話をしている女性だったし、後妻のおはるも、下女だった。家事のできる女性を選んでいる。そして、お貞は恋愛結婚だったにしても、おはるに対しては、小兵衛のほうから、「手をつける」という関係の持ち方である。いや、だから、後者が純粋でないとかいうのではないのだけれども。

    一方、大治郎のほうは、小兵衛がこの第六巻第三話『川越中納言』でいみじくも指摘したように、「男装の女武道に惚れた」のである。三冬が結婚しても剣術の稽古を続けることを望むし、三冬自身も、髪型や衣装を工夫して、典型的な人妻のスタイルではなく、娘時代のボーイッシュな感じを残した、りりしい女らしさを演出している。

    最近、はやりの言葉で表わせば、小兵衛はいわゆる「肉食系男子」、大治郎は「草食系男子」というところであろう。

    そして、小兵衛は、『川越中納言』で、三冬のことを、大治郎にとって、「かほどに似合いの妻を得たことが仕合せ」と言った。まったくだ。

    第二話『品川お匙屋敷』のラストでは、池波正太郎の田沼意次像、意次観が見えて、興味深い。

    >「いまこのときになって、抜け荷などがおこなわれるとは、つくづくなさけない。一日も早く国を開き、異国との交易をさかんにしなくては、いまに日本の天下は立ち行くことがかなわなくなる。そのときを夢見て、わしもはたらいているのじゃが、なかなかに、おもうようにはまいらぬ」

    最近のノンフィクションでは、『開国前夜~田沼時代の輝き~』(鈴木由紀子著、新潮新書、2010年)が、この『剣客商売』の田沼意次像、意次観に近い。

    第六巻第四話『新妻』では、新婚まもなく大坂まで出かけた大治郎が、帰途、一字だけ違う同名異人の青年を助けることになり、三河の御油と吉田で、追手と対決する。その吉田は、「松平侍従信明七万石の城下」だと、作者が書いている。おお!松平定信の盟友、のちの「寛政の遺老」ではないか。いや、ただそれだけのことで、このとき、別に秋山大治郎と何らかの関わりができるわけではないが……。

    第一話『鷲鼻の武士』で登場した好人物、渡部甚之介が、第五話『金貸し幸右衛門』で、再び登場する。金貸し幸右衛門の話は、とても寂しく、かわいそうだった。ところが思いがけず、小兵衛が幸右衛門から、莫大な財産を遺贈された。これを有意義なことに使おうと小兵衛は決心する。そして、第六話『いのちの畳針』で、さっそく実行。

    隣人の命を救うため、植村友之助が畳針を手裏剣のように使う。彼も、第五巻第三話『手裏剣お秀』の杉原秀も、「根岸流」と書かれているが、ちょっと検索してみると、根岸流というのは幕末に上遠野流から分かれたようだ。だから、田沼時代はまだ「上遠野流」じゃないのかな?それはまあ、いい。最後に、弟子の植村友之助が、畳針を「本来の」目的で使えるように、師の小兵衛が畳針を贈る。これは、精神的な「いのち」の畳針ではないのかな。金貸し幸右衛門の後でこの畳針の話は、ほっとした。私も錐を使って和本綴じをしたことがある。手裏剣は打てないけど。

    第七話『道場破り』には、鷲にさらわれた子供の話が出て来る。親が誰か分からぬまま、成長し、いつしか、自分が人の親となり……。

    それにしても、剣客の一生には寂しいものが多いなあ。そんななかで、ほんとうに強い剣客というのは、どんな運命に見舞われても、淡々と受け入れて、潔く散って行くようだ。

    鷲巣見平助のかたきをとった大治郎の、後ろ姿がかっこいいラストだった。

    >霧のようにふりけむる雨の中を、傘もささぬ秋山大治郎の姿が、ゆったりと、九段坂の方へ去って行った。

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    紙の本

    おのれの胸の内を打ち明ける術を知らない二人の結婚

    2011/08/30 16:52

    1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

     まだ早いのではないか。大治郎と三冬の結婚である。
     もう少し、おのれの胸の内を打ち明ける術を知らない二人の初々しさを見ていたかった。少々意地悪だが、そういう二人の姿が妙に新鮮で心地よく、こちらまで胸の高まりを覚えるようで、それをもう少し味わっていたかったのだ。

     ところで、胸中を打ち明ける術を知らない二人が、結婚するに到ったのは、あまりに突然。
     作者は、二人のあまりの朴念仁ぶりに、「これでは、どうにもならぬ」と思いきわめ、二人を強引にくっつけてしまったように思われる。

     また、
    「もはや、かくなっては、大治郎殿をおいて、ほかに、おたのみをする人とてござらぬ」
     と三冬の父・田沼意次は言ったこの言葉は、作者の言葉に思えてしかたがない。

     池波正太郎は、エッセイ【私の仕事(下)】(『日曜日の万年筆』に収録)で、登場人物になりきってしまう自分を語っている。
    ---------- 引用 ----------
    『仕掛人・藤枝梅安』のシリーズへ出て来る彦次郎と言う仕掛人を書いていて、明日は、ある男を暗殺しなくてはならぬという前の晩に、独り身の彦次郎が、夜食をとろうとするシーンを書いた。
     ところが、そのときの私は彦次郎の神経になりきっているから、明日の仕掛けを思うと飯を食べる気にならなくなってくる。
     そこで彦次郎は、生卵を三つ、のみこんでから蒲団へもぐり込んでしまうことになる。
     これとても私は、書いている時は飯を食べさせるつもりでいたのだ。ところが、いざとなると、書いている男が飯を食べる気になれなくなってしまうのである。
    ---------- 引用 ----------

     作者は、佐々木三冬に似た女武芸者を『堀部安兵衛』や『まんぞくまんぞく』で登場させており、女武芸者への思いは、一方ならぬものがある。それゆえ、三冬の父の心境となり、危難に遭った三冬を心配するあまり、「大治郎殿をおいて、ほかに……」とおたのみするほかなかったのではないか。
     そういう気がして、思わずにんまりとしてしまった。

     夫婦になった二人が、今後どんな暮らしをしていくのか、楽しみに見ていきたい。

    【収録作品】
     鷲鼻の武士、品川お匙屋敷、川越中納言、新妻、金貸し幸右衛門、いのちの畳針、道場破り。

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    紙の本

    良いですね

    2024/04/28 16:34

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

    大治郎と三冬がやっと結ばれました。田沼の殿が言い出したあたり、小兵衛に負けないくらい洒脱でさばけたお方かと存じますね。

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    2006/06/19 19:06

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    2006/08/11 15:18

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    2007/02/25 15:06

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    2009/03/02 15:47

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    2009/10/17 14:54

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    2011/01/23 22:36

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    2011/02/20 20:50

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    2011/05/15 19:53

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    2011/07/30 15:01

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    2008/02/25 20:40

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