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投稿者:fuku - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳に生きて死んで、に続いて、こちらも読んでみた。
数々の面白エピソードや苦労話の中に透けて見える謙虚なお人柄に好感が持てる。
本書自体の翻訳も、機微や雰囲気が伝わるように工夫なさったのだろうと推察。
「人生はしゃぶしゃぶ」に、思わず吹いてしまいました。
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クォンナミさん、嫌だなって思うくらい生々しい人間だと思った。推しから返事が無ければファン心が冷めたと言い、ラジオでおばさん呼ばわりされれば出版社を通してクレームを入れる、所謂「普通のおばさん」だ。
最初の方は「何だこの人」と思いながら読んでいたのに、1冊読み終わる頃にはまるでクォンナミさんの親戚にでもなったような親近感を覚える。是非、他の訳本も読んでみたいと思った。
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たまたま紹介されてるのを目にして面白そうだったので読んでみました。まずは韓国でこんなにも日本の文芸作品が翻訳されていることに驚き。村上春樹さん、三浦しをんさんなど、錚々たる作家さんの翻訳を手がけていらっしゃるとのこと。とても読みやすく庶民的な語り口で面白かったです。いつか韓国に行ってみたい…!
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翻訳家の生活に加え、出版社とのやりとりを垣間見ることが出来、興味深かったです。未読作品が韓国でたくさん翻訳されているため、知識が逆輸入されました。翻訳本のタイトルは、翻訳家の手を離れ出版社のマーケティング部門の判断により、原書と異なるとき、著者との間でOKが出るまで刊行が遅れたりといった事象にやきもきしたりと、仕事人の気持ちがストレートに出ていて楽しいエッセイでした。
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"もちろん孤独だ。孤独だが、気楽だ。気楽だけど、後ろめたい。 こんな生き方をしていてもいいのだろうか? 眠りにつく前に自問自答してみるが、朝になって陽が昇ればまた、後ろめたくて気楽な孤独を選んでいる。"(p.176)
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翻訳家である著者を本作で初めて知りました。
娘さんとの何てことない日常も、翻訳家だからこそのエピソードも、微笑ましくて楽しい。
読んでいてホッする文章で、著者に親近感を感じてしまう。
そして、気づかずに通りすぎてしまいそうなくらい、然り気なく心に残る言葉があちこちこちにありました。
翻訳時に原題のタイトルを変えるエピソードは衝撃的で、タイトル変更の裏側に触れ、自身の認識違いを知った。
昔、ハリー・ポッターシリーズの訳者・松岡佑子さんが原書を読んで「是非日本の人にこの作品を届けたい!」と、自身が翻訳出版を手掛けたエピソードに感動したことがある。
クォン・ナミさんも同じような熱意に突き動かされた体験をお持ちで、強い思いと意志を感じました。
「本」を通して、日本と海外の人たちの橋渡しをする。
そして、海を越えて同じ作品が読まれ、楽しみや感動が共有されていく──。
なんて素敵な職業なんだろう……。
自分が良いと思った作品を、自らの手で世に広められるなんて夢みたい。
読んでいて感じたのは、著者が本当に翻訳の仕事が好きだということ。
羨ましくなります。
翻訳家の仕事に憧れがあるので、エッセイを読めて嬉しかった。
『できることが少ないぶん、あれこれ手を出さず、ひとつに絞って才能を伸ばしていくという長所もある。』
『大きなお金を稼ぐのは難しいけれど、経験が本となって積み重なっていく、素敵な仕事』
『人生は本当にどこで何が起こるかわからない。最後の最後まであきらめてはいけないのだ。』
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隣人が書いているエッセイ感に溢れている。
良い意味で、まったく違和感が無い。
逆に、それだけに韓国の現在は感じにくいのかもしれない。むろん、それは悪いことではないが。
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翻訳家のあるあるや日常、娘さんとの距離感や仲の良さなどありのまま自然体なスタイルがホッとさせてくれる。そうよねと思わず深く肯く。そしてユーモラスな文章も楽しい。
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「日本の小説を翻訳する韓国人が書いたエッセーが日本語に訳されたもの」という本書の紹介に興味を惹かれて手に取った。
翻訳にあたっての編集者とのやり取りは興味深く、また、娘とのやり取りや生活の様子などは極々自然で、このエッセーの舞台が韓国であることを忘れてしまう。
国が違えども、真摯に仕事に取り組む想いや、娘への想いは同じ。著者の人柄がとてもよく伝わり、韓国で絶大な人気を博しているのにも頷ける。
原文が韓国語で書かれていることを忘れてしまうほど翻訳が自然。だからこそ、韓国で起こっていることにも関わらず親近感が増すのだと思う。
著者もこんなふうに日本の小説を訳してくれているんだろうなと思った。
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韓国の日本文学翻訳家によるエッセイという聞くだけでときめいてしまう本だった。
肩の力が抜けた文章で読んでいて心地よく、家から出たくない運動したくない電話したくないの筆者の気持ちにとても共感し、素敵なキャラクターの娘さんが微笑ましく、終始やわらかで穏やかで、そして嬉しい気持ちにさせてくれる本。
日本文学の翻訳エピソードは外から日本を見る体験でとても新鮮だった。小川糸さんのハンコの話で泣きそうになった。
この人の他のエッセイも邦訳されたらいいのにな。
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韓国の翻訳家である권남희さんのエッセー(혼자여서 좋은 직업)。남희さんは日本語の本を韓国語に翻訳する翻訳家である。なんと300冊以上の日本の本を翻訳されているという。翻訳だけでなく楽しいエッセーも書かれている。この本も読んでいて楽しかった。もちろん女手で一人でお嬢さんを育て上げ、沢山の日本の本を翻訳されたスーパーウーマンのように思うけど、エッセーを読んでみると決してそれだけではなく、陰ひなたなく継続的に翻訳できるように営業活動もされていたことも分かる。定期的に収入がある職業ではないため、また作家のように印税も入ってこないから、明日の生活の糧は毎日翻訳することであった。本当に、翻訳がお好きなんだなと感じた。
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日本文学が韓国でこんなに翻訳されているなんて全然知らなかったな。
著者は、韓国における柴田元幸さんとか岸本佐知子さんみたいな存在なんだろうか。読者からとても信頼されている翻訳家のようである。
私は日本文学をあまり積極的に読まないので、この本に登場する日本の小説はほとんど読んでいないのだが、驚くことに、この人が言及した日本の小説が全部読みたくなった!
そして、自分でもビックリなんだが、いくつかはさっそく図書館に予約してしまった。
もちろんこの本を読む前からその日本の小説のタイトルは知っていたし、それらをおすすめしている文章も日常でこれまで何度も目にしているのだが、こんな風に即予約の行動をとるほどに読みたいと思うまではなかなかいかなかった。なにせ私は日本の作家の手法があんまり好きじゃないから。
だから、この本に登場した日本の小説を今回1冊ならず即予約した自分にビックリ。
この本は、特にものすごく記憶に残るようなエピソードはなく、今、読み終わって「ここがおもしろかった」と書こうとしても、目次を見ないことには具体的なエピソードはあまり思い出せないのだけど、でも全体の印象として、著者の考え方にはとても共感できて、かつなぜかじわじわと幸せな気持ちになる大変に良い本だった、という印象。
外国人が書いた本、というより、自分の親友の一人が書いた本みたいな親しみを感じる。
これが著者の最初の邦訳ということなので、この本の中に何度も出てくる前著「翻訳に生きて死んで」はまだ邦訳されていないようで、とても残念。すごく読みたいと思ったので。
今までそんな風に思うのは英語圏の著者ばかりだったので、その流れだと普通にじゃあ原書を読もうかとなるけど、韓国語だとそうもいかないのがつらい。この世にはどうしてこんなにもたくさんの言語があるんだ!
でも、きっとすぐ翻訳されるのではと予測。
翻訳されたらきっと読む。
良かったエピソードは、「コピーライターになりたかったけれど」「タイトルを変える」「あの時の男子生徒は」が良かったかな。
「あの時の男子生徒は」で、冒頭の一文でガーン!となった、という感覚、すごく分かる。私にもときどきある。でも、それだけじゃなく、ラストが「あなたがあのときの洋館よりもいい家で暮らせていることを何十年も祈り続けています」で締めくくられているのがとても良い。私もそういう風に意味もなく祈り続けるタイプだから共感しまくった。おお、まさに私だ、と思った。
あと、娘さんとのエピソード、お母さんとのエピソードは全部おもしろかったです。
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それにしても翻訳家の書くエッセイはなぜこんなにも面白いんだろう。割とハズレなく、本作ももちろんそう。面白いのに地に足がついてて、時々泣きそうになった。面白いのに。
>私にはできないことが多すぎる。いや、できることはない、と言ったほうが正確かもしれない。車の運転どころか、自転車にも乗れない。水泳もできない。インドア派だから屋外アクティビティは苦手だけれど、家の中でやることならそこそこ得意……と言いたいところだが、裁縫や編み物、料理もできない。何の自慢にもならないが、本当にできないから開き直るしかない。
私のことかと思ったよね(笑)できないことが多すぎる。わかる。
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エッセイが好きでよく読みます。
韓国の方がこんなにも日本の本を読まれている事を初めて知りました。
言葉は違えど、同じ本を読んで良いなって思える価値観は一緒なんだなと思うと、何だか嬉しい気持ちになります。
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《気楽に読めるエッセイ》
日韓翻訳者のエッセイ本。インドア派な彼女の翻訳者のリアルが垣間見れてくすっと笑える。