田川警部補シリーズからのスピンオフ作
2023/03/23 09:51
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
相場英雄さんの新作は田川警部補シリーズからのスピンオフ作。主人公の樫山順子警視は警察庁の女性キャリアという設定ですが、田川警部補イズムを感じさせてくれる地道な捜査を続ける姿に(「鉄分」多めという愛すべき一面もあって)応援したくなるキャラクターです。スカッとする終わり方ではないですが、続篇でまた粘り強い姿を見せてほしいです。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
40代の独身女性キャリア、樫山順子が主人公です。
急に、北海道警捜査二課長に突如、着任することになりますが、戸惑うことばかり。ススキノの国交省技官の転落事故と病院の贈収賄事件……。なんだか、ありそうな……。
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田川信一シリーズのスピンオフだった!
面白かった!!
あー、読み損ねたままのガラパゴスも読まねばっっ!!
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久しぶりに出ました★5オススメ小説
最初、若干乗り切れなかったけど、
後半は、もう一気読み
北海道赴任から伏線
ラスボス(?)も、早々に出現し、
相手方の心情も描く
しかし、これすら…
ネタバレになりそうで書けんわ
練りに練られたプロットに
読後、ため息が漏れる
最後の最後まで目が離せない
すごい作品であった
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相変わらずの骨太作品。ハラハラしながら読了。そんな終わり方嫌だ、と思った矢先に良い方向にどんでん返し。北海道新幹線というテーマも時流に乗っていて流石。
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北海道を舞台に「新幹線鉄道利権」を巡るサスペンス小説。霞が関のキャリアの女性警察官僚の正義感を軸に、複数の筋書きが併行して進むが、いずれも息をつかせず、それでいて絡み合い、収斂していく展開は見事。一気に読ませる。
安倍・菅体制の警察国家的息苦しさや利権の囲い込みに辟易している国民としては、いろいろあっても岸田総理の変革に期待したい点も頷ける。
政治への忖度がなければ、テレビドラマ化や映画化を期待したい。
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北海道警捜査二課長に突如赴任することになった警察キャリアの樫山順子がススキノで起きた国土交通省技官の転落事故に疑問を持ちその真相を追いかけつつ、本業の贈収賄事件の捜査を指揮するなかで、鉄道行政の闇が暴かれていくという社会派推理小説。読んだことはないが田川信一シリーズのスピンオフ作品とのこと。
怪しいなと思っていた人物はやっぱり怪しかったが、たくさんの伏線が張り巡らされていたのにはあまり気付けなくて、ミステリー小説としてよくできていると思った。ただ、本作の重要キーワードである「キサダ」については、どういう用語かよく知っている身として、そんな使い方するのかなとは思った。
明らかに特定の実在の人物をモデルにしている登場人物が登場するが、どこまで現実世界を反映しているのだろうかと思った。この小説のようなことが実際にあるのだとしたら空恐ろしい。
本書で出てくる「この国で一番悪い仕組みは、一度決めたら中断はおろか、後戻りすることが一切許されないことだ」、「今から50年も前に決めたことが、既定路線として今も生きている。田巻元首相という戦後最強の覇王が作った轍は、既得権益、利益誘導、集票の道具として新幹線を延長させ続ける」、「この国は「覇王の轍」の呪縛に50年以上縛られたままだ」という指摘は、整備新幹線、ひいては大型公共事業の問題点を鋭くえぐっていると感じた。
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なかなか面白いことを考えさせられた作品です。
轍の意味は車が通ったあとや先例と言う意味。
覇王はおそらく、日本に道路をあちこちに作ったあの総理大臣のことだろうと推測しております。
警視庁のキャリア組の女性、樫山が北海道に赴任するところから始まり、1つの事故と処理された事件を調べていくと、北海道の鉄道事情の闇に深入りしてしまうというお話。
闇は外に暴かれるまでが遠足と言わんばかりのお話で、解決したと思ったらとんでもないものが出てきて、これ本当はノンフィクションなんじゃないかと疑うほどに話ができているなと思いました。
ミステリーだとは思いますが、ミステリーとして解く謎はそこまで難しくないです。あからさまな違和感がある箇所が多いので、ミステリーに読み慣れていればそこまでは難しくないかと思います。
ただ、謎は解けてもここまでヤバいというか、今の国の赤字事業や国から引き継がれている民間の赤字事業には表向きには綺麗なスローガンが掲げられていて、実は裏ではかなり黒いものがいっぱいあるんじゃないか?と思うくらいによくできている、いや、よくできた作り話だと思いたい。
そして、帯に追体験という言葉があるように、この作品のヒロイン、樫山課長の立場に立ったとき、あるいは稲垣さんの立場になったとき、あなたならどんな行動を取るか?
私は間違いなく、こんな行動に移すのは無理ですとなるくらい勇敢な行動だと思いました。
日本にはおそらくあるだろうという深い闇に足を踏み入れた世界の追体験は、小説で良かったと思えるそんな作品でした。
なお、ちょいちょい挟まれる北海道グルメの数々を味わってみたくなったのは内緒です。
「デミグラスラム丼」、「塩ラーメン ショウガトッピング」などなど。
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樫山、アラフォー独身女キャリア警察官
北海道転勤。警察官僚政治家に期待していると呼び出される。捜査二課課長。贈収賄案件で犯人逮捕直前。伊藤という高卒警官が世話役で毎日送り迎え。
ある技官の事故死の杜撰な捜査に気がつく。
業者からの賄賂を歌舞伎町ホストに貢ぐ女が完黙。1000万円合わない。貢がれたホストの部屋に死んだ技官の写真。二人の共通点は旭川のサッカーチーム。監督はその1カ月前に不審死。急性心筋梗塞の診断書が捏造疑い
樫山が現場で調査。事故隠蔽が発覚。新幹線工事の工期短縮で安全性が無視されていた
監督の葬式に口止めで国交相の天下りが絡んでいる。技官の事故も殺人再捜査。検察も前向き。樫山が警察官僚政治家から呼び出されると隠蔽を言い渡された。一緒にいた伊藤は自分を監視する公安、警察官僚の部下。全て筒抜け。隠蔽工作に加担しなければ懲戒解雇。先輩キャリアは二度目の捜査妨害。
休職して宇都宮の実家へ。
政権交代で警察官僚が失脚。
新総理が再捜査を命じた。
監督のサッカーチームは赤字。事故死の保険費用1億円を妻はサッカーチーム費用に使わない。裏金作りを始めた女は昔ボランティアで養護施設で孤児の世話をしていた。ホストと技官は当時世話していた。
技官は事故隠蔽を告発する直前に北鉄の総務部から呼び出されていた。母親に預けたPCに保存されていた。
天下り官僚は警察官僚から左遷。キャバ嬢に愚痴っているのを新聞記者がつかんだ。
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北海道でのミステリーサスペンス。
「アンダークラス」で田川と組んだ女性キャリア警視樫山が道警2課長となっての活躍で面白かったです。
仮名的になっているもののJRや機構や自民党の置き換えなのはバレバレなのでイメージしやすかったです。
敵方からのスパイは途中で気づきましたが、その潜入の仕方はちょっと無理っぽい感じでした。
また、事件の端緒となる新聞記事への気づきもちょっとご都合主義的な感じがしたものの、全体的には骨太でラストに微かな希望が残ったのもよかったです。
実際にも覇王=今太閤の改造論に引きずられている部分があると思わさせられました。
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著者の十八番の社会問題を深く抉る快心作。主人公・樫山順子といえば「アンダークラス」で田川信一と相棒だったキャリア警察官。こちらを主役に据えた「震える牛」シリーズのスピンオフ作。今回は国鉄解体後も多々問題ある鉄道行政に切り込む。事件の造形と展開、過不足ない登場人物の描き方は一級品でストーリに溺れる。バディの伊藤巡査長が実は、、、はかなり衝撃的で一本取られた。JR労組の闇がキーポイントのひとつだが、こちらは西岡研介氏の労作「マングローブ」や「トラジャ」あたりを一緒に読むと良いかも。
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急に北海道警の捜査二課課長に異動した樫山順子。北海道で収賄罪した金が歌舞伎町のホストに流れてる事件を警視庁と捜査することに。同時に道警は事故として処理した、国交省の官僚が札幌のいかがわしい店の入るビルから転落死した件は殺人ではないかと疑う。
とても面白かった。巨悪を断罪する。今回はJR北海道と北海道系と整備新幹線がネタ。真相が段々と明らかになるカタルシスが凄かった。
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「震える牛」「ガラパゴス」「アンダークラス」と続く“田川信一シリーズ“のスピンオフ作品という位置付け。前作で田川とタッグを組んだキャリア警官・樫山順子が主人公の作品。
北海道警察本部捜査二課長として赴任したばかりの樫山が、ススキノで起きた転落事故に引っかかりを覚えるところから始まる。
警視庁と合同で行なうことになった贈収賄疑惑に、整備新幹線の工事現場で起きた作業員の死亡事故と、樫山が拘っていたススキノ転落事故までが繋がりを見せ、JE(JRと思われる)と鉄道建設機構、警察、官邸までも巻き込む一大疑惑に発展する展開は読みごたえ十分。
ただ、贈収賄の合同捜査で皆が一丸となっている中、指揮をとるべき立場でありながら個人的に引っ掛かるという理由で転落死の事件を捜査するという行為はいただけない。
それが偶々贈収賄事件と繋がったもののそうじゃない場合は職務怠慢の謗りも免れないかと。新聞記者との協力関係も職務上微妙なところだし。
キャリア警察官として出世する道を捨てる覚悟もできていない中での樫山の暴走は目に余るし、官邸から横槍が入った時の振る舞いもやはり中途半端。
最後まで主人公に肩入れできなかったので田川信一シリーズの3作品のようには没頭できませんでした。
小説だから最後に希望を持たせた終わり方になったけど、現実なら事件は潰されて終わりだろうな
ぁ。
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今も正に北海道では新幹線の工事が行われている。
札幌駅でも新幹線ホームの改修工事をしていました。
小説ではあるけれど現実に権力に抗って働いている人がいるんだろうな。
北海道新幹線も利用したことあるけど札幌まで開通した暁には工事に従事した人々の想いを感じながらまた利用したいと思う。
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読み応えあった。げに恐ろしきは永田町のパワーゲーム。あるあるだけど、大物出る前に道警内で潰されるだろうし、こんな物分かりのいい気骨ある上司もいないし…「覇王の轍の呪縛に50年以上縛られたまま」「人間というのは小さな嘘を隠す為に大きな悪事に手を染めるもの」中島公園のボートの隙間で暮らしていた猫たち元気かなぁ?リニア大丈夫か?心配。