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電子書籍
復刊を望む。
2024/05/17 09:09
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
肝心の柔道も著者自身が柔道五段であるうえに、講道館四天王の一人富田常次郎の次男でもあるので、非常に見識深く感じた。三船久三十段のような知性と品性を感じさせる柔道家が皆無な現代において、この姿三四郎を通してみる柔道家の求道精神は見事なものだと感じる。
また現代のクソ握りの力づくの柔道と異なり、柔道創始時の本来の柔道は非常に柔らかで理に適ったものだったのだと思う。小谷十段が山下氏(当時五段)との対談で柔らかく握ることを指摘していたが、当時の柔道は三船十段の映像を観ても明らかなように本当に風のような力感のない、目が覚めるようなものだったのだと思う。
富木合気道創始者である富木謙治氏が強く握っては当身をはじめとした相手の攻撃、動きに対応できないと言われていたが、さもあらんと改めて思った。握りは中国武術でいうところの聴勁なのだと感じた。
また、ボクサーとの闘いは圧巻であった。これしかないと思う。と同時に、アントニオ猪木がアリとの対戦で同様の戦い方をしたことを思い出した。猪木はこの小説を読んだだろうかと思ったと同時に、猪木の天才性も感じた。
これを読むと今野敏の武道小説が非常に陳腐で底の浅い小説だと思った。
武道小説、時代小説(ただし、明治)として、あるいは大衆小説としても金字塔だ。
ただ、乙美とのことは哀れで涙がこぼれもした。
読み継がれてほしい小説。文庫本ででもよいので、復刊して欲しい。
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