遺品配達サービス
2023/02/27 17:24
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
依頼人から託された遺品の配送を専門とした一風変わった「天国宅配便」待望のシリーズ第2弾。
大切だからこそ伝えられなかった想いを、これ以上ないタイミングで刻む、優しさエッセンス満載の物語。ファンタジックな題も、家族ではなく業者を使う事で少し素っ気なくも思える設定も、両方良い裏切り。ありがちな下手な魔法なんかより奇跡に思える人との繋がりや、誠実な配達員の熱意が、見えないものを可視化していく感覚に「これを求めていた」と胸が震えた。
4編+エピローグ全てが印象的。3話を除く3編は遺品と共に巡る展開自体は少し似ているものの、主人公の性格の違いが作品に色濃く出ていて、違う面白さをたくさん味わえた。どれも温かく心地好さにただただ浸ってしまいそうになるけれど、LGBTQ・戦争・階級社会・ネグレクトなど現代の問題を然り気無く組み込んでいる所が、ぬくぬく一辺倒じゃなくてとても良かった。
1話の再生、2話の輪、3話の儚さ、4話の誤解、エピローグの信念、余すところなく完璧でした。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の話が、内容も進み方も全然理解できなかった。
今作は、全体的に考え過ぎっていうか、めんどくさいっていうか。
現実離れし過ぎ。
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人生最後に届ける宅配便が本当にあったらすごく素敵なことだと思った。色々トラブルがあったけど最後はとても感銘を受けました。
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故人が生前に依頼した遺品を届ける「天国宅配便」をめぐるお話の第2弾。4話+エピローグで構成された連作短篇集だ。
前作も、同じパターンの繰り返しに陥るのを巧みに回避していて唸らされたが、今回も収録されている4話それぞれに工夫が凝らされていて飽きさせない。特に第1話と第2話は、受け取った後に騒動が巻き起こる設定でおもしろい。まあ、贈る側も受け取る側も基本“いい人”であるがゆえなのだが。
どの話も好きだが、第4話の「わたしの七人の魔女」が一番琴線に触れた。
NetGalleyにて読了。刊行日後にレビュー公開。
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感想
付喪神がやってくる。大切に使った道具には魂が宿る。でも道具には足が生えていない。だから誰かが運ばないと。自分の贈り物もいつか誰かに。
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続編ですね。
第1章が良く滑り出し上々と思ったら第2章が???
第3章は素晴らしくてこの本を手に取って良かったと安堵しました。第4章、エピローグは優しい気持ちになれて心を癒されたい時にお勧めの1冊だと思いました。
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生前の依頼人の遺品を託され、それを届けてくれる「天国宅急便」。どの話もじんわりしましたが、お気に入りは「最後の月夜を君と」。
両思いだったけれど結ばれず、独身を貫いた岩子と、結婚はしたけれど気持ちは岩子へとあった広之。
特に広之は名家の一人息子故に岩子とは結婚出来なかったのは仕方なかったですよね…
天国宅急便に託した想いが素敵でした。
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第4章で号泣でした。人は夢実現できなくてもその人自身に価値があるって言うことをおばあちゃんたちが教えてくれています。
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今回も胸が締め付けられるような依頼でも、最終的にはあたたまるようなお話ばかりでした。
七星さん自身のことも気になる。
続きが楽しみです。
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依頼主が亡くなった後に託されたものを
届ける天国宅配便。亡くなった人が託した
宅配便に込められた思いがどの話もすごく
素敵で中でも「わたしの七人の魔女」の話が
魔女たちの真意が分かった時泣けた!
「父とカメラと転売人」は途中で薄々と
気づいたけど最後の展開に驚き、
「七十八年目の手紙」では今と昔では
人と人とのかかわり方が全く違うんだなぁ~
と昔の人たちの大変さを感じ、
「最後の月夜を君と」では宅配便として
届けたものがすごく素敵でかっこよかった。
シリーズかになるとは思っていなかったので
本作品に影響もなく全く触れなくてもいい
内容なんですが、以前から気になっていた
もし亡くなった人からの宅配便が
届けられない時はどうするんだろうと小さな
疑問を持っていたのですがさらっと本作に
そのことが出ていてしかもすごく納得のいく
内容だったことになんかスッキリした。
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「父とカメラと転売人」
「七十八年目の手紙」
「最後の月夜を君と」
「わたしの七人の魔女」
四話収録の連作短編集。
シリーズ第二弾となる本作もしみじみと良かった。
ファンタジーを思わせるタイトルだが、その要素は全くなく、今を懸命に生きている人たちに寄り添った物語だ。
お涙ちょうだい的な空気にならず、淡々と描かれているのがいい。
『天国宅配便』の配達人が、依頼人から生前に託された遺品を受取人に配送する。
故人の想いが込められた小包に感涙。
今はもう会えない人達から届く贈り物は愛と優しさに満ちていて、いつまでも幸せの余韻が続く。
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Amazonの紹介より
大切な人へ、あなたが最後に贈りたいものはなんですか?
依頼人の託された遺品を届ける「天国宅配便」の配達人が贈る心温まる感動の物語、待望の続編。
続編ということですが、第一作は未読で読みました。
突然現れた配達人。そして、知り合いからの贈り物。それは遺品ということで、単に遺品を懐かしむのではなく、遺品に隠された謎を探っていく展開が良く、どのエピソードもジーンとさせてくれる真相で面白かったです。
配達人の正体があまり描かれていなかったので、気になるばかりでした。おそらく第一作で描かれていると思うので、機会があったら読んでみたいと思います。
最初は「?」と思えるような品も、調べれば調べるほど、それぞれが遺した物に対する愛情や歴史が奥深かったです。
ちょっとしたミステリーとしても楽しめて、面白かったです。多少なダークな部分はあるものの、最後はほんわかとした感動ストーリーになっていて、読んでいるこちらも、和やかで明るい気持ちになりました。
今回は配達人と「大切な人」とのエピソードでしたが、配達人が依頼人とどのように接していたのかも気になるところです。
一つの中編小説で、依頼人→配達人→「大切な人」までを一本の「繋がり」としても読んでみたいとも思いました。
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ご依頼の人の遺品を、しかるべき方のところへお渡しするという「天国宅配便」の続編である。
今回も七星が、白い羽根のマークのロゴが入った灰色の制服でしっかりと配達する。
渡して終わりだけではなく、預けた人の最後の想いまでを丁寧に届ける七星に依頼人も嬉しいだろうと思う。
今回もさまざまなものを届けている。
どれもが心のこもった素晴らしい贈り物だった。
第1話 父とカメラと転売人
第2話 七十八年目の手紙
第3話 最後の月夜を君と
第4話 わたしの七人の魔女
1話は、転売業をする及川が受け取ったのは、やりとりをしたことのある人からの遺品の高価なカメラだ。
本当は、息子に譲るつもりが行方が知れず…
及川が息子を探してよからぬことを企んでいたが、実際本人と会うと、今までの自分の親不孝を恥ずかしく思えてきて。
2話は、ひいおばあちゃんに届いた手紙が何を書いているのか読めず、小5だけど諦めずに勇気を持って外国の人たちが住んでる近くで声をかけてる。
次々といろんな国の人を紹介されて協力してもらうが解明できず…。
ついに自分で見つけたのは暗号化しているという手紙だった。
3話は、造園業を営む父と出入りしていた矢井田家の温室で出会った年下の泣き虫な男の子に植物のことを教えていた岩子。
それから時は流れ、男の子も矢井田家当主になり岩子も父の後を継いだ。
亡くなった当主が渡したモノ。
それは温室で満月の晴れた夜。
月明かりを受けて光る青い花は、2人で植えたヒスイカズラだった。
花言葉は、私を忘れないで。
4話は、森山亜美が子どもの頃に図書館で優しそうなおばあさんを見つけては声をかけて1日泊めてもらっていた。月曜日はこの人で火曜日はこの人、というふうに7人のおばあさんの家に行っていた。
その当時亜美はこの辺りをたむろしている迷惑な放置子として有名だった。
しかし、児童相談所の知ることとなったのだが。
7人のおばあさんが亡くなったあとに亜美が受け取ったモノ。
それは思い出のあるものがすてきなネックレスとなっていた。
どれも心に沁みる話だった。
特に3話は、会いたいけど会えない想いや伝えたい気持ちを胸に秘めて大人になった岩子の心情がとても切なく思えた。
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遠く離れてしまった人に気持ちを伝えておきたい …… 。そんな願いを託せるサービスがある。
ただし気持ちを込めた品が相手の手に届くのは、依頼人の死後になる。それがこのサービスのルールだ。
それでも自分に死期が近づいたことを覚った人はさまざまな気持ちを込めて、この宅配サービスを利用する。
そのサービスの名は「天国宅配便」。
気持ちを伝える側と伝えられる側。それぞれの思いを切なく描くヒューマンファンタジー。シリーズ2作目。
◇
若い頃にコンビ漫才師を夢見た及川。夢破れた今では、転売屋というダークな稼業で暮らしを立てている。「小さな商社」だと見栄を張ってはいるが、胸を張れる仕事でないことは自覚しているので気持ちは荒む一方だ。
ある日、「天国宅配便」の七星という配達員が届けにきた荷物。中身は高級カメラだった。
依頼人はカメラマニアの老人。かつて同好の士を装おって近づいた及川が、値打もののカメラを何台か安く譲ってもらった相手だ。もちろんカメラは、密かに転売してたんまり儲けたのである。
件の老人が仲違いして家を出た息子にと思って残しておいたというのが送られてきたカメラで、ライカのレア物だ。本体だけで100万円はする。
荷物はもう1つあって、それは息子の成長を記録したアルバムだった。
当初はカメラを売り飛ばす気満々だった及川だが、アルバムを見るうちしんみりした気持ちになり、息子を探すことにした。
プロのミュージシャンを目指し、父の反対を押し切って家を出たという息子。その足取りを追ううち及川の心境にも変化が訪れ……。
( 第1話「父とカメラと転売人」)
※全4話およびエピローグからなる。
* * * * *
これまで言えなかった気持ちを、その人に伝えたい。これはよくわかります。でも、相手に届けられるのは自分の死後という設定には驚いてしまいました。
けれど、読み始めると不思議に違和感がなくなりました。この宅配業者なら申し込み時の対応で信頼できると依頼人もわかるだろうから。 ( エピローグからも、この宅配事務所のスタンスを推し量ることができますね。)
どれもいい話でしたが、特に気に入ったのは第2話「七十八年目の手紙」です。
一生懸命な仁美の描写に、まっすぐな純粋さや優しさがじわじわ感じられて、思わず感情移入してしまうほどでした。
相手をまっすぐに思いやる心は国境をも越えるんだ。ステキなメッセージだったと思います。
第3話も感動的だったけれど、岩子さんには家庭的な幸せもつかんで欲しかった。
このまま広之の思い出を抱いて一生涯を独り身で生きていくのかな。岩子さんのその後が気になります。
続編があるなら、社長さんや七星律さんがこの仕事に就くことになったいきさつを読んでみたいと思っています。
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なんとなくタイトルからして悲しいのかもしれないと思って読むのを避けていたんだけど、また図書館で読みなさいとばかりに主張して鎮座していたので観念して借りてきた。
私、なんでずっと読まずにいたんだろうって位優しい話ばかりだった。
悲しさの欠片もなかった。
どの話も良かったけど、私は七人の魔女のお話が一番好きだったな。
自分がちゃんと愛されていたと知ったら人はきっと強く生きていける。