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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクション作家が小説を書くなんて紛らわしい。その意義はあるのだろうが虚構を好まない者が読むような内容ではない。
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ニュースだけではわからないことがある。
ニュースでの事実だけで犯人を想像すると、とんでもない悪人、不良、人でなし、となりがちである。もちろん罪は罪で悪い事だが、その背景、育ち、環境が見えた途端、想像と違った「悪」が見えてくる。
周りの環境、どんな人と出会うか、何かが掛け違って壮絶な人生となってしまうこともあるんだなぁ、と考えさせられた。
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覚醒剤の運び屋としてマレーシアで逮捕され、死刑判決を受けたメグミ。
彼女はなぜ運び屋として逮捕され、死刑判決を受けるに至ったのか。
彼女の生立ちから逮捕に至るまでが明かされたとき、他人事とは思えない、一寸先は闇の世界がそこにある。
メグミに起きていたことは本当に自分ではどうしようもできなかったことばかりで、帯にあるようなこれを小さな躓きというかは別として、少なくとも作中にあるような闇の世界まで辿り着くようなものではないものだと確かに思えました。
しかし、メグミの境遇やメグミに近寄ってくる人たちの境遇って、確かに今私には起きていないことですが、これから先、私にも起こりうること、つまり私の未来として十分に辿り着く先になり得るものなんだろうなと思うくらい、リアルでありうるパラレルワールドなんだろうなと思いました。
例えば、コロナで生活を脅かされることになった人が、お金を稼ぐためにSNSなどを通じて闇バイトに手を出す。その結果、闇バイトから抜け出せなくなってしまい、最後は、警察に、逮捕される。これって、今の日本でも実際に起こっていることじゃないですかね?
もちろん、コロナで職を失って生活を脅かされてもそういったことに手を出さない人の方が圧倒的に多いわけですが、つまずきの連鎖(悪いことが起きたら何故かそれは続く)みたいなことってあると思うので、普通の人も一寸先は闇で生きているのだなと思いました。
ただ、どうしょうもなく自分がクズで迷惑をかけて生きている人間だと思っていても、相手からは命の恩人だと思われるくらいに慕われることもあるし、本作品のようになんとかメグミを助けたいと思う人が出てくることもあるので、蜘蛛の糸とは言いませんが、その人なりに一生懸命生きていれば助けてくれる人もいるということなのかなと思い、少し救われたような気もします。
そして、今作品から学んだことは、人に迷惑をかけるかもしれないと思うかもしれませんが、助けてと人に頼る勇気も必要だなということ。勿論、その助けてと叫ぶタイミングも重要なのかもしれませんが。
少なくとも、私にとって死刑囚メグミは死刑になってはいけない、助かってほしい人だなと思うくらいには、メグミに入り込んでしまいましたので。
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マレーシアで違法ドラッグの運び屋として日本人看護師が逮捕されて死刑判決となった事件を下敷きにした小説。ノンフィクション風であるが、フィクションである。国境を越えた闇ビジネス、ブラック稼業である。物語の主人公であるため、違法ドラッグの運び屋に感情移入してしまいそうになるが、大変な量の違法ドラッグが日本に運び込まれており、それで人生を破滅する人が大勢出てくる。そのような人々こそが被害者である。