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王妃のマリー・アントワネットと、一平民であるマルグリットの物語が交互に展開され、徐々にその物語が交わっていく。よくある手法だが、さすがに遠藤周作さんはうまい。混乱することなく、読者の頭にスッと入ってくる文を書けるのがうらやましい。史実を元に、独創的に綴られる本作はマリー・アントワネットに関する小説の中でも読みやすく、入門篇的な感じで読めると思う。遠藤さん独特の神に対する思想も端々にちりばめられているのが面白い。
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「ベルばら」とは違って、奔放さの陰には常に不安からの逃避があるマリー・アントワネットと、彼女を憎み続けるマルグリットの心理描写が非常におもしろいです。サド侯爵をはじめ有名な人が随所に出てくるのも楽しい。
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物語になってるから、読みやすいし面白い。
どこまで本当か分からないけど。
シャルトル公爵との駆け引きは実際にあったことなんですか?
”しかしすべての女は、恋心を否定するとき、実はそれを肯定しているのだ。”
って、どーなんでしょう。
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映画をみてマリーアントワネットの生涯を知りたくなって手にとりました。物語になっているので、面白く読みやすいです。ただどこまで史実なのかがわからないのが、ちょっと戸惑うところ。もっとマリーアントワネットについて知りたくなりました。
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……天国の遠藤先生ごめんなさい。こんないい本なのに、あんなミュージカルにしてしまって。って、オイラが謝ることもないんだけどさ。あまりの違いに謝らずにはいられない名作です。
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マリー・アントワネットの生涯に
架空のマルグリット、アニエス修道女を
投入してくるあたりがさすが。
おもしろい!
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マリーアントワネットが好きなので興味がある話だった。文章は分かりやすい。庶民側の生活も描かれていたので当時の様子が理解しやすかった。でも同じ言葉を繰り返してるとこはちょっと退屈だったから読むのに時間がかかった。ベルばらにもあったシーンがけっこうあって意外だった。首飾りの話はおもしろくて引き込まれた。
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フランス国民から最も憎まれ、愛された王妃。
今でも変わらないと想う。
また、マグリットという街娘の架空の人物の登場は、
フランス革命を描写するのに必要な要素だ。
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友人にすすめられて購入した一冊。
確か二人の人物の目線から書かれていたと思います。
題名だけだとちょっと難しそうなイメージを与えがちですが、
そうでもなく、遠藤ワールドにどんどん引き込まれてしまいます。
確かにおすすめな本だ!と思いました。
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東宝ミュージカルの原作だったので読んだ。
ミュージカルと全く違っていたけどコレはコレで面白かった。
世界史は苦手だけどこれはとっつきやすかった気がする。
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歴史もの。遠藤周作読みました。ちょっと言葉が古いのではと
心配でしたが全然そんなことなかったです。
未来のフランス王妃としてヴェルサイユにやってきた
マリー・アントワネットと、それを妬みをもって見つめる
市民のマルグリットの二つの視点から主に物語が進んでいきます。
二人の人間の人生を長い時間に渡って見つめる、読み応えのある
作品でした。
フランス革命というと、人民が一致団結して王政に打ち勝ったという
栄光的なイメージがありましたが、この本を読んで
単純に「勝利」を求めていただけでなく流血を求めていた
人間の残酷さがとても怖いと思いました。
昔、公開処刑は人々の一種の娯楽として存在したと聞いたことが
ありますが、流血を娯楽としてとらえてしまう人間の心理は
末恐ろしいものです。ローマのコロッセオなんかもそうですね。
そんな人間の集団にマルグリットも身を投じてしまうが、
身近な人間の処刑を目の当たりにして、これまでの流血を見た際の
言い知れぬ高揚感に疑問を持ちます。ある人間の死を、集団の狂気に駆られて
ではなく、個人として見つめた瞬間だったのではと思います。
彼女がマリー・アントワネットの処刑を見たのは、その「個人」の立場を
取り戻した後だった・・。
最後のほう、国王一家がヴァレンヌ逃亡に赴くあたりから
可哀想で読むのが少々辛かったです・・。
読んでてマルグリットがムカつきました。(笑)
時折、カタカナでフランス語のルビが付いててました。
フランス語かじったことがあるのでちょっと嬉しい。
「彼の名はフェルセン」 "Il s'appelle Fersen"でぐっときた!
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学生時代にハマった一冊。
読みやすく、面白く、ためになります。
フランス革命を頭にいれる入口にもなるかも。
もちろん、「ベルばら」ファンの方にも、おすすめです♪
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フランス革命?マリーアントワネット?
って感じだったので、読むことにした。
「ベルサイユのバラ」も名作って言われてるけど、少女漫画特有のキャラの見分けづらさが苦手で読めなかったし、やっぱり小説(しかも遠藤周作!)でしょってことで読み始めた。
王妃マリーアントワネットと一般市民であるマルグリットの二人の視点から物語は進んでいく。
難しい言葉を使いながら書かれている歴史小説と違ってやさしい言葉が多い(この辺は現代小説っぽい)ので読みやすい。
国民の革命思想がだんだん大きくなってきてフランス革命(1889〜1894)となって表面に現れるまでもう少し。
下巻が主にそういう内容になりそう。
死刑の方法や、罪の罰などの内容がえぐい。皮を剥いでそこに熱した鉄をかけるとか怖すぎ。
ギロチンはそういう罰を受ける者を死の苦しみから解放させるために開発された。
この頃フランスでは財政赤字が大きな問題になっていた。赤字が膨らんだ主な原因は、ルイ14世時代以来の対外戦争の出費、アメリカ独立戦争への援助、宮廷の浪費である。
国民には税金を払わせまくり、貴族ばかりがお金を湯水のように使っている。そりゃあ革命も起こるよな。しかもフランスの場合、それを国民に権力の誇示として見せびらかすからよけいに不満も出るだろうし。
そういう視点で見るとやっぱり日本って質素な国だったんやなぁ。ここまで贅沢しまくる例はないから。笑
しかも、天皇は国民に姿を見せないから巧妙っちゃあ巧妙だし。
P.57
サド侯爵「私はこの社会を憎んでいる。この社会がくだらぬ秩序とくだらぬ宗教とで支えられているからだ。あの基督教は人間のすべての自由、すべての可能性を我々から奪りあげてしまった。そしてやくざな正義、やくざな道徳律で人間を縛っている。この社会の秩序も同じことだ。神の意志の具現者は国王。その国王を助けるのが貴族。だからこその秩序を乱す者は神の秩序を乱すものということになる。私が警察に追われたのも、その秩序をかく乱したからだと言う。だが本当の秩序というのは、そんなやくざな秩序では無い。自然を見るといい、その秩序とはそんなくだらぬ秩序ではなく、もっと純粋、もっと生命力に満ち満ちた秩序がある。その秩序とは支配する者と……支配されるもの、主人と奴隷となのだ。」
P.91
商店の中で人気のあるのはカフェだった。カフェは1654年に初めてパリにできたが、この頃は花の都の至るところに濫立していた。そこでは単に珈琲を飲むだけではなく、一杯の温かい飲み物をすすりながら新聞が読め、手紙も書けた。チェスやトランプに興じていても店の主人は何の文句も言わなかった。知識人たちはこのカフェに集まって、国王の体制を批判し、情報を交換し、そして革命について熱っぽい議論を闘わした。
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あまりにも有名すぎる悪女の話。
私も彼女に関する本は色々読んだことがありましたが、やっぱり遠藤周作は良いですね。
ルイ16世やアントワネットを取り巻く多くの人々、もちろん歴史上の人物も入れば完全な創作の人々も多く出演しますが、それら登場人物が完璧に見えない糸でつながっていくストーリー展開は圧巻です。
また、遠藤周作の作品にはかかすことのできない、人間の残虐さ、不条理と宗教の絡み。この作品も正しく生きることの真の意味を考えさせられます。
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ただの歴史小説って感じじゃなくて、フィクションを読んでいるような感覚。
架空の人物との対比があったりと自由な味付けのおかげか、逆にリアリティがあったりして。
おもしろい。読み出したら止まらない。
しっかし、初めて読んだ遠藤周作がこれっていうのも珍しいよね。
と、我ながら。