紙の本
【奇想】思いもよらない考え。
2001/03/30 15:36
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:春を愛する人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格推理、社会派推理を理想的に融合したとされる作品。
浅草で浮浪者風の老人が、消費税十二円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した、という市井の小さな発端から、社会・政治・国家を巻き込んでいく作家の想像力の広がりにはただ圧倒されるしかなく、まさしく奇想と呼ぶほかありません。さらに読了後振り返ると、小さな発端にみえていた冒頭の出来事に、国家スケール並みの奇想がこもっていることが実感されてきて、再び圧倒されるのです。
紙の本
紐解かれる
2016/02/03 18:13
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投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めはどこにでもあるような殺人事件が、
日本の高度経済成長時代の闇へとつながる。
戦時中のあまり知られていない事実を
に触れながら謎が解かれていく。
一見、幻想かと思われるような事象が
想像の産物ではないとわかった瞬間に戦慄を覚えました。
社会派ミステリーというジャンルになるかもしれないですが、
日本の歴史を改めて勉強しようと思った一冊です。
ゆっくり腰を落ち着けて読んで欲しい作品です。
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重いテーマだったが、一気に読んだ。
島田氏の絶頂期に書かれた野心作ではなかろうか。
テーマや設定などは、好き嫌いの別れるところでしょうね。
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吉敷シリーズ、初めて読みました。悲しかった。物凄く辛かった。
人間や平和と云う事について、深く考えさせられる社会派要素の濃いお話。
こういった難しい題材であっても、ある種ファンタジーとも取れる展開が組み込まれて読み易く、世界観が拡がる。
犯人(犯人じゃないのだけれど)が、初めて口を開く場面が心に残ります。
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吉敷シリーズ。これが読みたくて吉敷シリーズに手を出したといっても過言じゃない。社会派ミステリなのだけど、御手洗シリーズを髣髴とさせるトリック。テーマはとても重く考えさせられるもの。でも面白かった。
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吉敷竹史モノ(通子とは関係ない)の最高傑作と聞いて読んでみました。消費税が元で老人が店主を殺害。と思われたが、吉敷は納得できず老人の過去を洗ううちに、過去の大がかりな犯罪に行き会う。これも「占星術殺人事件」と同じでマンガ「金田一少年の事件簿」がトリックを拝借。先に「金田一少年」を読んでいたので、「あ、これあのトリックだ!」と気付いてしまって十分堪能できませんでした。吉敷はなんか正義感が強いヒーローというより、底の浅い信念を振りかざして自分だけが正しいと思ってるような印象でどうしても好きになれない。もうこれ以上読まなくていいや、と思いました。
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おもしろかった。でも、かなり読むのが苦しかった。人間の運命の悲惨さ。向き合わなきゃならないことだけど、へこんでるときには自分への恐るべきパンチになる。いてて。でも、本としてはなかなか読み応えありました。
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ストーリーを見ただけだとなんだかつまらなそうだったんだけど、にちゃんで好評だったのでまたしても購入。
ジャンルはミステリィでも「Why done it?」
そう、わたしの嫌いな系統。
だけど、飽きずにすんなり読めた。
犯人の過去の出方が多少強引なものの、タイミングがいいんだな。
だけど悲しいなぁ。
一つのことや物に執着(悪い意味で)した生き方って、やっぱり損だと思う。
気持ちを切り替えればもっと違う生き方が出来たのにって思っちゃう。
読み終わるとかな〜り気分が重くなります。
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2007/4頃
二日くらいで読んだ。これもまた、日本を批判するのに飽くことない頃に読んでいたら、大感動だったかもしれない。小中学生の頃だ。読む時期を逸した感あり。場面場面はわるくないとは思いながらも、やっぱり御手洗ものは初めのころの短篇がいいよと思う。
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これの前に「占星術殺人事件」を読んでいたせいか、感動がイマイチ。
途中でトリックよめちゃうし・・・。
でも社会派推理小説としては成功なのかな?
一応飽きることなく読めたので、星4つ。
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浅草で浮浪者の老人が消費税12円を請求され、店主をナイフで刺殺した。老人は痴呆症のようで名前すら名乗らずただ黙秘しつつげる。単なる衝動殺人と片付ける事に矛盾を感じた捜査一課の吉敷は単独で事件を追う。その老人は、23年間も刑務所に入っており、一昨年仮出所したばかりの行川郁夫だと判明する。所内では模範囚で殺人を犯す人物では無いと彼を知る人は口を揃えて証言をする。しかも彼には冤罪の疑いもあった。
突発的な始まり方をするのがとても印象的だった。読み進めて行くと、その文体が何であるか解ってくるのだが、その部分がちゃんと説明され最後につながって行くのが、いい意味で期待を裏切った。犯人は覆らないのだが、奥行きがあるので、そんなものは全く気にならなかった。
最初、このタイトルの意味(狙い)が全く解らなかったが、読んで納得。とてもいいタイトルだ。
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吉敷竹史シリーズ
消費税12円を請求されたことで桜井佳子を刺殺した行川郁夫。事件に不振を抱いた吉敷の捜査。行川が書いた童話。列車の中で踊るピエロ。列車のトイレから消えたピエロの遺体。白い巨人に脱線させられた列車。飛び込み自殺の遺体が甦り逃走する。牛越刑事の捜査であきらかになる実際に起きた事件。サーカスから駆け落ちした呂兄弟と桜井佳子。函館本線で射殺されたチンピラの荒井。札沼線から消えたピエロ。冤罪で服役していた行川の過去。
新装版 2007年3月25日初読
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久々吉敷刑事。列車のからくりとかあんまり好きじゃないんだけど(時刻表とか照らし合わせたりね。。)続きが気になって面白かった。
読後はなんだか悲しい気分。
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何の関わりもないようなことが、読みすすめるにつれて、少しずつ明らかになってくる過程が最高です。
真犯人の正体を知ったときの衝撃は忘れられません。また、動機には涙しました。
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館シリーズ&島荘を勧めてくれた先生いわく、島田荘司の中で最高傑作のトリックとのこと。
トリックは、説明されれば確かにそれしかない、と納得。しかし、全然 予想もつかなかった。
主人公が違うから当たり前かもしれないが、占星術殺人事件とはまったく雰囲気が違い、面白かった。