奇想極まる双子トリック(ネタバレに非ず)
2023/08/07 14:32
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
トラベルミステリーの大家となる前の西村京太郎は、一作ごとに作風を変え、多彩なアイデアを盛り込んだミステリの書き手でした。
その中でも本格推理ファンから高く評価される本作が待望の復刊。劈頭で、この本では双子を利用したトリックが使われていると宣言する、大胆不敵な堂々たる本格ミステリです。
素顔を晒したまま店に押し入る強盗が都内に出没。当然、警察はあっさりと容疑者を割り出します。ところが……。なるほどこれが最初に言っていた双子トリックかと読者が早合点する間もなく、話は強盗事件とは無関係にしか思えない吹雪の山荘での連続殺人へ。犯人は誰か? 動機は? 殺人と強盗事件のつながりは? いくつもの謎が読者を惑わせます。メインの双子利用のトリック以外にも細かいアイデアや伏線に光る部分が数多い名作。
帯には有栖川有栖、貫井徳郎、綾辻行人、白井智之、辻真先、斜線堂友紀、円居挽、とそうそうたるメンバーが推薦をしたためていますが、読了すればそれも納得です。
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西村京太郎による、『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品。冒頭に、「この推理小説のメイントリックは双生児であることを利用したもの」と明かされており、この作品には双生児が登場する。
時間をかけずに一気読みすることができた。注意深く読むことで、トリックを当てることができた。だがラストシーンまでは予想出来なかった。
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犯人は、時間が必要だったのだ。早川が、西崎になりすまして新聞社に辞表を出し、山形へ旅行するだけの時間が。小さなトリックは、そのための時間かせぎだったに違いないし、犯行の動機を誇示するような隠すような曖昧な態度を示したのも、同じ理由からに違いない。
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幼い頃、西村京太郎先生の小説が家にあり、漢字がある程度読めるようになった時に初めて読んだのが、西村京太郎先生の小説だった。
西村京太郎先生の作品なくして、私の"ミステリ小説好きの人生"は語れないので、落ち着いた時にじっくりと腰を据えて読みたい。
だから、大切にとってある一冊。
追記
読み終わったので感想書く。
見事の一言。これを1970年代に執筆していた西村京太郎先生はまさしく天才なのだと思う。
ノックスの十戒に則って、双子による犯行だと冒頭で明かしているにもかかわらず、別々に起こる2つの事件がどう絡み合っていくのか、先が気になって気になって一気読みした。
終盤、もしや?と思いながら、最後までハラハラドキドキしながら読んだ。
紛れもない名作でした。
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ザ王道ミステリー。最初から双子のトリックと種明かしした上で、謎解きを挑戦させる。
二つのストーリーが重なった時、ミステリーは確信に迫っていく設定。
二つともはっきり区分けのつく流れで、両方とも楽しめた。
王道を読みたいときにはピッタリ!
時代設定が古いかな。殺害現場にゾロゾロといけちゃうとか、電話線切断とか。
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設定が古いとはいえ今でも十分楽しめるミステリー小説でした。
初めから双子トリックと分かっていても見抜けなかった。
雪山と東京で起こる2つの事件が交互に展開され、その2つがどうつながっていくのか、事件の動機はなにか、複数の謎を抱えつつ、読みやすい文体で最後に集結させる纏まりのよい一冊です。
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はじめにこの作品には双子を用いたトリックを使用しますと宣言されていたのにも関わらず、見事に騙されました。
是非とも手に取って読んでほしい作品。
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ミステリー界の重鎮である西村京太郎、意外にも初読み。失礼ながらなんとなく古くさいイメージがありこれまで手を付けることがなかった。
そんな中、たまたま図書館で目に留まったので読んでみた。結論、おもしろかったですね。変な小細工なしの王道のミステリーという感じで読みやすかったかなと。そして何と言ってもこれが元々50年以上の作品ということに驚き。それでいて全く古くささを感じないクオリティはさすがだなと。事前に「双生児トリック」だということを謳って物語が始まるというのも新鮮さを感じて個人的には好きだった。
一見関係のない殺人事件が徐々に収束して真相が明らかになっていく感じも痛快でした。
やはり名作は時代を越えても名作なのだということを改めて感じた一冊でした。
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最後のページに人間の罪悪感を鑑みた。
二つの事件がどのように重なっていくのか、ドキドキしながら、読みました。
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今更感ありますが、西村京太郎先生の作品を初めて読了。 最初に『読者への挑戦』のような文章があるため、ワクワクしていると「あれえ??」となる(苦笑) 私は推理小説に関しては「騙してくれええええ!」タイプなので、だいぶ楽しんで読みました◎ただ、会話になるとそこは古い小説だなあというくらい「~だわ」「~だぜ」が目につく。1971年に刊行されたものだから仕方ないけどね…でも刑事さんたちの会話はとてもいい。初めてがこの作品でよかったなあ。他のも少しずつ読んでみようと思います。