紙の本
Tyrannosaurus rex
2023/05/05 20:58
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐竜界のスーパースター、ティラノサウルスの研究本です。しかし、学説の要約という感じで、あまりおもしろく読めませんでした。
紙の本
恐竜の王者の進化と生態
2024/01/06 08:28
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投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐竜界のスターといえばやっぱりティラノサウルス。
俊敏なラプトルも巨大なブロントサウルスも有名なステゴサウルスも海の王者モササウルスもいいが、ティラノサウルスなくして恐竜は語れない。
もう十年以上前になるが上野の恐竜展で「バッキー」という小さめのティラノサウルスがかがんだ姿で展示されていたのを思い出します。
いまにも動き出しそうな躍動感にあふれていたが、先日上野の常設展を見に行ったら普通にバッキーもトリケラトプスも展示されていました。
白亜紀の王者ティラノサウルスですが、ティラノサウルスの仲間は18種類いるという。
一番有名なのがティラノサウルス・レックスで、頭骨の長さだけでも1メートルを超え体重は1トンを超える巨大な身体、反対に小さな前足と日本の指が特徴だ。
タルボサウルス、ダスピレトサウルス、アリオラムス、アルバートサウルス、ゴルゴサウルスがTレックスと並んで進化型のティラノサウルスの仲間で著者は「一軍ティラノサウルス」と呼んでいる。
三軍のティラノサウルスは比較的身体が小さいが3~5メートル程度はあり、前足の指は3本なのが特徴だそうです。
三軍メンバーは古い時代に生きた原始的なティラノサウスで、ここから少しずつ進化していって二軍から一軍への道のりをたどっていきます。
恐竜時代である中生代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀だが、この中生代を一年とすると六月くらいから三軍のティラノサウルスが出現し、十月前まで二軍のティラノサウルスが出現したりいなくなったりしながらカレンダーは進む。
11月27日以降になってようやく一軍が出現し、12月20日ごろにタルボサウルス、12月28日くらいにTレックスが現れて大晦日に白亜紀の大絶滅によって姿を消してしまう。
時間の流れが大きすぎて把握しきれなかった部分がすっきりと理解できる。
そして化石の特徴を比較して、ティラノサウルスの分類や生息地域について詳しく見ていきます。
ティラノサウルスの骨格から姿は予想できても、その体表面が鱗に覆われていたのか羽毛が生えていたのかや何色だったかはまだ分かっていないそうです。
肉食だったのは間違いないが何を食べていたのか、どのような捕食をしていたのか、おそらく卵生だっただろうがどんな形の卵を産んでいたのか、目や耳の機能や寿命まで化石からわかる事実を詳しく語っていく。
古生物学者の研究方法やティラノサウルスの実態についてわかりやすく書かれた本だった。
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恐竜と言われてもなんとなくしか想像つかなかったのがすこし解像度があがった ティラノサウルスも科があって一種類じゃなくいろんな仲間がいたのも知らなかったし
日本からも仲間の化石が出ているようなのでこれからが楽しみ
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永遠のラスボス、チラノ(ティラノサウルス)との初遭遇は石森章太郎のアニメ「原始少年リュウ」だったような…。凶暴さと知性を併せ持つ圧倒的存在感が子供心に刷り込まれました。1971年の頃でした。それから時が巡り1993年、スピルバーグの「ジュラシック・パーク」で再びまみえた時もティラノサウルスの禍々しさは不変でした。アニメの二次元からCGの三次元にアップデートして、怖さも進化したのかもしれませんが、悪役大スター感はますます輝いていました。恐竜図鑑の表紙もティラノサウルスを表紙にするかしないかで売れ行きが全然違うとか。まさに人気恐竜のトップの座は不動ですが、しかし一方、ティラノサウルスは現在進行形な存在なのです。ここ10年ぐらいでどんどん更新される最新のティラノサウルス研究をわかりやすく教えてくれる本が本書です。アニメや映画ではティラノの前にティラノ無し、ティラノの後にティラノ無しといった突出したイメージを持ちますが、一軍、二軍、三軍を含むティラノサウルス軍団という大きな存在であること、それが時間の流れで繋がっていること、そして世界的な分布を生んでいること、その研究によって一軍、二軍、三軍のメンバーチェンジが頻繁に行われていること…驚きです。ティラノサウルスの身体の表面の羽毛の話とか、共食いはあったのかなかったのか、とか最新の研究論文を紹介してくれる、だからまだ確定していない推論もどんどん提示するライブな解体新書です。なんかテンション上がって上野の森美術館でやっている「特別展 恐竜図鑑」に行ってしまいました。そこは発掘された骨からどんな生物を想像するのか、間違えも含めた科学と美術の間の往復運動の展覧会でした。人は恐竜に何を見てきたのか?というテーマはまさに本書の,人はティラノサウルスに何をみてきたのか、と重なると思います。梅雨明け前の猛暑の中で、おっさんのちょっと早い夏休みワクワク読書、第一弾となりました。
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最新の研究成果を用いた、現時点で分かっているティラノサウルスの全てが分かる一冊。GWを控えたこのタイミングに読んでおくにはもってこい。読了後は甥っ子たちへのプレゼントだ。
映画『ジュラシックパーク』(1993)で、リアルに動くティラノサウルスの姿を目にして以降も、まだまだ研究は深化しているということが良く分かる。
なにより大きいのは羽毛恐竜の発見か。1996年、中国・遼寧省で発見されたシノサウロプリテクス以降、恐竜の羽毛の存在のみならず、鳥類への進化が見直され、研究が進んだ様子が実に興味深い。
自分が幼少の頃(ほとんど半世紀前だが)、学研の漫画で読んだ恐竜のお話が思い出される。当時は体表の様子、色に加え、雌雄も判明しなかったと、シルクハットにイヤリング、葉巻をくわえた口元には紅をさし、ロングドレスを着てるが手にはステッキを持っている恐竜の絵が添えられていたのを覚えている(が、今やそのイラスト自体が、雄を表現しているのか雌を表現しているのか、それすらも怪しいと言われそうだ)。
鳥類の祖先ということで、現在生きている鳥の研究から、繁殖期にあるメス鳥の骨の空間(骨髄腔)に形成され骨髄骨(卵のカルシウム源になる)の存在から、恐竜の化石でその痕跡を調べることで雌雄の判別もつくという話は、たゆみない研究の積み重ねがもたらした素晴らしい成果だと、隔世の感を通り越して感動すら覚える。
とっつきやすくソフトにしようと序盤、ティラノサウルスの仲間をスポーツのチームに例え、一軍、二軍、三軍と分けて、一軍予備とか、二軍落ちと、研究が進むごとに分類が見直される様子を説明しようとするが、それはかえってややこしかった。というか、もう、子どもの脳と違って、数々の恐竜の名前がすんなりと入ってこない。なにが、一軍で二軍だというのは、どうでもいいのだ(苦笑)
ということで、この手の本は若い脳ミソの持ち主、GW後半に来襲してくる甥っ子どもに、譲るとしよう。
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ティラノサウルスって、こんなに面白かったんだって。
恐竜の中でも「ティラノサウルス」のみに特化した、最近の研究を一般向けに語る本。
恐竜に興味がなくて、ティラノサウルス以外の恐竜が好きな人には、全く意味のない本。
愛情が溢れすぎて。
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日本における恐竜研究の第一人者が2010年以降のものを中心に超肉食恐竜といえるティラノサウルスにまつわる最新研究を紹介。具体的には、ティラノサウルスの仲間の分類、ティラノサウルスの食べ物、ティラノサウルスの成長と老化、ティラノサウルスの身体能力、日本におけるティラノサウルス類など。
恐竜好きの1人として、子どものときに得た知識からだいぶアップデートされたティラノサウルスの最新研究の内容を知ることができ、とても興味深かった。ただ、分類の話など、一般人向けとしてはちょっとマニアックすぎる気はした。
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ティラノサウルスの研究で分かってきた内容や最近の論文で話題になった研究を紹介。あと1年発刊を待ってくれていれば、2023年に歯の研究からティラノサウルスに唇があったのでは…との説の解説ができたかも。歯が剥き出しの現在の復元から大きく印象が変わる可能性がある。ティラノサウルスには進化的に3段階に分けられ、最も進化したティラノサウルスは北米のみで、サイズ、嗅覚などの感覚、噛む力など、どれをとっても地上最強だったが、白亜紀の最後も最後に現れた。最も進化したグループはタルボサウルスやダスプレトサウルス、アルバートサウルス亜科にはゴルゴサウルスがいた。聞いたこと無い恐竜はカタカナ多すぎて流し読み。アロサウルスとかは時代も違うが系統も違っており、頭骨や歯の化石で種類まで分かるのかな。意外と成体のティラノサウルスは鋸歯がなく、噛む力が強いので大きい歯を使って骨まで砕くまさに怪物的なパワータイプだった模様。毎年新たな発見もあり、いつか卵の化石なども見つかることを期待。