紙の本
コロナ禍であっても彼女は彼女
2023/05/30 15:43
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、インフルエンザと同様の「5類」に変更されたのは、2023年5月。
だからといって、ウイルスが消えた訳ではないのに、なんだか気分が違う。
コロナが騒がれだしたのが、2020年はじめだから、実に3年という長い期間、私たちの生活はあっちにいったりこっちに追いやられたしたことになる。
日記をつけている習慣の人にとっては、貴重な3年の記録として残っているのではないだろうか。
では、この人の場合はどうだろう。
「WEB平凡」で長期連載となっている川上弘美さんの『東京日記』の7巻目が出た。
連載期間は2019年3月から2022年1月までで、世界中がコロナ禍で暗澹としている時期である。
「新型コロナが日本にもしだいに広がりつつあり、外出や集会の自粛が要請される毎日」と書かれているのは、「三月某日 晴」とあるが、おそらく2020年の3月のことだろう。
続く、「四月某日 晴」、「新型コロナ感染による緊急事態宣言が発出される。」とある。
この時期、世の中はかなり神経質になっているが、川上さんの文章はあまりそう感じない。
それが、この『東京日記』の良さであり、面白さといえる。
何しろ、こんな大事な時期の日記ながら、書名は『館内すべてお雛さま。』なんですから。
それで、一冊の本としてまとめあげられた「2023年初春」、川上さんは「あとがき」にこう書いている。
「それほどに「日常」は強いものであるという驚きがありますが、反対にいえば、「日常」がまだ続いていることのありがたさも、身にしみます。」
なんだかんだあっても、やはり川上弘美さんも緊張していたのかもしれない。
紙の本
東京日記7
2023/04/30 10:12
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投稿者:むくどり - この投稿者のレビュー一覧を見る
そうか、もう7冊目だったのね。
短い書き付け日記を覗き見てる感じだけど、独特の雰囲気があって凄くいい。
書籍化したら、つい買って何回も読んでしまう。
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コロナ禍に入る前からの3年間の東京日記。あとがきにも述べられてるけどさほどいつもと変わり映えしない安定した東京日記にほっこり、癒されました。一生続いて欲しいシリーズ
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この人のエッセイが好き、って最上級の敬意の表れだと思うんだが、この想いを私は川上弘美さんに抱き続けている。
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相変わらず変な川上さんであるw
いろいろ激しく同意。
ん?私も変な人なのか?
いや、同意したのは変な部分じゃなかったかと…www
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林真理子や銀色夏生とも違う独特の面白さ。
ちょっと浮き世離れしてるというか、童話的な(夢の話し)感じ。
随所に笑いどころあり。
友人が少ないことを気にかけてるとこや、それでも知人が多そうで電話で話す知人、友人の会話がめっぽう面白い。
中盤からコロナ禍になりリモート系のエピソードも楽しい。
落ち込むとネットで食材(筋子とか)を買うとこもなんかわかる。
タイトルは旅先で訪れた展示会の内容が変更になっていて、
ひな祭り関係のものばかりだったとか。
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川上さんのエッセイは、いつでもするすると身の内に沁み込んでいくような、親しみ深い心地がする。
数少ない、エッセイも好きな作家さんの一人である。
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虚実入り混じったような、ふわっとしたこのシリーズがとても好きだ。
途中からコロナ禍の影が射しはじめ、ひやりとするも、雰囲気はさほど変わらず安心する。
だが、あとがきを読んでハッとした。この日記の後には、日常が瓦解する光景を目の当たりにするのだった。
これ程分かりやすく暴力的に暮らしが破壊されていったわけではないが、コロナ禍においてむき出しになったあれこれも記憶に新しい。特に非常時に乗っかって、文化を軽んじた人たちのことは決して忘れてやらない!と強く思う。
とまれ、くだらなくも愛おしい日常が続いていきますように。
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淡々と日々のことが綴られているエッセイ。
7冊目ってびっくり。
今回は新型コロナの日々がメイン。
いろいろありましたね、と遠い目に。
川上さんの視点から見る世界は「そんなに慌てなくても良いんだよ」と言ってくれているよう。
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勝手に、作者の方を文学のすごい人で、高尚な遠い感じの人というイメージを持っていたので、ゆるく、ほっとして、たまに何だか笑ってしまうような内容に惹きこまれました。装丁も素敵ですね。紅白と駅伝を、録画して、お正月に晩酌をしながら3日とかかけて見る、というのに、年末年始で力がぐっと入っていたので何かほっとしました。他にも、粗大ゴミを追いやった魔空間を作ってしまった話や、ドラクエウォークをされているなど、好きなエピソードがありました。
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期待通りの七冊目。大好きな東京日記。繰り返し読むことになるだろう。うれしく、あたたかな気持ち。川上弘美先生の本に出会えて良かったな。数独の本、買ってみようかな。
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脱力系、自虐ネタに、ホントのような嘘のそうな出来ごと(カラスが頭に止まったりすのだろうか)、大笑いするようなことではない、中途半端なとこでとまる生ぬるい感じも絶妙で、読み合わるとフワフワした、こんな視点で生活してみたいものだと思う。
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東京日記7冊目。時は、ちょうどコロナ禍。初のzoom体験やら、外出自粛やら…
川上さんらしく受け止めているようでした。